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日本の転勤制度・単身赴任は化石か、先進的か

日本の転勤制度や単身赴任は、グローバルな視点で見ると、異常だと言われています。

なぜかというと
転勤ってのはどこの国にもありますが、希望者が行く事がほとんどで、会社からの命令で行くわけではないからです。

転勤制度や単身赴任は新卒に嫌われている

2019年にマイナビニュースが行ったアンケート調査の結果

20~30代の男女301人を対象

  • 転勤はあった方が良い:57.1%

  • 転勤はない方が良い:42.9%

半々・・・少しあった方が良いの方が多いですが、ない方が良いと答えた人も結構居たようです。

同2019年、エン転職でのアンケート調査
『転職は退職を考えるキッカケになる?』に対して

  • 退職のきっかけになる:31%

  • やや退職を考える:33%

年代別で見ると、若年層ほど退職に結びつく可能性が高くなってました。

2022年卒、大学生就職意識調査(マイナビ)では
行きたくない会社の印象3位が「転勤の多い会社」で24.9%

これは他の項目より増加率が高い数字でした。

このように、特に最近の若者は転勤制度を嫌う傾向が強いです。

転勤制度が嫌われる理由

  • 田舎への転勤が嫌

  • その他手続きが面倒で嫌

  • 家族を道連れにするのが嫌

  • 慣れた職場を離れるのが嫌

  • 人間関係をまた構築するのが面倒

  • 親が高齢だから心配で離れたくない

このような理由があります。

住めば都とは言いますが、便利な都会から田舎に引っ越すのは結構なストレスになります。

しかも新しい仕事、新しい人間に触れるとなると、ストレスは更に増えます。

もちろん人によっては割り切れる人も居れば、気にならない人も居ます。

ですが一定数の人は、転勤によって受けるストレスを強く感じてしまう人も居るという事を、会社側は気遣うべきだと考えます。

既婚世帯にとっては、家族崩壊の第1歩になる可能性も

転勤族の妻や子供も大変です。

その地に行くたびに人間関係がリセットされるし、子供は転校によるストレスがかかります。

仕事をする本人がたまたま平気なタイプでも、家族がどうかは分かりません。
会社はその人の家族までも巻き込む事を理解して転勤や単身赴任の辞令を出しているのか疑問に思います。

その結果、どちらか片方が嫌になって離婚する事になったら、会社がその1つの家族をぶっ壊した責任を負うくらいの覚悟、あるのでしょうか。

ないでしょう?

だったら、会社の業務うんぬんよりも社員のプライベートの事も配慮して人員配置をするべきではないでしょうか?

なぜ最近の若者は転勤に否定的なのか

高効率な時代になってきて、それに慣れてしまっている事も原因の1つだと考えます。

つまり、転勤とか単身赴任とか、そこまでする理由があるんですか?
という事。出張も同じ事です。

その人にしかできない仕事って、どれだけあるのでしょうか。
別に面と向かって話をしなくても、リモートで会話する事だってできますよね。

全てそうしろという事ではないですが、できる事はシステムを利用して時間もお金も節約した方が良いでしょ?

私もそうですが、「それって無駄ですよね?」って思った事は山ほどあります。

転勤や単身赴任を改善した会社

  • AIG損害保険株式会社:望まない転勤を廃止

  • 富士通グループ:4000人の単身赴任を解消

  • NTTグループ:転勤や単身赴任を廃止

これらの会社はリモートワークを積極的に採用。
人を動かさずにIT技術でできる事は全てやってしまうスタンスに変わりました。

リモートワークができない業務は仕方がないでしょう。
ですが、リモートで済む仕事は積極的に取り入れた方が、新卒からの印象も良くなるし、余計な費用もかからなくなります。

頑固な会社は嫌われますよ。

転勤制度のメリット・デメリット

転勤制度にはメリットがある!と言う人が居ますが、本当にそれってメリットなの?と私は疑問に思います。

むしろデメリットが多く、転勤をする人本人からしたら対処するのが大変だから転勤制度はどうかと思う・・・という声が上がっているのではないでしょうか。

転勤を希望する人が「こんなメリットがあるから行きたい」と言うなら、やらせりゃいいのです。

問題なのは会社側が思っている転勤制度のメリットです。

  • 人の入れ替わりで組織が活性化する

  • 人間関係がリセットされてトラブルの解消に

  • 人員の偏りがなくせる

  • 部署に新しい価値観が加わる

こんなのは現場のマネージャーの問題だと思ってます。

管理職のレベルが低いから組織に元気がなかったり、人間関係のトラブルが起こりやすいのです。

使えない管理職の人を地方にぶっ飛ばして、また役職を与えるのでしょうか?
そんな事をしたら、そいつが行った先がグチャグチャになるだけです。

特にチェーン展開している飲食などの会社は、店長の入れ替えを行っている所がありますが、売り上げの高い店舗の店長と売上が低い店舗の店長を入れ替えた所で、両方の店の売上が上がるわけがないのです。

