発達障害克服してみた 序章

 (この文章は2021/09/12にリライトいたしました)

 皆様初めまして。私は10年ほどかけて、薬なしで発達障害の症状を大幅に軽減させたRyukayと申します。このシリーズではいくつかの章立てに分けて、自分が抱えていた困りごとやそれをどう乗り越え、そこから得られた様々なことを皆様に共有したいと思って筆を執りました。

 このシリーズを読んでいただくにあたり、まずはじめにいきなりで恐縮なのですが、私は正式に発達障害の診断を受けたわけではありません。診断を受けていない理由は、自覚はあったものの、精神科の医師やそこで出される薬に対する不信感が強く、診断を貰いに行き治療を受けに行くことに対して強い抵抗感があったのが原因です。それで、自力で少しでも楽になるにはどうしたらいいだろうと試行錯誤を繰り返していくうちに、薬を飲まずともどんどんと症状が改善され、診断を受けるまでも無くなってしまいました。

 診断を下されたわけではない以上、どうしても説得力は低下してしまいますし、人によっては発達障害を語る資格は無いと抵抗感を感じる人もいるでしょう。ただ、逆に言えば同じく診断を受けていないグレーゾーンの発達障害の人や、副作用などの観点からどうしても薬を飲みたくない人もいらっしゃると思います。そういった方に向けて自分の体験談や考えてきたことが役に立つのではないのかと考え、このシリーズを書くことにしました。もちろん診断を受けた人にも参考になるような内容であるつもりです。

 ご存じの通り、発達障害がどんどんと世間に知られていくにつれて、様々な発達障害に関する情報が出てきています。大半の情報は「発達障害は決して治らないものなので、得意をしっかりと伸ばしつつ、苦手を極限まで回避するか、工夫して乗り切ろう」といったライフハック的なストーリーになっています。得意を生かすことや苦手を回避することに関しては、発達障害者に限らず誰であっても大切なことだと思います。しかし、「発達障害は決して治らない」という部分は本当でしょうか?専門医や権威のある人間がそう言ったから、そうだと信じているだけではないのでしょうか?
 
 例え話になりますが、今から100年前には結核は決して治ることのない病でした。ですが、医療の発展によりこの病は結核菌という細菌が原因であることがわかり、そしてその特効薬である抗生物質が開発されたことで、現代では医療がしっかりしていない途上国を除き、この病を過剰に恐れることはありません。今発達障害が置かれているのは、100年前の結核と同じような状況なのではないでしょうか?治らないというのは実は「分からない」だけで、本当に「治らない」ことが証明されたことにはなりません。加えて治らないものという前提で研究を進めるわけですから、当然治らないという結論が積み上がるのは明らかです。
 だから、真剣に原因を仮説レベルでもいいから突き詰め考え抜くことで、もしかしたら結核における抗生物質と同じように一筋の光が生まれるかもしれないと考えたのです。また、仮に考えに考えた末に治らないものと結論付けたとしても、誰かが治らないと言ったのを鵜呑みにするのと比べて納得感を持って自らの障害を受容できるのではないかと考えました。

 私は医師ではありませんが、自らの発達障害の症状を直そうと研究を重ね、仮説ではあるものの発達障害の原因を考察し、加えてそれを基にした改善の手法を考えました。しかし、いきなりその仮説をお話しするにはあまりに大胆すぎるものになっています。そこで、まずは自己紹介も兼ねて、始めに最も暗黒期であった18歳まで、自分がどのような発達障害の症状を持っていたかについて。続いて、暗黒期からどのようにして様々な症状を抜け出していったかについて。そして最終的には取り組んだことからなぜその大胆な仮説に至ったかという順番でお話ししたいと思っています。

戦略の巻」に続く・・・

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