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〜食品のマーケティングを考えよう〜あなたの食材・食品を使った「エースレシピ」は何ですか?

こんにちは。リョウリスのヒダカです。

普段、食を扱う企業や自治体、生産者などの多くは、自分たちで扱う食材・食品を活用したレシピを作って、おいしい食べ方を紹介することでユーザーとのコミュニケーションを取っています。レシピはその食材・商品をまだ食べたことがない人、いつもの食べ方に飽きてしまった人、使い切るのにアイデアが欲しいと考えている人などにとってはとても有益な情報になり、レシピを通じた食体験によって、その企業・生産者のことをより好きになるきっかけにもなります。

そういった意味ではさまざまなレシピ(使い方)を公開していくのはコミュニケーション活動において非常に大切ですが、一方でレシピを考え、自社のWebサイトなどで紹介することで満足してしまい、それを「使いこなす」ことまで頭がいかないケースが多いのではないでしょうか?今日は、そんな「使いこなし」のためのアイデアをご紹介します。

エースレシピを決めよう

日々、さまざまなレシピが世の中に生み出されています。多くの企業の皆さんも自社の製品を知ってもらうべくレシピを活用、「月に○レシピ」といったような形で数値目標を立てているところも多いのではないでしょうか。

もちろんたくさんのレシピがあればあるほど、それぞれのレシピを見てもらった合算の数字でたくさんの人と接点を持てる可能性は増すでしょう。しかし、レシピを見てもらうものにすること、もっと言えば「心に残る」ものにするためにはいろいろな工夫が必要です。一方ですべてのレシピに力を入れるのは人員的にも予算的にも難しいのではないでしょうか?であれば、「推すべきレシピ」を定め、そのレシピを成長させる工夫を行うことで「検索にヒットしやすくなる」「多くの人に見てもらうことで注目レシピになる」ことを目指す方が効果的です。このレシピのことを僕たちは「エースレシピ」と呼んでいます。

エースレシピとは?

エースレシピとは先にご紹介したとおり、「自分たちが推すべきレシピ」のことを指します。これを選ぶにあたっては、次のような考え方をもとにすると効果的です。

自分たちの食材・商品の特徴を押し出せるもの
皆さん自信の食材・商品があると思いますが、その中でも特に「こうやって食べてもらうのがベスト」という食べ方があるのではないでしょうか?たとえそれが王道の食べ方だったとしても、背景を伝えることで、もっと工夫をすることで、アレンジをすることで、よりそのレシピを楽しめる機会を作ることができれば、ユーザーにとって有益な情報になるはずです。

食材・商品の課題を解決するようなテーマ
こちらは皆さんが取り扱う食材・食品の現在の立ち位置について少しじっくり考えることが必要です。ユーザーにとって使い方や作り方が難しい・分からないと思われていないか、買ったはいいものの使いきれないという悩みがあるのではないか、ある一定の季節しか売れないという課題がないか。そういった課題をクリアするための提案を積極的に促すことも、エースレシピを作ることで解決に結びつけることが可能です。

エースレシピをテーマとしたLPを作ってみよう

皆さんにとっての「エース」となるレシピのテーマは思い浮かびましたか?ここからは、そのレシピが定まったあとでの活用の仕方をご紹介します。

エース(候補)たるもの、エースになるための準備が必要です。ただレシピを紹介するだけでは理解してもらえません。推したいポイント、誤解されているポイント、伝わりきっていない魅力などをまずは一気に洗い出して整理します。整理できたら、ぜひそのレシピをテーマとしたLP(ランディングページ)を自社のWebサイトに1枚追加することを検討しましょう。このLPは言い換えればそのレシピの「辞書」。正しく、より楽しく作ってもらうために、「このページを見れば大丈夫」という場所を作ることを目指しましょう。例えば
・「作り方」に、よりいっそうおいしく作れるコツを加えた詳細レシピ
・アレンジレシピ
・季節コンテンツ(肉の日、クリスマス、母の日など)
・Q&A
・第三者の声(シェフ、料理研究家、栄養士、専門家など)
・豆知識(歴史、健康情報など)
・ユーザーの声
などが代表的なものとして挙げられます。ここでポイントになるのは、「幅広い検索ワードにヒットするようなテキストにすること」です。そのレシピ名だけで上位にヒットするようにしていくチャレンジはもちろん必要ですが、上記のようなアレンジレシピや歴史、健康情報など、ほかの検索ワードにもヒットする環境を作ることで、より多くの方に見てもらえるようになるでしょう。

