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愛すべきコンプレックス
難病になってから、コンタクトを着けられなくなって、ずっと眼鏡を掛けて生活をしている。眼鏡はとてもレンズが曇ったり、存在自体が邪魔で煩わしく思ってしまうときが多い。
眼鏡を常に掛け続ける生活をすると思っていなかったから、難病になる1ヶ月前に、丸眼鏡を購入した。
丸眼鏡は、とにかくレンズが大きい。僕は目元をこする癖があるから、どうしても毎度大きなレンズが邪魔をしてしまう。目元をこするたびに、眼鏡に指紋が付いてしまうのが癪にさわるときがある。指紋を拭き取るのも億劫で、早く眼鏡のない生活に戻りたいなと強く切望しているんだよ。
新しい眼鏡を買えば、問題は解決するのかもしれない。でも新しい眼鏡を買ってしまうと、目が完治しないんじゃないかという恐怖があるから、新しい眼鏡を買わずに、丸眼鏡を掛け続けているんだよ。
「目を悪くした自分が悪いじゃん」と言われれば、僕にはなんの反論もできない。確かに目が悪くなったのは自分の責任だ。でも難病になるまでは、今まではコンタクトを着けていたから、目が乾く以外はなんとも思わなかった。
何を隠そう僕は、自分の眼鏡姿があまり好きじゃない。とにかく眼鏡が似合わないと自分では思っているし、眼鏡がない方があるよりは幾分ましだと思っている。。
だから写真を撮るときは、必ずといっていいほど眼鏡を外してから写真を撮るようにしている。眼鏡姿の自分をあまり残しておきたくないという気持ちから眼鏡を外しているのかもしれない。
いろんな人に「リョウタくんは眼鏡が似合うね」って、言ってもらう機会が最近増えた。それはとてもありがたい言葉で、本来なら素直に受け取るべきだ。
でも自分では眼鏡が似合っていると思えないから、その褒め言葉を素直に受け取れないんだよ。他人の好意を素直に受け取れない自分は、少しひねくれているのかもしれない。
今日は友人をテニスをする機会があった。眼鏡を掛けてスポーツをするのは人生初だったから、距離感がうまく掴めない。今までならすぐに掴めた距離感も眼鏡になると、掴めなくなってしまう。楽しさの反面、眼鏡の辛さをこれでもかと痛感している自分がいた。
いつになったら眼鏡のない生活に戻れるのだろうか。
僕はどんなときも希望は捨てたくない。だからちゃんと治療をするし、1日でも早くコンタクト生活に戻れるよう、心から願っている。
コンプレックスも愛せるようになれば、自分のことを今よりもっと好きになれるのかな。
色んな人が自分の眼鏡姿を好きだと言ってくれてるし、好きになれないのは悔しいから、好きになる努力をしてみようと思うんだよ。
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