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実家住みのクリエイターがコソコソ創作活動を続けるための2畳城を作ってみた

#創作大賞2023 #エッセイ部門  に参加中です

※目安:約3800文字

【前提】2畳城を作ろうと思ったまでの話

(※ここでいう1畳のサイズは
いわゆる江戸間の約87×176cmです)

いろいろあって、現在実家に戻ってきてニ年が過ぎた
長子だから仕方ないと割り切りつつ
引き続き家の中でこっそり創作活動をしている

しかもプロではない上、素人としても無名
しかし趣味として割り切りたくもなく
やるならば創作物がいつか商品になればと
時間的には結構ガッツリ活動している

そんな人間が実家の両親と一緒に暮らしながら
ひっそりと創作活動をするというのは
なかなかコソコソ大変なのである

同じ家に住む人間には
「お金にならない物を作っている」
なんて言ったら絶対文句を言われるし
理解されたいとも思っていないので
コソコソ空間を確保するのは必至
(もちろん、誰にも言っていないから)

というわけで、自分が主に生息するエリアを
完璧な創作空間として
カスタムすることにしたのだ
2畳城なんていうと格好つけている感じだが
ただその有効スペースが約2畳強だった
というわけだ

1.ここだけで活きていく

実家に戻ってくる時に思っていたのが
自分の空間だけで完結する生活スタイルを貫く
というもので
いくら長子として実家に戻ってきたとしても
一応世帯は別なので間借りしている感覚は拭えない
(個人的な感覚としてだけど)
非常〜に古い家なので二世帯住宅という仕様でもない

あまりに偏った感覚かもしれないけれど
「何かあった時のために近くにいる」
という気持ちだけで同居に同意したため
「自宅」という意識があまりないのだ
だからやっぱり
「間借りしているみたいだ」
……という表現がわかりやすいかもしれない

だから約2畳分のフリースペースが
自分が好きにカスタムできる唯一の空間で
そこを創作活動中心の場所にできたら
家の中ではコソコソしてるけど
ここだけでは誰にも邪魔されず
堂々と活動できる、と思ったのだ

とはいえ生活空間でもあって
ベッドもある場所なので
活動場所としては1畳程度だけど

つまり
約2畳強の場所で生活&創作をする
という想いと制限の中で
カスタムをスタートすることになったのだ

2.まず、スペースの確認

実は、実家へ転居したのは自分だけではない
息子も一緒である
それまでは2人家族で、同区内の賃貸住まいだった
息子、とはいえ年齢だけは一応成人である
実家に転居した後も
息子は学校、自分は仕事へ行くので
日中はいないことの方が多い

……というわけで我々には
自分が昔使っていた子供部屋をあてがわれた
二人で一部屋である

この「子供部屋」は昔も二人で使っていた
5年離れたきょうだいと二人で使っていた
12畳ほどはある、そこそこ広い部屋だ
細長い間取りであることもあって
真ん中で仕切ってふた部屋の感覚で使っていた

ただ今回は、真ん中で分けることをしなかった
実は息子もクリエイター志望で
こちらはガッツリ本業にすべく
関連の学校に通っているくらいなので
ゆとりある空間で勉強&創作して欲しいという気持ちから
3:1くらいの割合で部屋を分けた
もちろん、自分が1の方だ
それが約2畳半ほど、ということだ

なので、細長い部屋の一部分
約2畳半ほどのエリアが自分の空間である

3.部屋を何で分けるのが良いか

細長い部屋をふたつに分ける
というのがまず第一段階
スペースの確定である

部屋のしきりを何でするのか
高いもので? 低いもので?
キャスター式? どっしり据え置きで?
それともつっぱり式で壁のようなものを作る?

……いろいろ考えた末
本棚で仕切ることになった
立てば部屋を見渡せる程度の高さだ
座ってしまえば視界からは完全に遮断される
作業中は単独の部屋のようになり
必要であれば立ち上がってコンタクトを取ることができる

こうして
息子の部屋側へ向くように設置した本棚で
長細い部屋をふたつに分けて
小さい方が自分のものになった

4.ゲーミングチェアを買った

「大きな石から入れる」
という言葉がある
時間管理や行動計画を行う際の
比喩の一つで
自分のために大切な予定を先に確定させよう
という主旨のものである

今回の部屋作りの中で
まず必要なものをピックアップする

前提として生活&創作空間なので
・ベッド
・机
・創作関連ツール(PC、iPad、プリンタ、電源等)
これが必須なもの(=大きな石)なので
基本的にこれさえあれば大丈夫

最初、とりあえず転居してきた当初は机がなくて
(前のはガタが過ぎて破棄してきた)
祖父母の部屋に遺されていた文机を
引き継いで使わせてもらっていたのだけど
座布団に直に座り続けていると
足腰がだるくなるのだ

