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BiSHへの愛を語らせてくれ

楽器を持たないパンクバンド、BiSH。パンクバンドなのに、一切楽器を持たないというキャッチーなコンセプトに心惹かれるものは多い。斬新なプロモーションを駆使し、世の中に存在を知らしめた。そして、彼女たちのクリエイティブが僕たちの生活に大きな衝撃を与えた。

パンクバンドでありながら、ガールズグループであるBiSHが、2023年に解散する。WACKの渡辺淳之介氏が「1番輝いているときに終わらせたい」と言っていたため、いつか来るであろう解散の覚悟をずっとしていた。だが、実際に彼女たちが解散するとテレビ画面越しで知ったときは、どんな物事にも永遠はないと思わされたし、とうとうこの日が来てしまったと、寂しくなった。

儚さのなかに宿る美しさ、弱さのなかに宿る強さ。前者も後者もどちらか片方だけでは物足りないが、両方兼ね備えた彼女たちにこれまでに何度も魅了されてきた。たいていの人たちは、自分たちを良く見せようと着飾ってしまうが、彼女たちの立ち振る舞いは一貫して、泥臭くて人間らしい。BiSHがいつも魅せてくれるのは、我々が日々もがくなかで見せるリアルそのものなのである。目の前の現状から逃げることなく、泥臭くもがく彼女たちだからこそ、多くの人を魅了し、解散を惜しむ声が多く寄せられるのかもしれない。

BiSHの魅力はたくさんあるが、各メンバーそれぞれの個性が溢れていることは言わずもがなだろう。BiSHがグループとして活躍するために、個人で力をつけておく。まさに理想なチームの作り方である。ワンピースのルフィたちは圧倒的な力を前に挫折を味わい、各所散り散りになって、力をつけた。そこからの快進撃はご覧のとおりである。彼女たちの立ち振る舞いを見ているろ、ワンピースで得たあの感覚が舞い戻ってきたみたいだ。個性溢れるメンバーがBiSHとして、ひとつのグループにまとまった瞬間に、魅せる躍動感に目が離せない。

ここでBiSHが、パンクバンドであることを世間に大々的に知らしめたエピソードをひとつ記しておく。2018年にBiSH初のタイアップが決まり、グループ初の両A面シングル「 Life is Beautiful / HIDE the BLUE 」の発売が決まった。この発表を機に、ファンの間から「大衆ウケに走った」と言われていたが、両A面シングルの発売と同時に、無予告で「NON TiE-UP」というシングルを発売した。この楽曲は歌い出しから下ネタ全開で最高に愉快だ。まさにパンクロック精神を忘れてはいないと、世間に知らしめるに値する楽曲で、世間がさらにBiSHにハマるきっかけとなった。

BiSHは音楽はもちろんのこと、ライブパフォーマンスにも力を入れている。ライブ前に行う通過儀礼である円陣の様子を、よくメンバーがInstagramのストーリーにUPしている。ファンへの気配りも完璧で尊い。ちなみに掛け声は放送禁止用語だ。紅白歌合戦の記者会見で放送禁止用語を叫んだときは、波紋を呼び。清掃員は自分たちを貫く彼女たちの姿に歓喜した。

BiSHのライブに欠かせなくなった「ハシヤスメ劇場」では、ハシヤスメが中心となって爆笑必至のコントを繰り広げる。BiSHへの熱い思いを語る全メンバーには、思わず目頭が熱くなるほとだ。歌では、アイナとアユニ、チッチが抜群の歌唱力を魅せていたが。近年はモモコ、ハシヤスメ、リンリンも独自の表現を手に入れ、BiSHは唯一無二の存在となった。

彼女たちの存在を世に知らしめた「オーケストラ」。この楽曲を聴いて、ファンになった清掃員たちを「オーケストラ新規」と呼ぶ。涼海花音さんと、莉音さんが出演するMVでは、女子高生の淡い恋を描いた切ない物語を描いた。黒背景に丸くて大きな白照明の下に、メンバーたちが歌唱を繰り広げた圧巻のMVであった。

解散が発表された翌年2021年1月にリリースされた「FiNAL SHiTS」のMVでは、過去の楽曲のダンスがオマージュとして散りばめられている。BiSHを応援している人たちにとってはうれしい演出ばかりだ。解散を告げる鐘はなったが、まだ全力で走り続ける彼女たちを最後まで応援し続けたいと思うほどのダンスシーンであった。

BiSHの音楽に乗せられた言葉に背中を押されたり、ときに下ネタで笑ってしまったりと、いい意味でいつも感情がぐちゃぐちゃになっている。それでいて、彼女たちのパフォーマンスはかっこよくて、ときに魅せるお茶目な面がかわいくてたまらない。新しい顔をどんどん見せてくれる彼女たちの進化をずっと見ていたい。と思っていた矢先に、彼女たちは2023年に解散してしまう。

もうすぐ彼女たちがBiSHとして輝く姿を観られなくなる。あまりにも惜しい。惜しすぎる。でも、まだ終わったわけではなく、終わりに近づいているにすぎない。終わりがあるから美しいという言葉があるように、きっと誰も真似できない彼女たちならではの有終の美を飾ってくれるのだろう。そして、彼女たちがステージで輝きを放ったという事実は永遠に残り続ける。たとえ解散の日がやってきたとしても、僕は彼女たちの勇姿を永遠に忘れない。

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