もちろん、エースは1テーマに限りません。自分たちが推したいテーマを複数定め、それぞれでの成長を実現することで、自社のWebサイト全体の流入を強化することにつなげることも可能です。

各社のエースレシピ事例

さて、それでは各社の事例を見てみましょう。まずは「味噌汁 作り方」という検索ワードでは、マルコメさんの「おみそ汁(味噌汁)の作り方」が上位表示されます。さすがマルコメさん「味噌汁なら自分たち」の矜持を体現したページになっています。出汁(しかも素材ごとに!)から作るパターン、簡単に作れるパターンを紹介するとともに、だし汁の保存法、だしガラを使ったレシピなど、とにかく味噌汁の周辺にある情報を徹底的に整理して盛り込んでいることがわかります。正直味噌汁は基本すぎて、作り方をWebで調べる人はそんなに多くないかもしれません。でも、このように「だしのとり方」「健康」といったキーワードはユーザーにとって関心が高いもの。そういった情報に関心を持つ方々も取り込めるサイトになっていると言えるでしょう。

ちなみに「作り方」を省いた「味噌汁」で上位表示されるのがフンドーキン醤油の「365杯の味噌汁」。

こちらは自身の誕生日を入力すると、「あなたの誕生日の味噌汁レシピ」が表示されるというエンタメコンテンツ。幅広い味噌汁の楽しみ方を伝えるにはおもしろい手法ですね。

続いては「ポークステーキ 焼き方」。みんなが大好きなステーキですが、自分で焼いてみるとお店で出てくるものとは全く違った形になってしまったという経験を持つ人は多いのではないでしょうか?中でも豚肉はその特性から生焼けは怖い・・・、でもそれを怖がって焼いたら焼きすぎてパサパサになってしまった・・という方も多く、難しいレシピだと思われています。そんな悩みを解決すべく、日本に向けて豚肉を輸出しているカナダのハイライフポークでは、「厚切りポークステーキの焼き方」というページを公開しています。

ユーザーの悩みに応える「3・3・6分の法則」という焼き方の簡単な3ステップを紹介しているほか、よくあるQ&A、ユーザーのチャレンジ投稿の紹介などを行っています。これを見れば、敬遠しがちだったポークステーキにもチャレンジできそうです。

最後の事例は「天ぷら 作り方」。なんと企業ページで最上位に表示されるのはキユーピー!検索全体の2位にもランクされるという、とても人気のページです。

ここで紹介しているのは、天ぷらを作る際に入れる卵をマヨネーズに変えるだけで衣がサクサクになるという裏技。キユーピーにとってもマヨネーズの使い方の幅を広げることのできる、非常におもしろいページですね。

ちなみにこのページはキユーピーが運営する「マヨネーズマジック」というWebサイトの一部になっており、横にはその他のレシピページに繋がるタブが表示されています。天ぷらの作り方が気になって開いた方が、その他のレシピも見てみよう・・・というきっかけになり、ページ全体のビューが伸ばせる作りになっています。

いかがでしたでしょうか?事例のようなLPを作成し、育てていくことで多くのユーザーに知ってもらう、新たな気づきを提供できるだけでなく、そのページがもっと成長すればBtoBの営業活動にもデータや事例として活用することもできますし、ひいてはそのテーマの第一人者として見られるようになるかもしれません。そうなればメディアからの注目も集まるようになるため、取材などのオファーが来ることも・・・。

ぜひ、あなたの手がける食材・食品の魅力を存分に引き出して、マーケティング活動に生かしてみてください!

私たちリョウリスは、2020年4月に立ち上げたばかりの会社です。発信する情報に興味を持っていただけたら、ぜひお気軽にnoteの「クリエイターへのお問い合わせ」からメッセージをください。ウェブサイトなどは順次整えて参ります。






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