それぞれがそれぞれのお気に召すままに

「生きる意味とはなんだろう？」

人はよく生きる意味に、ぶつかる傾向を持つ。この問題に直面するのが1回で済めば、その問題を乗り越えればおしまいだけれど、厄介なことに人生の節目のような出来事が起きるたびに、この問題に直面しているような気がする。人に頼ったり、自己内省したり、この問題を乗り越える方法はさまざまで、これといった正解もない。

人間の中には、生きる意味を見つけるために生きている人もいれば、そんなものを探す必要がないといい意味で諦める人間がいる。

「生きる意味があったほうがいいのか」と問われると、これは個人の考えだけれど、答えは「人による」だと思う。人によって答えは変わるし、必要だと思っているのであれば、それが正解なんだと思う。大事なのは意見の押し付けではなく、お互いに認め合うこと。そして、自分の生き方を貫けているかどうかである。

生きる意味を見つける行為に、価値を感じるのであれば、生きる意味を探す人生にすればいいし、生きる意味を考えたくないのであれば、生きる意味を気にせずに生きればいい。

他人から提示された答えで納得しているうちは、きっと本当の意味で自分の人生を生きていないのだろう。でも人生の全責任は、すべて自分にある。これは矛盾なのかもしれないけれど、誰もが自分の人生を生きていて、たとえ後悔したとしても、その後悔は誰の責任でもない。

厳しい意見かもしれないけれど、「生きる意味」についての質問の答えを人に求める行為そのものが、そもそも間違いだと思う。そんなものは勝手に自分で決めてしまえばいい。

人間とは本来自由で、ある程度ならなんでもできる生き物だ。身の回りにあるビルや街頭、街のいたるところにあるもののほとんどが、生活を豊かにするために、人間によって作られたものなのだ。必要なものがなかったから作った。その想像力の賜物が、実物として現代に残り続けている。

豊かさゆえにすでにあるものに縛られる機会も多い。豊かさが人間に及ぼす悪影響は、想像力を奪ってしまうことなのかもしれない。豊かだとすでに存在するものに頼ってしまえば事が済む。新たな豊かさを望む一部の人間だけが、想像力を現実に変えようする。これは豊かさが悪いのではなく、豊かさに甘えるのは良くないって話だ。

そのほかにもシンデレラや白馬の王子さまを、ずっと待っている人もいる。待っているだけじゃなにもはじまらないし、状況は一向に好転しない。そんな当たり前で聞き慣れた言葉は理解しているよと言う人も多いが、それは果たして本当の意味で理解しているのだろうか？

インプットはアウトプットを経て、自分のものとなる。勝手に期待して、勝手に失望する悲劇のヒロインみたいな生き方では、手に入れたいものは手に入らない。いつかはずっといつかのままで、いつかを実現させるのはいつだって自分自身の手だ。

自分の頭で考え、きちんと行動までつなげる。そして、失敗を反省したり、いいところを喜びながら次へとつなげる。これが欲しいものを手に入れる最も有効的な手順で、それ以外に方法はない。

だからこそ生きる意味が必要か不必要かどうかは、自分の頭でしっかり考え、その結論を答えとして導き出すべきだ。

他人に頼るのは悪いことではない。1人で生きている人間なんて誰もいないし、誰もが助け合って生きている。そして、楽に生きるヒントは他人の声の中にあるかもしれない。

でも、答えを他人に委ねるのはちょっとちがう。他人の声はあくまで参考指標に過ぎないし、他人にはたくさん甘えればいいけれど、それが依存になってはならない。問題解決のためのヒントをもらい、思考を研ぎ澄まし、行動を自分で起こすために人に頼るべきだ。

ただこれはあくまで一個人の意見である。僕自身は自分の掲げた正義を軸に生きている。でも、他人に強要なんてしない。そんなことをする暇があるのであれば、自分の人生を謳歌したいし、意見の押し付けなど誰も求めていない。

「人に甘え、依存する」もそれまた人によっては、最善の選択肢なんだろう。そこに異論はないし、それが正しいと思ったのであれば、きっと正しいはずだ。

人生の筋書きは自分で決めてしまえばいい。そして、それぞれがそれぞれのお気に召すままの人生を歩めばいい。

答えはいつだって自分の中にある。自分の頭で考え、自分の手で掴みとる。人生というドラマで大切なのは、ときに喜び、ときに失望し、起きた出来事から逃げることなく、深く味わいながら生きることだ。

でも、僕たち人間は地球に遊びに来ただけだ。辛いことなんてなるべく体験したくないし、いいことばかりの人生のほうがいい。目一杯悲しんだらあとは忘れて、楽しいことだけを考える。

そして、死ぬまでは目一杯地球で遊んでいような。