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さよなら令和2年

ありとあらゆるものを失った令和2年。おそらく得たものよりも、失ったものの方が多い令和2年。自由、表現、視力、恋人。まだまだあるが、数えるときりがないからこの辺にしておくとしようか。

ありとあらゆる大切なものを、僕から奪ってしまった令和2年。楽しさよりも、悲しみの方が多かった令和2年。いまさら失ったものを嘆いても、意味がないとわかりながらも、ないものばかりを嘆いてしまう弱い人間だ。

「弱さは強さ」と誰かが言った。でも、弱さは弱さで、強さは強さのままだ。弱い生き物は、真っ向勝負で強い生き物には絶対に勝てない。だから知恵をつけ、徒党を成すことで、強者を貪り食う。ジャイアントキリングってやつだ。その方法しか弱者が強者に勝つ方法はないのだ。そして、弱者が強者を食らった瞬間に強さは形成逆転するから弱さは強さは成り立たない。

でも、令和2年はいつもの1年とは様子が違った。ありとあらゆる制限に耐え、いまだに制限を求められているのが現状。そう令和2年は強さや弱さなど御構いなしに、僕らを追い込んだのだ。人類対ウイルスの世界戦争。コロナに対抗する万策は、今はまだこの世には存在しない。圧倒的な敗北。でも、敗北を糧に、人類はいつかコロナに打ち勝つと盲目的に信じている。諦めが悪いのが人類で、諦めずに形成逆転をしてしまうのが我々人類だ。

コロナで何もかもが台無しになった春。国民全員で自粛に耐えた春。自粛を乗り越えた春。中止が決まった夏の甲子園。花火大会が開催されなかった夏。海開きがなかった夏。都構想が反対された秋。総理大臣が変わった秋。再度感染者が増えた秋。CDJが中止になった冬。流行語大賞が「3密」だった冬。漫才じゃないと批判された冬のM-1。

世界が地獄の業火の中でも、いつもと変わらず、他人の誕生日をストーリーで祝う人。自分の誕生日とともにSNSの投稿を消す人。季節の変わり目に風邪を引く人。大掃除に大量に衣替えをする人。年度末にやり残したことを後悔する人。逆にやりきったと安堵する人。変わりたくても変われない人。変わりたくなくても勝手に変わったことを嘆く人間もいた。

思いもよらぬ業火が飛んだ2020年。世界からマスクが消えた2020年。未曾有の事態に、対抗策が未だに見つからない2020年。安寧を求める2020年。なにもかもが変わってしまった令和2年。それでも桜は咲いた。ひまわりも咲いた。コスモスも咲いた。そして、紅葉も華麗に散ってみせた。

動きたくても動けない。会いたくても会えない。距離が離れた人。距離が近づいた人。また出会った人。もう2度と会えない人。ありとあらゆる悲しさと辛さ、そして、少しの嬉しさと楽しさが詰まった令和2年。大丈夫じゃないのに、自分に大丈夫と嘘を吐き続けた令和2年。自分の死ぬまでにしたい100のリストは、今年はどこまで叶ったのだろうか。そして、来年のお楽しみをいったいいくつ見つけられただろうか。

終わった事実。終わらなかった事実。はじまった事実。はじまっていない事実。ありとあらゆる事実がある中で、人間らしくあるために、君が君であるために、折衷案を見つける無様な様を、誰が醜いと思えるのでしょうか。

無様にあがいた1年。手洗いとうがい以外に術がなかった令和2年。世界がそして、働き方が一瞬で変わった令和2年。いつも心配性なあなたのために、2021年はどんな1年にしましょうか。すっかり縮んだバネで、どこまで飛んでいきましょうか。この悪意なき自然の猛威の中で、じぶんの生に、一縷の希望を見つけられたでしょうか?

明けない夜はない。止まない雨はない。自分の中にまだ光はあるか。泥を啜っても歩みを止めない覚悟はあるか。

2021年は、2020年にできなかった後悔を、払拭する年にする。未曾有の事態のせいで、できなかったことを、できるようになるまでに、まだ少し時間はかかるかもしれない。でも、少しだけ自分の進む道がわかったかもしれない令和2年。

2020年は本当にお疲れ様でした。

そして、みなさんには、大変お世話になりました。来年もどうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

ありがとうございます٩( 'ω' )و活動資金に充てさせて頂きます!あなたに良いことがありますように!