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「土」をつくる

先日、開いたポップアップCafeBarDonna

ミッドナイト・バーということもあり、「恋と愛」という蜂蜜の中に満月をとぷんと浸したようなテーマで話は盛り上がりました。そこに文学性や創作の要素が入り混じることで知性の色香が漂います。天使と悪魔が乱舞するエレガンスなオトナな社交場。ドレスコードは香水とキャンドルの灯り。汗ばむ熱帯夜、コルトレーン「至上の愛」。近日、ミッドナイトCafeBarDonnaを開いてみたい心持ちになりました。憂鬱を愛で溶かせ。

そんな妄想は一先ずとして、あの夜、恋愛小説について語り合った時間は尊く。その中で「恋の話はからっきし」と話していた仲高宏さんが、奥さまとの馴れ初めの話をしてくれました。淡々としたトーンで、出会いを振り返り、素朴なやりとりの中に小さな花が開く可憐な美しさを言葉にしてくれました。本人は照れつつも、zoom画面は「素敵!」のシュプレヒコールに包まれて、「ぜひ小説に」という話になりました。

そうは言いながらもプライベートなことですので、形にするかどうかは本人次第。「いやぁ、だって恥ずかしいからね」と言っていた仲さんに、誰一人それ以上押し付けない光景に、集まった面々の素敵なオトナの嗜みを感じたものです。翌日、タイムラインに記事が現れました。


昨夜の話を、仲さんは恋愛小説に仕立てました。それはやはり、想像通りと言いますか、それ以上に慎ましやかで可憐な恋物語として描かれていました。あの場所で話していたことが形になった。なんと素敵なことでしょう。

僕は「教養のエチュード」というインタビュー動画をYouTubeで配信しているのですが、そこにゲストとして登場してくださった池松潤さん。収録を終えた後、僕は潤さんに「恋愛小説家として小説を書いてほしい」と熱を上げて訴えました。その時のやりとりの中で、互いの間でスパークするものがあり、夜が更けるまで二人でアイデアを出しながらたくさんのことを語り合いました。

「潤さんは黄昏のイメージ。マジックアワーの艶やかで、そして、清らかな空。その瞬間的な美しさを〝恋〟という形で、物語にしてください」


それは「金曜トワイライト」という名で、週末恋愛小説がはじまりました。年齢関係なく、「闘う姿」を美しいもので。毎週金曜日を迎えることが楽しみになりました。



マガジン・サークルのメンバー向けに「教養のエチュードTalk」といって、スペシャルなゲストをお招きし、公開インタビューをするイベントがあります。その記念すべき一回目のゲストはアートディレクターの千原徹也さんでした。当然のことながらインタビューの時間は濃厚で、興味深く。「クリエイティブな思考」における大きな収穫へと繋がりました。レポートがありますのでぜひご覧ください。

その後、参加者に感想レポートを募りました。その中で、千ちゃんが手を挙げてくれたのですが、少し経った後「すみません。やっぱり、感想ではなくて #磨け感情解像度 のコンテスト用に文章を書きたいです」と連絡が入りました。あの場所での体験が、創作に繋がったのだと僕はうれしくなり、喜んで承諾しました。そして、できあがった記事がこちらです。


記憶が、感情が、言葉に収斂されていく。千原さんとの時間があったからこそ、この生命力あふれる文章が生まれたのだと思うと、うれしくて仕方がありませんでした。

教養のエチュード

僕は、創作が生まれるきっかけとなる「場」をつくりたいのだと思います。集中力が高まった、創造性を推進する「空気」をつくりたい。別に「僕が」何かをつくる必要はなく。そこを訪れた「誰か」が、枠を越えた一歩を踏み出すきっかけを。「教養のエチュード」とはそういうことなのかもしれません。

豊かな土には、多様な微生物が住んでいます。そこに種を植えれると、豊かな作物が収穫できます。僕は、そんな豊かな「土」をつくりたい。おもしろい人が集まって、そこで交わされる言葉で化学反応を起こしていく。そんな誰かの背中を見て、魂が震える体験がある。お互いをより高め合えるような「場」と「空気」をデザインしていきたい。

みなさま、今後ともどうぞよろしくお願い致します。


※ミッドナイトCafeBarDonnaに参加したい人は、こっそり教えてね*


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【おすすめ記事】

ひらやまさんも僕と同じ「土」をつくる人。いや、確か「関係性をつくる」って表現していた。とにもかくにも、その中に入った人にわくわくが膨らんでいく感覚をいつもプレゼントしています。前に一歩踏み出せない時、このnoteを読んでみてください。



「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。