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Ryra Vineyard & Wines Vol.8 - 最初の10年を振り返る(2023.12)

「ワインづくりに人生をかける者として、自身が納得できるワインづくりをしたい。」「そのためには場所から探す必要がある。」

サントリー登美の丘ワイナリーで醸造責任者として3年間働き、その間にフランスとニュージーランドでも多少ワインづくりを経験し、上記想いに至って行動を始めたのは今から10年前でした。気が付けば、私の目標は「自身が納得できるワインづくり」から、新たなワイン産地づくりを通じた『日本ワイン産業と日本国の発展』へと進化していきました。

もちろん、つくり手としての「自身の感性を存分に発揮してワインをつくりたい」「自身の感性と作品を世に問いたい」という気持ちは変わっていません。しかし、今はその延長線上に、国の発展というより大きく、明快な目標を持つことができました。
きっと、今の私が10年前と変わらず「自身の」「自身の」と考えていたら、今日のRyraはなかったと思います。「日本ワイン産業の発展を通じて、日本国の発展に貢献したい」その想いが強くなればなるほど、それに付随するように力を貸してくれる仲間がどんどん増えていきました。

2021年4月4日撮影 植え付け開始前の畑

このプロジェクトは、特に2014年から2019年までは、何度も何度も壁にぶつかってきました。農地法の制約によって、サラリーマンである私「個人」では農地を借りることができませんでした。ぶどう栽培のための法人設立(副業)を検討するも会社からの許可は得られませんでした。それならばと会社のプロジェクトとして2度提案するも、採用されることはありませんでした。そして2019年には、3年かけてようやく立ち上げたばかりの「伊達市役所ワイン用ぶどう試験栽培」の担当交代を命じられました。八方ふさがりとなった時、私は仲間と妻に会社設立の相談をしました。

伊達の友人は私に言いました。「法人を作りぶどうを植えましょう。暫くは私たちが何とかします。」
そして妻は言いました。「会社の許可が得られないなら、私があなたの代わりに法人の代表になっても構わない。既に伊達で何人もの人があなたと同じ夢を見ている中で、今更やらないという選択肢はないでしょう。」
私は決心しました。2020年9月、妻に代表になってもらい、伊達の仲間と合同会社を設立しました。

今振り返れば、この時に思い切って一歩を踏み出したことが功を奏しました。今でも日々新たな課題へ直面していますが、当時に比べれば最近はずいぶんと物事が進み出したと感じます。
法人設立から今日までの3年間で、認定農業者となり、農地を取得し、毎年春に苗の植え付けを行い、経営計画練り直し、会社から兼業許可を取得、合同会社→株式会社への組織変更、私の代表就任、従業員採用、企業からの支援及び金融機関からの融資獲得、クラウドファンディング(Ryra Club 第一期)実施、そして2023年10月の初収穫・・・。
物事はうまくいく時、いかない時の繰り返しですが、この3年は多くの方々に協力いただいたお陰で、なんとかうまく進めることができました。協力・支援して下さる皆様からの期待と想いをしっかりと胸に受け止め、それを前へ前へと進むエネルギーへと変えて引き続き頑張っていきます。

2023年10月13日撮影 法人設立から3年後のぶどう畑

今年も多くの方にお世話になり、本当にありがとうございました。明日からまた新しい年が始まりますが、まずは2024年のぶどう栽培を成功させるべく、全力で取り組みます。どうぞ来年も、宜しくお願いします。皆様と、皆様のご家族のご多幸とご健勝を、心よりお祈り申し上げます。

Ryra Vineyard & Wines の情報は以下にも掲載しています。
HP https://wine172.wordpress.com/
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Instagram https://www.instagram.com/ryravineyardandwines/


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