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雨の消失、君の喪失

雨が降った分だけ哀しみが流れていった気がした。

君と出逢えたあの頃。世界が光に溢れているように見えて、未来はどう考えても明るいものだった。

君を失った今、この世界では雨だけが味方な気がする。哀しみを流す雨。ちゃんと綺麗さっぱり流れていったのかはまだ定かではないけど、雨の数だけ涙を流しても良いような気がする。

君とした相合傘。「まるで世界に2人みたいだね」って言い合えていたあの頃の2人はもういない。

君から逃げるのは簡単で、2人が向き合うのは難しいことだった。振り返ればきっかけは些細なことだった。

君の話を僕が聞くことができなかっただけ。あの時に君に時間を費やしていたら何かが変わったかな?2人は別れを選ばずに済んだのかな?

「大丈夫」って言葉。君は僕にいつも使っていたけど、本当は大丈夫じゃなかったこと全然気づけなかった。君の大丈夫はいつも嘘で、それはきっと「辛い」と言っても僕には聞いてもらえなかったという君の考えなんだろうな、きっと。

君の大丈夫になってあげたかった。でも僕は君の大丈夫にはなれず、ただ負担を掛けているだけの馬鹿野郎だったんだよ。後悔しても無駄だし、君はもう僕の元へは戻ってこないのがオチ。

君から逃げる僕。自分のことで手一杯になり、優先順位を君じゃなくて、僕にしてしまっていた。どうか身勝手な自分を許しておくれよ。

自分が逃げてたから、いつまでたっても向き合えなかった2人に明るい未来はなかった。

感情任せで放った言葉に、思いやりなんてない。無責任な言葉は、行き場をなくし、途方にくれる運命。分かり合えた関係に、分からなくなった関係。小さな淀みはいつしか修復不可能な大きな亀裂を産んでいた。

傷付けたくないのに、そんな気持ちとは裏腹に、君のことをめいっぱい傷付けてしまっていたから、「こんな自分でごめんな」って自分を責めたくなる。

今を変えるためにはあとどれくらい泣いたらいい?どのくらい君の痛みを知ればいい?

はいはい、そんなことは自分がよく分かってるよ。確かにそこにあった愛はただの空っぽのものに成り下がった。

ぽっかり空いた大きな穴。かつてその穴は2人で埋めていたような気がした。1人分の余白は、自分1人では埋められないから、誰かで埋めようとした。まさに「空虚」という言葉がぴったりだった。

どんどん強くなれよ、雨。君の思い出ごと全て洗い流してくれ。

でもさ、本音を言ってしまえば、ずっと一緒という言葉の有効期限を勝手に切らさないでよって感じ。どこにも行かず、2人という時間をこれからも堪能させておくれよ。

さよならだけが答えなんだろうか。2人の物語に続きはないのでしょうか。

次は「大丈夫」って言わずに、辛い時はきちんと「辛い」と言うんだよ。次の人はきっとあなたの大丈夫になってくれるはずだから。

ああ、雨がやけに鬱陶しいな。

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