悪意のない悪戯

好きになってしまった私と、私を好きにさせてしまったあなた。いくら追いかけても2人の距離は一向に縮まらず。

もう辞めた、終わらせたと思った途端に来る君の思わせぶり。恋は落ちたもんの負けだって言うけど、私を好きにさせた君にも悪いところはあるんだから、それだけは気づいて欲しいの。なんてね。

思わせぶりをしている君の知らないふり。相手の気持ちに気づいてもなお踊り続ける私は傷つかないふり。

たぐり寄せた糸は運命の糸にならず、君のタイミングで引き裂かれるだけ。
君の愚痴を聞くのも、好きな人の話を聞くのもただそばにいたいから。
会えなくなるよりは少しだけましだから、したくもない肯定をずっと続けるの。

止まらない恋、止めてしまいたい恋。あなたの存在がやけに愛しくて。そんな私の思いにあなたは気づかなくて。

私の思いがいつしか重いに変わって、それにあなたが嫌気を差して、縮まらない距離がもっと遠くなるのがオチ。

思い通りに進まない恋。君の手のひらで転がされ、傷ついて、また好きになっての繰り返し。
来世は一緒になれるかな。今世はもう諦めたほうがいいのかな。

相手に思われない恋がこんなに辛いなんて。報われない恋がこんなに切ないなんて。

ああ、もう君の気持ちの奪い方を教えてよ、神様。

それができないのなら出会う前の2人に戻してよ、神様。

神様に祈るしかできない愚かな私。君に振り向いてもらえない理由はもうずっと前からわかってたの。

でも君を好きにさせた君にも責任があるから、私に興味がないなら思わせぶりなんてしないでよ、馬鹿。