りゅっぢ

エコロジィ、雑草、土、HCI、ロボディクス、当事者研究、民藝、民俗、農業工学を交叉させ…

りゅっぢ

エコロジィ、雑草、土、HCI、ロボディクス、当事者研究、民藝、民俗、農業工学を交叉させたOHANA-ROBOT開発者の札幌農学校M2st で里山集落好きの山窩派アナアキズム系クリエータとして生きてゐる。

最近の記事

山の暮らし 梅雨の季節

2024年6/23~7/5まで,小院瀬見にいたときの記録 1. 田 3人で田植えをした.水の深度を調整し,田植え機を操作し,柄振で田をならし,苗の補給や植えなおし,手植え,片付けが一連の作業. 自給用の田仕事が土地への隷属的作業では無いことを知ったのは,昨年の玄米を食って仲間と土地と季節と共に生きる喜びを実感したときであった. 他にも,餅にする古代米:赤米,黒米,緑米を植えた.餅付きは人手がいる.楽しいから人手がつく. 今度は「田が余ってないか」と訊いて辿り着いた田

    • 採訪3:大宜味村,沖縄

      4月中〜下旬の話.沖縄本島北部,大宜味村にある I 農園(画像は I さん).ここは,やんばるとして世界自然遺産の指定を受けた場所.ブルーゾーン=長寿の村として世界から関心の高い場所.沖縄で共生農法というからには訪れたい場所.OHANA-ROBOT開発を続ける条件として,まず自由に使える土地があって,生物多様性に富んでいて,人間と自然の共生バランスが取れていて,その土地にコミュニティが根付いていて,伝統的な文化慣習があることを考えていた.わざわざ移住するに足る特徴がないなら却

      • 反ソリューション主義について

         ここ1週間CHI2023-24の論文をずっと読んでいたので,著名な先生方の今年のCHIに対する反省ポストをXで追っていた.立場は違えどCHIに対して何らかの疑問を持ちながらも楽しんでいた点が興味深かった.  個人的にはO先生の論文と図からなる一連のポストが勉強になった.下図は”Anti-Solutionist Strategies: Seriously Silly Design Fiction”を踏まえていて,良いHCIが反ソリューション主義(以下,S'),詭弁飛行がソリュ

        • 採訪2:小院瀬見,福光,南砺市

           4月上旬の話.前回の記事までに,沖縄で共生農法をしてロボットを共生したいみたいな適当なことを言っていたっけ.今回の南砺市への視察は,そんなイメージを覆すものであったし,「選択的機械除草」というアイデアがすでに人間により実現されていたし,ここに住んで研究したいなということを強く思った.  小院瀬見は,限界集落を迎え廃村となる一歩手前の時に,移住者による強力な助けを持ってそれを免れた,稀有な場所である.この地域の農業はすべて自然栽培,無農薬無肥料に耐えうるくらいに生態系や土壌が

        山の暮らし 梅雨の季節

          ポートフォリオ(2024年3月23日作成)

          クマ財団の応募用にポートフォリオを作った. 無事8期生として採択されたので公開してみる. 1999 年岐阜県出身.北海道大学農学院在籍.農村における《豊かさ》の実践的追求 が人生のテーマで,領域横断的なアプローチで情報技術やロボットが農村の暮らしの中 に溶け込む世界観を描き実装している.

          ¥300

          ポートフォリオ(2024年3月23日作成)

          ¥300

          採訪1

           実家から電車で70分ほど離れた地域で,貸してもらえる畑があると言うので見に行った.駅に着いたら,紳士な爺さん(以下,あんちゃん)が待っていてくれて早速現場へ向かった.あんちゃんは,町の郵便局を定年退職した後に公民館のステージなどをやっていたそう.きっと町人に愛されながら郵便局員をされていたという想像が容易にできるくらいに優しい方だ.畑をじっくり見て,田んぼの話を聞いて,管理機で耕耘して畝を作る体験をさせてもらった.管理機があるだけで随分と楽に綺麗にできるのだと感心した.また

          大ウケからくる悩みの告白

           OHANA-ROBOTの思想の射程は,《豊かさ》の模索や農耕民の未来のライフスタイル,持続可能な里山づくりや人類の幸福までに及ぶ.故に,「対話可能な選択的機械除草ロボット」というカテゴリーを超越した後に,得体の知れぬ超高次元テンソルの中に浮遊する情報群から統覚して「OHANA-ROBOT」という名称を施したことは大いなる発明であって,「初号機セリカ」や「二号機アスカ」と名付けたこととは話が違うのである.私の人生のテーマは,《豊かさ》の実践的追求であって,農村工学・スマート農

          大ウケからくる悩みの告白

          我儘でブラックなワイ氏の怒り

           前回の記事では,善人としてOHANA-ROBOTの開発経緯を紹介したよな.ちょっとブラックな面が見え隠れした部分もあったけど,今回は逆にブラックを前面にだしてOHANA-ROBOTに関することを書くぞ.

          ¥50,000

          我儘でブラックなワイ氏の怒り

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          OHANA-ROBOTが大ウケするまで               

          1.自己紹介  現在,北海道大学農学院の学生です.昨年10月より休学し,札幌を離れて4ヶ月が経ちます.大学では農学の勉強をし,休日は農家に遊びに行き,長期休暇には農家インターンや農村滞在をしてきました.4年生からはスマート農業の研究室に進みました.そこから1年半ほど,高価なセンサを使って無人農用トラクタのソフトウェア開発に携わったり,気分転換に圃場内をトラクタでドライブしたりと,色々な経験ができました.  さて1年半もいると様々なラボの闇が見えて失望したり,環境に飽きて視

          OHANA-ROBOTが大ウケするまで