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御堂筋線が嫌いだ

「御堂筋線が嫌いだ。」

なかもずから千里中央をつなぐ大阪メトロの御堂筋線。赤いマークが目印で、新大阪に新幹線を乗るために、たくさんの人が利用している。いつ電車に乗っても座席に座れないし、車内が常に人でごった返しているイメージがある。そして、何よりもとにかく中津終点の電車が迷惑で、いつも「あと1駅だけ頑張ってくれよ」って気持ちになってしまう。

御堂筋線の特徴は、中津を過ぎたあたりから、地下から地上へと電車が顔を出すようになっている。ずっと地下を走ってくれたらいいのに、自分都合で勝手に地上に出てしまう。そして、江坂を超えたあたりから、千里中央までの運賃料がなぜか高くなるシステム。

どうやら電車の運賃料が変わるのは、御堂筋線から北大阪急行電鉄に変わってしまうからみたいだね。なぜ、運賃料が変わってしまうのかはわからない。大人の事情ってやつがあるんだろうけど、どう考えてもいきなり運賃料が高くなるのは気に食わない話だ。

僕が御堂筋線が嫌いな理由3つある。勝手に地上に飛び出す点と、いきなり運賃料が高くなってしまう点、そして、いつも人だらけだからだ。地上に顔を出す様は、まるで悪事はいつかバレると言われているみたいだし、運賃が高くなるのは、悪事はバレた時の方が高くつくと言われているような気がしてしまう。そして、悪事を働いている人はたくさんいると思わざるをえなくなってしまうのも解せない。

もちろん実際に、悪事を働いているわけではない。人間の醜い部分が、ぜんぶ御堂筋線に現れていると感じてしまうのが苦手な原因。御堂筋線に1度悪いイメージを持ってしまうと、なかなかその悪いイメージは払拭できない。御堂筋線はなにも悪くない。もちろんそれを理解した上で、僕は御堂筋線を苦手としているのだ。

ちなみに、僕が御堂筋線をよく利用していたのは、新卒で勤めていた会社に通勤していた時で、平日は週5で利用するヘビーユーザーだった。地下鉄谷町線で梅田へ向かい、梅田から御堂筋線に乗り換えて、江坂へと毎朝通勤していた。朝の通勤ラッシュはまさに地獄だ。

人間がひとつの箱にぎゅうぎゅう詰めにされ、押し合いへし合いが始まる。舌打ちなんて日常茶飯事だし、そんなものにいちいち反応していたらキリがない。眠気まなこをこすりながら、江坂駅まで着くまでの時間をただひたすらに耐える日々。

中津を超えて、大きな橋を渡る前に、電車は地上へと顔を出す。缶詰状態じゃなければ、河川敷の景色を毎日見ていたい。そして、あわよくば西中島南方駅で電車から降りて、河川敷の芝に寝転がりながら読書でもして時間をゆるりと過ごしたいってのが本音。とにかく車内の喧騒からいち早く抜け出せるのならなんだっていい。

とはいえ、仕事を休むわけにもいかないから、無心で満員電車をやり過ごす。せめてもの救いで河川敷の綺麗な景色を見たかったのだが、人があまりにも多くて、ゆっくり眺められないじゃないか。ああ、やっぱり御堂筋線は好きになれない。

仕事を終え、くたくたになった体を家に持ち帰る。そこでまた立ちはだかるのが御堂筋線だ。こいつはいつ乗っても満員で、体力が削られた状態の満員電車は精神的に支障をきたすものがある。家に着く頃には体力も精神も削りに削られ、そのあとの生活なんて自堕落的なものでしかない。まさに生きるのに目一杯だった。

でも、僕が御堂筋線をよく利用していたのは、1年にも満たない。その理由は、会社を転職してしまったからだ。次の会社は京阪沿線にあったため、御堂筋線とは縁もゆかりもなくなってしまった。御堂筋線を利用するとしても、心斎橋に行くときだけで、江坂には退職以来足を運んでいない。

ああ、いつか御堂筋線を好きになれる日はやってくるのだろうか。もしかしたら一生御堂筋線を好きになれないかもしれない。

御堂筋線からすれば、「あんたの気持ちなんてそんなもの知るかよ」って感じなんだろうけど、いつかまた御堂筋線に乗って、江坂に足を踏み入れたいし、あわよくば御堂筋線を好きになりたい。


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