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さよなら、太陽。

水面に漂う水泡を割った。

微かな破裂音が聴こえた気がした。

あんなに白かった太陽が、すっかり赤くなっていた。

だけど、水泡に触れた指は白かった。

あの太陽に奪われたんだ。

そうに違いない。

心ない人ってキミは言った。

心もあの太陽に奪われたんだ。

そうに違いない。

今日も冷たい灰が降ってくる。

そのとき気づいたことだけど、

吐き出す言葉も白かった。

あの太陽が奪っていったんだ。

きっと、そうに違いない。

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