見出し画像

採訪2:小院瀬見,福光,南砺市

 4月上旬の話.前回の記事までに,沖縄で共生農法をしてロボットを共生したいみたいな適当なことを言っていたっけ.今回の南砺市への視察は,そんなイメージを覆すものであったし,「選択的機械除草」というアイデアがすでに人間により実現されていたし,ここに住んで研究したいなということを強く思った.
 小院瀬見は,限界集落を迎え廃村となる一歩手前の時に,移住者による強力な助けを持ってそれを免れた,稀有な場所である.この地域の農業はすべて自然栽培,無農薬無肥料に耐えうるくらいに生態系や土壌が豊かである,棚田の畦には多種類の野草や野花や果樹等.崖の下には渓流がゴオゴオと音をたて,農耕民は狩猟採集を趣味とする傍ら自然栽培をする.家の水道は山から湧水をひき,車で少し走れば温泉がある.
 日本は山がちで自然との共生という術には優れている種族だが,現在日本には人間にとって住みやすい里山がどれほど存在しているのだろう.ここ小院瀬見はそういう場所なのだと知った.
 ある日の夕飯では蕗のとうの天麩羅,猪肉のロースト,ワサビ菜のつまみ,片栗のお浸しなど,山菜の季節を堪能した.酒は地域の山葡萄ワインと,野生味に溢れた食事だった.この日は確かに特別だったかもしれないが,それでも日常的に野草やジビエを食べる生活ができるのは悦だと思った.

ある日の夕食1
ある日の夕食2:ホタルイカの時期&産地近いので,料亭の料理人より.ホタルイカをメインに日本料理を頂いた.

 他にも福光町の千本桜イベントを見たり,市長達と里山について色々話したんだけど,それはそれとして一番重要なことを最後に書き留めたい.私の世界観に興味を示し宿に泊めてくれたHさんには大変お世話になった.そのHさんが模索していることでもある.
 こういった山の暮らしについて,どうしたら持続可能になるのだろう.
このことについては,視察の様子とともに下記の動画でよく表したつもりだ.議論はまた別にするとして,ここでは提起するに留めておく.

最後にと言ったが一つ小ネタを.この集落は福光町の外れの外れにあり,中心街は良く栄えていた.野球のバットから麹まで老舗の店が並んでいて,一画の魚屋さんに入った.アユの塩焼きが100円という意味不明な値段だったので即購入した.さて財布から小銭を探して,顔を見上げて渡したらこんなものが渡された.

おいってなった.おーいっ! なんでだよ!
鮎は丸齧りできてエコな食材なのに.包装紙に入れないで呉れ.これでは鮎の意味がないじゃないか.この包装紙が役目を果たしたのはたったの数秒だった.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?