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古書の街、神保町は本好きにとってまさに天国だった

初めて神保町に足を踏み入れたときに、僕は圧倒された。古書店が多いと噂で聞いていたのけれど、本当に古書店に塗れた街だった。どこを歩いても古書店が並んでいて、その景色は見たことがない美しいものだった。

今回神保町に足を運んだ理由は、古本まつりが開催されていたためだ。駅を出てすぐの場所に「さぼうる」があった。生いちごジュースやソーダ水、ナポリタンが美味しいと聞いていたため、すぐに入れるようであれば、行きたかったんだけれど、行列ができていたためすぐに諦めた。

気を取り直して、古本祭りの会場を目指す。駅から出てすぐに見える場所で、古本まつりが開催されていた。たくさんの人が良書はないかと、古本がずらっと並ぶ本棚を眺めている。僕も彼らと同じように数時間かけて良書を探していたのだけれど、なかなか良書とは巡り合えない。でも、本が好きな人がこんなにたくさんいるのかとつい心が躍った。

古本まつりのメイン会場

古本まつりは3年ぶりの開催らしく、たくさんの人で賑わうことは簡単に予想できた。想定どおりどこを見てもたくさんの人がいて、ゆっくり本を眺められない。ゆっくり本を見ていると早くどけよと思われているような気がして、心がうまく休まらなかった。

神保町にはカレー屋さんや喫茶店、吉本の劇場がある。飲み屋さんの数はそれほど多くなかったけれど、それらすべてが好きな僕にとっては天国みたいな場所だった。

『ミロンガ』の外観

2時間ほど古書巡りをして、疲れたのか、喫茶店でお茶をしたい気分になった。すずらん通りのすぐそばにあった「ミロンガ」という老舗喫茶店が目に入った。店内に入った途端に、昔ながらの雰囲気が体を包み込んだ。壁に飾られているたくさんの海外からやってきた空き缶、白い石で覆われた壁、カウンターにはたくさんのティーカップが並べられていた。木目調のテーブルに置かれたコーヒーを見て、何だか優雅な気持ちになる。そのほかにも心躍るアンティークや絵画があって、一気に「ミロンガ」が好きになった。

『ミロンガ』で飲んだコーヒー

店内には、古本まつりで買った本を読んでいる人がたくさんいる。まだ良書に巡り合えていなかった僕は彼らを羨望の眼差しで眺めていた。これは後から知ったことなのだけれど、12月に「ミロンガ」は移転してしまうらしい。いいお店を見つけたと喜んでいたのも束の間だった。次に神保町に足を踏み入れるときは、もう神保町の「ミロンガ」は無くなっている。なんでもいいから本を買って、読めば良かったと後悔した。でも、移転前にお店に訪れることができたのは、幸運だったのかもしれない。

神田古本まつり

神保町には本当にたくさんの古書店が存在する。一軒ずつお店を回っていたら、一体どれほどの時間を要するのだろうか。古着屋さんだらけの高円寺の本バージョンみたいな感じかな。今度はイベントがないただの平日にゆっくり行きたいと思った。

本棚に敷き詰められた古書

古書店がずらっと並ぶ神保町に足を運び、また一段と東京が好きになった。東京は街によって見せる顔がまったく違う。未開の土地はまだたくさんあって、東京に訪れるたびに、この街は本当に飽きさせないなと感心している。2月の東京移住がまた一段と楽しみになった。古本まつりが終わり、あれだけ賑わっていた商店街にはほとんど人がいなくなった。夜の静けさが、街の閑散とした異様な光景がやけに胸に残った。

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