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ゲーム依存〜あるケースで気がついた集中力との関係〜

よく「ゲーム依存」と言われますが、
僕が関わらせていただいているケースでも、
ゲームを中断することがとても難しいお子さんがいました。

家でもなかなか中断できないとのことで、
このままでは依存にならないか?
と親御さんは心配されていました。

ゲームを中断できなかったり、
ゲームに依存するとはどういう状態なのでしょうか?

その状況を考えるうちに、
ゲーム依存と集中力の関係について気づきがありましたので、
今回シェアさせていただきます

ある小学生のケース

件のお子さんはなかなか注意の持続が難しいタイプ。
一緒に勉強に取り組んでも、
他のことが気になったり、なかなか勉強に着手できないこともあります。

特にゲームなど好きなことを始めると、
中断が難しいことが多々ありました。

勉強についても、
集中しているものもあれば、
集中が難しい勉強もありました。

例えば、読解問題のように、
文章を読み解かないとできない問題などは、
集中が難しいことが多いです。

逆に、
計算問題のような、
問いと答えがわかりやすい問題の方が集中しやすいようです。

集中できている時は目の前の問題に取り組み、
最後までやり切ります。
もちろんその間、ゲームはしていません。
集中の難しい時は、ゲームだったり他の目についたことが気になってしまうようです。

ゲームと計算問題

なぜ集中しやすい事と、難しい事があるのでしょうか。
今回のケースであった、
読解、計算、ゲーム
から、それぞれの手順をまとめ、
その差を考えてみます。

読解問題
手順:問題文を読む、文章を読む、答えを見つける、回答欄に書く

計算問題
手順:計算する、書く

ゲーム
手順:ボタンを押す、キャラクターが動く

読解の方が手順が多いことがわかります。
達成までにかかる時間が多いとも言えます。
逆に計算は達成までが早く、結果もわかりやすいです。
ゲームはボタンを押せば何かしら画面が反応するので、
時間も早いですし、結果としてもとてもわかりやすいですね。

以上のことから、
働きかけから結果までの時間に応じて集中の難しさが変わる
と考察しました。

結果を得るまで待てない?

結果までの時間が長いほど集中できないということは、
結果までの時間が待っていられないということではないでしょうか?

彼の場合でも、
集中が難しいときもぼーっとしているわけではなく、
他のことに気が散っているだけで何もしていないわけではありません。
これは、なにかやることを探しているようにも見えるのです。
何か働きかけを行い、その結果が欲しいように感じます。

働きかけてから結果が返るまでの時間で言うと、
ゲームはこのうえなく優秀でしょう。
どんな時でも安定して結果を与えてくれます。

反対に読解問題は結果までの時間も長い上、
結果もわかりづらいかもしれません。

手っ取り早く「結果」を手に入れたいのであれば、
ゲームを選ぶのは無理もありません。

「集中力」というとひとつの物事に取り組み続けるイメージがありますが、今回のケースから考えてみると、

働きかけてから結果が返るまで待っていられる事

のような気がしてきました。

まとめ

・働きかけから結果までの時間応じて集中の難しさが変わる
・集中していない時は、別の集中できるものを探している

この二点は、
今回のケース観察での重要な気づきのように思います。

二点目の気づきから考えれば、ゲーム以外の別の集中できる手段によって、ゲーム以外の活動を増やす、といった代替手段も考えられます。

その代替手段も、一点目の気づきからできるだけ働きかけてから結果までの時間が短いものが望ましいかもしれません。

それはそれで難しいことはわかりますが、
その難しさに挑戦しなければ、
なかなか解決が難しい問題かもしれません。

僕も気づきがあれば、またシェアしたいと思いますが、
個人的には「なぜそんなに結果が欲しいのか」についても気になるところです。
こちらについてはまた考察したいと思います。

今回のケースが、
教育、子育てに関わる方々の参考になれば幸いです。

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