ダメな管理職は、どこに飛ばしてもダメ。
役職をはく奪するくらいの事をして、もう1度下からやり直しさせないと、意味がありません。

転勤制度のデメリットは

特に既婚世帯にはダメージがデカいです。

独身かつ、お付き合い相手が居ないのなら、まぁOKだと思いますよ。

その理由は簡単で、男なんて女と子供ができたら簡単に仕事を辞めようとか、転職しようとかそこまでのエネルギーを使おうとしないからです。

さすがに低賃金過ぎたら逃げられますが、何とかなる程度の給料で雇っておけば転職も退職もホイホイ起こりません。

ですが、家庭を持ってしまった人に転勤や単身赴任はダメージが大きいです。
そこまでしなくちゃいけないのなら、家庭が落ち着いた人を選びましょうよ。

最悪の場合は、転勤や単身赴任を理由にどっちかが不倫をする可能性もあります。
不倫を肯定するわけではありませんが、キッカケを作っている会社にも責任はあると考えます。

しかも転勤や単身赴任、出張をホイホイやっておいて給料面で大きな利益があるのかというと、そこそこ。

だから転勤制度が嫌われるのです。

日本の会社が日本を破壊している

日本の会社は、未だに古臭い制度が残ってます。

転勤制度や単身赴任がその中の1つ。

こんな事を社員に強要して、一体何のメリットがあるのか具体的に説明してほしいですね。

私からすれば日本がダメになっている1つの要因でしかないと思っています。

転勤制度がある会社勤めの世帯収入は

転勤族は年収が高くなりますが、引っ越しの費用などがかかって、あまり貯金できないという話もよく聞きます。

しかも日本の所得税は超過累進課税制度なので、1人の年収が上がれば上がるほど、所得税がバコバコ上がる仕組みになっています。

例えば1人の年収が800万円だと、税金や保険などなど合わせて200万円近くが消える事になります。

様々な節税対策をやっても、そんなに減りません。

そんな事をするくらいなら、両輪で400万円ずつ稼ぐほうがよっぽど良い暮らしができます。

パートナー(女性)にかける負担で妊娠しづらくなる

本人だけ飛ばしても、家族もろとも飛ばしても、パートナーにストレスがかかる事が考えられます。

ストレスは生理不順や妊娠する可能性の低下に繋がります。

収入面もそうですが、健康に産める年齢を過ぎてから子作りすると、生涯出生数が減るだけです。

極論かもしれませんが、周り回って消費者の減少となって20年後にはしっぺ返しがきます。

少子化で痛い目をみるのは国そのものだけじゃなくて日本に会社を置いて日本でビジネスをしている会社もダメージを受けますよ。

だから、会社も国と協力してパートナー作りや子育ての支援もしないとダメなんです。

下らない勝手な理由で転勤や単身赴任を強要して、社員のプライベートを破壊するような事はやめなさい。
希望者だけにしましょうよ。

給料を上げれば良いという話ではない

なぜ最近の若者は多くのお金を求めないのかと言うと、給料が中途半端に高いと損をするって事を知っているからです。

こんなのは少し調べればわかる事で、特に年収800万円~1000万円の層がキツイです。

  • 自治体からの還付制度

  • 税金がハネ上がるライン

  • 会社勤めだから、これ以上のアップが見込めない

こうなると、最悪です。

では、賢い世帯年収の内訳がどんなのが良いのかと言うと一例ですが、こんな感じ。

  • 夫:年収500万円くらい

  • 妻:非課税枠

これで世帯年収を600万円程度に抑える事で、還付制度を受けられつつ、ある程度の余裕ができる金額・・・と言われてます。

この条件でも満足する人は居ます。

転勤あり、給料どーん
という条件が好きな人も居ますが、そういう人ばかりではないのです。

これくらいの情報は簡単に手に入るので、合理的な人は世帯年収600万円を目指す人も居ます。
あとのお金は別の形で社員に還元したら良いのですよ。
会社併設の保育所を作るとか、育休をちゃんと取らせるとか。

もうちょっと考えた方が良いと思いますよ。
誰が好き好んで、税制的に不利になるくらいの給料を出されてあっちこっち転勤するような仕事をしますかね?
好きな人はやるでしょうが、嫌な人はカネが増えても嫌なものです。


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