正しい感情の感じつくし方 浄化ワークのススメ 前編    

 前回の続きです。

 そもそも、自分がなぜ感情を感じつくすことを始めたかというと、当時それしか出来ることが無かったからです。いくら努力しても人間関係は改善されず、辛い感情を延々と反芻してしまうため、どうせ人間関係は上手く行かないんだし、せめてこの忌々しい感情が消えさえすればと思って始めました。まぁあとは、感情を感じつくすとなぜかそれにまつわる嫌な他人が消えるとか苦しい現実が変わるという話も聞いていたので、それも期待していたのですが。

 こういったネガティブ系の感情を感じつくして手放すのを、スピリチュアル業界では「浄化」とか「クリアリング」とか「クリーニング」なんて呼んだりします。
 私はこの浄化法の一つであるネガティブな感情に浸って感じつくすというメソッドを12年前くらい前に見つけてネガティブな感情や反芻が出るたびに一人で粛々とやっていたわけです。ただ結果としては、苦しんでいた感情の1割程度は解放されたのですが、依然として大半の感情からは解放されませんでした。しばらくするとまるでRPGの無限に湧いてくる雑魚キャラのような感じでいつまでもいつまでも湧いてくるのです。
 当時は、この無限湧き問題について解決法を見出せず、結局最後までコツを掴むことが出来ずこの手法は断念してしまいました。ただ、ネットを調べると意外とこの手法を使いこなすことが出来ている人もチラホラといたりして、一体自分と彼らの差は何なのか頭を悩ませたものです。心の世界は全く見えませんから、その差も良く分からないわけです。
 最終的にこの浄化法は諦めて、他の学びや手法で色々と問題を解決することが出来たわけですが、大きく回り道をした結果、その時の経験からなぜあの時上手く行かなかったかを説明することがようやく出来るようになりました

経験から得た、正しい感情の感じ方のコツは大きく分けて3つです。
 ①感情を客観視する
 ②ネガティブな感情を毛嫌いしない
 ③感情の責任を取る

 です。長くなりそうなので、今回はまず①を説明して、次回に②、次々回に③を説明しようと思います。では、早速始めましょう。

 ①感情を客観視する

 まず感情の感じ方として、感情に飲み込まれずに感情を客観的に感じるということが重要です。浄化作業が上手く行かなかった頃の私は完全に感情に飲み込まれ、支配されてしまっていた状態でした。私はこの状態を「犬のおまわりさん」状態と呼んでいます。
 童謡の「犬のおまわりさん」という曲はみなさんご存じだと思います。迷子で困った子猫ちゃんを犬のおまわりさんが助けようと住所や名前を聞くわけですけど、泣くばかりでどうにもならない。最後には犬のおまわりさんも困って一緒に泣き出すという歌詞です。子供の時は歌詞に何の疑問も持たずに先生のピアノに合わせて大声で歌っていましたけど、大人になって真面目に歌詞を見てみると、「おまわりさん仕事しろよ(笑)」というツッコミどころ満載な歌詞です。
 でも、当時の自分はネガティブな感情が暴走する自分の心(=泣きじゃくる子猫)を自分の理性(=犬のおまわりさん)がまるでコントロールできず、自分の心と同一化して延々と苦しんでいたのです。この歌の歌詞のことをまるで笑えない状態だったんですね。
 本来犬のおまわりさんがやるべきことは、泣きじゃくる子猫に対して自分はどっしりと構えて、忍耐強く子猫を慰めたりすることで、まずは泣き止ませることが先決です。その後然るべき対応を取って子猫のお家を見つけるということが大事なわけです。しかし、一緒になっておまわりさんも泣いてしまえば、歌の様に子猫は泣き止みませんし、お家も見つかりません。結局得られるのは泣き疲れたという疲労感だけになってしまうのです。事実、当時の自分も何度も感情を感じつくして、疲労感に溢れている割には、いつまでも感情が落ち着きませんし、現実も何も変わりませんでした。

 では、当時の自分がなぜ感情の客観視が出来なかったかと言うと自身の発達障害的な傾向です。そもそも感情を含めた自己を客観視する能力を脳科学の用語で「メタ認知」と呼ぶんですけど、発達障害の人ってそもそもこの「メタ認知」が苦手です。
 これを解消するには、犬のおまわりさん(=理性)を発達させて強くする必要があります。理性すなわち脳の前頭葉のことなので、前頭葉を発達させるメソッドなどを行えばよいでしょう。ちなみに私は前頭葉に関わりのある、原始反射を統合するメソッドを行うことで、自己客観視する能力がかなり高まったと思われます。

 次回は②の「ネガティブな感情を毛嫌いしない」についてお話ししましょう。では、また!
 

 


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