あちこちで公言しているが
自分はかなりの引きこもり体質で
仕事以外はほぼ家の中にいる
家の中にいると
ほぼ創作関連の何かをしている
その間ほぼ座っている

つまり、家にいる時はほぼ床に座り込んでいる

これは確かに足腰というか、骨格に良くない

というわけで、息子に倣って
ゲーミングチェアを導入することにした
通販サイトで購入した量産型のものだ
価格帯的には安めの分類かもしれないが
今まで床に座り込んでいた身としてはとても快適だ

時々うしろにグンと倒れ込んで
背中を伸ばせるのも気に入っている

それに伴い文机を撤去して
作業机も買うことにした

5.机を買った

2畳の空間に机というアイテムは意外と大きくて
できるだけシンプルなものがいいなぁと思って
以前から実は気になっていた
無印の折りたたみデスクを購入

折りたたみというと
ローテーブルのイメージが強いけど
今回購入した机は高さ70cm
天板は50×80cmとなかなか立派なもので
ゲーミングチェアともいい感じにマッチしている

そこに、以前文机に乗せて使っていた
45×90cmの板を引き続き乗せている
(傷つき防止策として)

100均で売られている木材とか有孔ボードで
軽くカスタマイズをして
45×90cmの板へ取り付け
タブレットを設置したりUSBとかイヤホンとか
細かいものを引っ掛けられるようにしたりもした

机に置くものはだいたい決まっていて
PCとタブレットと手帳
それから作業中の飲み物
デジタル機器に付随するコード類
……くらいだ
こんな感じで↓

背に窓があるので逆光になってしまう

ペンは、普段使いのものはほぼ固定で
手帳にブッ刺してあるので
机の上にあるといえばある

そんな机周りだが
先日iPadがストライキを起こした関係で
有孔ボードのタブレット置き場が
すっぽり空いてしまい少々寂しくなってしまった
(お下がりで繋ぎとして使わせてもらっているiPadは
ケース?が取り外しできないので重過ぎて
既存の場所では不安定になってしまう)

しかし最近、息子によって
いつの間にか可愛らしい空間が作られていくので
それはそれでジワリながら楽しんでいる

可愛らしい空間が作られていく

6.創作スペースと生活スペースを分けるもの

約2畳半足らずの空間である
ベッドのサイズというのは大体共通で
いくら小さいものを選んだとしても
成人が寝転んでゆとりがある程度の大きさは
確保されている

布団、ということも考えたが
空間を完全に仕切りたかったので
ここはあえてドンと
以前使っていたシンプルなベッドを
そのまま運び込む事にした
「大きな石」を固定する作戦である

家にいて創作していない間の生活としたら
食事や風呂以外だと
寝ることだけだと言っても過言ではないので
(役割として必要な家事はするけれど)
ここが自分の生活スペースである

先ほど「空間を完全に仕切りたかった」
と書いたけれど
何を仕切るのかというと
創作スペースと生活スペースのことである
ダラダラしないためだ

息子の部屋と仕切った時同様
ここは自分の本棚で仕切ることになった
しかも、子供の頃使っていて
そのまま子供部屋に残されていた本棚である
○十年モノである

・オープンタイプの本棚
・ちょっとよくわからない図鑑サイズの本棚
(一枠の高さがあって大きな画集なども入りそうな棚)
・扉つきカラーボックス

一見たくさんに思うけれど
要は空間を仕切るのと同時に
ここに自分の私物ほぼ全てを
収納しようという計画だ

ちなみに、扉付きカラーボックスには
細かいもの(薬類や消耗品など)を含め
仕分けの類の収納グッズを使って
いろいろ収められている
歯ブラシセット洗面用具等もここにある
(洗面所に置いていないので驚かれるが)

そういうわけで
・創作スペース約1畳
 (畳一枚分の薄縁の上に展開)
・ベッド約1畳強
 (ベッドサイズが100×200程度)
・仕切りの本棚スペース約半畳
 (30×150cm)
厳密には部屋にあるクローゼットを
数少ない衣料品を入れるために
息子と半分ずつ使わせてもらってはいるが
これが自分の管理エリアの全てである

7.そしてコソコソ続ける

そもそも空間のカスタムは
単に自分の部屋が欲しかったというわけではなく
コソコソビクビクせずに
小さくても、とりあえず堂々と創作活動ができる空間が
欲しかったから整えたので
この快適エリアでこれからも創作活動を続けていきます
家の中ではコソコソと小さなスペースだけど
快適が全部詰まっている
自分にとっては安定の場所なのである

いわゆる
「手を伸ばせば大抵何でもある」
けど、モノ自体は少ないし
不要なものは多分あまりない
これは個人的な価値観のひとつで出来上がった空間だけど
きっと今回のシェアで
なるほどと思ってくださる方もいるのではないかと思っている

今、自分の部屋が欲しいと思っている方は
そこで何がしたいのか自分に問いかけてみると
もしかしたら
扉の閉められる部屋の必要性はそんなになくて
快適空間を作り上げるのは
意外と難しい事ではないのかもしれない

最後まで読んでいただきありがとう
ではではまたまた

梅本龍

最後まで読んでいただきありがとうございます!