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愛という名の「鎖」で私をいつまでも繋いでいて

愛されていたはずの私がいなくなって、ここにいる私は一体なんだっけ?

前を向きたい。前を向けないの繰り返しで、君を失ったこと以外は、まだ何も変われていません。流した涙は思い出の数だと言われたところで、水に流したい思い出はまだ持ち合わせていません。いっそのこと忘れさせてくれればいいのに、街のいたるところに君の思い出が顔を出してくるから嫌になっちゃうね。思い出を忘れることさえもいつか忘れて、綺麗さっぱり水に流せるようになりますように。

「来年の夏は花火に行こうね」って、二度と戻れない事実を知りながらも、まだその甘い言葉を盲目的に信じているの。傷ついてしまう真実よりも、いつまでも優しい嘘に騙されていたかった。以前は君の笑顔が生きがいだったのに、今ではすっかり私を不意に傷つけるようになってしまった君の笑顔。

秋は夏の終わりのかったるい暑さと、冬の始まりの寒さを味わえる季節だねって言われても困るんだよ。だって君を失った今、人肌を求めることができない私にとっては縁もゆかりもないお話だもん。君が戻ってくるか、新しい春が早くやってくればいいのに、いつだって私の恋路は思い通りにいかないのがオチ。

テーブルの上にある合鍵で繋がれていたはずの鎖。「別れたから君に返すね」って、勝手に繋いで勝手に解いて、どこまでも自分勝手な君。君に解き放たれて愛されていたはずの私がいなくなって。ありきたりな謝罪と感謝がずらっと並べられた手紙。本当に欲しかった言葉はずっともらえないまま。

移り変わる季節に、移り変わる街の情景。何も変わらない私ととっくに前を向いてしまったあなた。飲めもしないビールを片手にただひとり部屋に立ち尽くす午前2時をお知らせします。

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