見出し画像

私たちの家計は80歳まで働かないと破綻する

私たちの寿命は延び続けている。平均寿命は10年で2~3年ずつだ。
やがて100年を超えるだろう。(人生100年時代)
これまで定年後の生活を支えてきた年金制度は持続が危うい。
つまり、勉強して、社会に出て、仕事をリタイヤして余生をのんびり過ごすという、これまでのシナリオは通用しない。
必然的に就業期間は長くせざるを得ないのだ。

少子高齢化の時代、働き手(年金の原資を払う人)が減っている。
ところが、もらう側(高齢者)は増える一方で、財源がなくなるのは当然だろう。
政府は対策に動き出している。
・支給開始年齢を遅らせる
・支給額を削減する
政府は国民にできるだけ長く働くように仕向けているのだ。
また、企業にも長く雇うように半ば強制している。
かつて多くの企業では55歳定年だったが、1994年の法改正で60歳が主流になり、2025年4月には65歳定年制はすべての企業の義務となる。
さらに厚生労働省は「労働者の希望があれば、最長70歳まで定年延できるようにすること」を企業の努力目標としている。
ただし、企業には65歳までの雇用義務はあるものの労働条件の設定は自由だ。
そのため、嘱託社員となるのだが、通常給与は大幅に減らされるだろう。

実は、退職の時期を先送りすることには大きなデメリットがある。
それは、自分で稼ぐ力を身に着けるチャンスを先延ばししてしまうことだ。
定年後にどんな雇われ方をされようと、さすがに70~80歳まで今の会社にいることは難しいはずだ。
誰もが、どこかで、自力で稼ぐ道を歩み出さざる得なくなる。
そんな時代がやってきたのだ。

そこで、今日紹介する一冊だ。

会社に勤めながら、週末は自分のビジネスを立ち上げ、軌道に乗ったら独立する、そんな起業スタイルを提唱する本だ。
本書は16年前にベストセラーになった『週末起業』を大人版にリメイクした内容になっている。

今、苦難に立たされているのは40~50代のミドル層のサラリーマンだ。
名立たる大企業も「早期退職」「希望退職」を名目にリストラを行っている。
また、正社員に個人事業主に切り替える動きも活発になってきた。
著者は「週末起業実践会」で2万人超のビジネスパーソンを指導してきた経験をもとに、ミドル層の大人に向けて、それぞれの経験や人脈、趣味などを活かした週末起業の始め方を指南する。

しかし、これからの不安など、大人には大人の事情があるだろう。
ここで、大人(40~50代のミドル層のサラリーマン)の弱み強みを見てみよう。

【弱み】
・若者に比べ、体力や精神力、柔軟性がない
 言わずもがな、40歳を境に、身体も頭も、無理が効かなくなる
・若者に比べ、失敗が許されない
 人生の残り時間が短い分、失敗したら再起が難しい
・起業の適正がない
 まだ始めていないということは、どちらに適正があるか分からない

【強み】
・社会人経験が豊富
 組織の一員としてキャリアと経験を積んで、それぞれの分野で専門性を身
 につけてきた
・仕事の人脈を活かせる
 人脈こそ財産、週末起業ではキャリアを活かしたビジネスを推奨している
・貫禄がある
 ビジネスは信頼、雰囲気はコンサルタント系での起業では有利になる

このように、大人世代ならではの特性がある。
これを客観的に理解した上で始めるのが、大人の週末起業だ。
今から新しいものを手に入れることを考えるより、今手にしているものを最大限に活かすことを考えよう。


【今週の読了】


この記事が参加している募集

推薦図書

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?