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広告プランナーがテレビCMで振り返る5Gまでの歴史

2020年3月末、いよいよ「au」「docomo」「softbank」を中心とする大手通信キャリアによって、5Gサービスがリリースされました。

ビジネス書やニュースにおいて取り上げられる「5G」について、名前は知っているけど、理解が曖昧で人に説明できないというビジネスマンもまだまだ多いのではないでしょうか?

実際に、5Gに関する意識調査によると、5G認知状況は8割程度だが大半は「名前だけ知っている」という状況で、「内容まで知っている人」は2割に留まることがわかります。

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しかし、私たちにとって5Gという通信の技術は、全くもって「はじめまして」の技術ではないのです。

通信の技術とは社会基盤であり、昔から世界のサービス・プロダクトを支える存在としてあり続けてきました。

これまで1G→2G→3G→4Gという通信技術のアップデートを経て、5Gという新しい通信技術が提供される歴史があります。そうした歴史を理解することで、新しい技術の全容がわかりやすくなっていきます。

通信の歴史を時代や商品を表現するテレビCMによって紐解いていくことで、新しい通信技術の結果、どんな新たなサービスがもたらされてきたか振り返っていきたいと思います。

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【1980年代 1GのCM】 人類初の携帯電話

1Gの時代はアナログ無線技術によって成り立つ通信技術でした。データ通信は存在せず通話機能のみです。しかし、それは人類にとって大きな衝撃を与える技術でした。人と外で通話できる仕組みプロダクトができたのです。

そう、携帯電話の誕生です。

それまで外で誰かと会話することなんてできなかったけど、ついに人類は好きな時に人に自分の言葉を伝えることができるようになったのです。

さっそくこの時代に放映されていたテレビCMをみてみましょう。

電話が家を出た。
電話を持って旅に出た。いつでも・かけられる。どこでも・うけられる。

「電話が家を出た」や「電話を持って旅に出た」というコピーからわかるように、電話は家で使うものという人々の常識が変わる瞬間でした。

電話を介して、友人と会話したり告白されたりという、当時にとっては新しいライフスタイルとして描かれていますね。

続いて、リアルな生活を描いたNTTのCMシリーズ「100年目の電話生活」もみてみましょう。当時若かりし頃の薬師丸ひろ子さんや中井貴一さん、また田中邦衛さんなどが出演されたシリーズのCMです。

携帯電話の他に、ポケベルというプロダクトもありました。ポケベルのCMからも、外でコミュ二ケーションをとることが、当時どんなに驚きだったのかがわかります。

携帯電話のCMからも、ポケベルのCMからも、外でメッセージを送り合うことに一喜一憂するそんな様子が伺えます。それだけ、いつでも人と連絡が取れるということは衝撃的でした。

1Gの時代では、アナログ通信技術が確立され、携帯電話というプロダクトが誕生しました。その結果、人類は、いつでも・どこでも会話することができるようになったのです。

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【2G時代のCM 1990年代】 デジタル通信の時代

1Gの通信技術によって、人類はいつでも・どこでも人とコミュニケーションを取ることができるようになりました。

しかし、そんな1G技術の課題は、アナログ電波を使っていたということにあります。アナログ電波のため、音声はノイズが激しく盗聴されやすいなどの難点があったようです。

そこで、生まれたのがデジタル無線による通信システムであり、第二世代の通信である2Gとなります。通信がデジタル化されたことによって、音声の質や秘匿性が改善されるようになりました。

とにかく安くて、音がいい!

CMをみてみると、「とにかく安くて、音がいい!」とデジタル携帯の機能訴求していますね。これまでのアナログ携帯の通信とは質が違うことがわかります。

しかし、それだけではありませんでした。通信がデジタル化されることにより、データの量・質共に改善されることになるわけですから、通話だけでない新しいサービスを通信の仕組みで提供できるようになります。

それが、電子メールです。

それまで、電子メールは屋内でしか利用できないサービスでした。しかし1Gの時代と同様に、電子メールもいつでも・どこでも送付できるようになりました。

またデジタル化により通信の秘匿性が高まったことで、ビジネスの場でより利用されるようになり、携帯電話の利用者拡大に繋がっていったようです。

2Gの時代では、デジタル化によって、通信で使われるデータの量・質が改善しました。それにより、通信の技術を使って、通話以外のサービス(電子メール)を提供することが可能となりました。

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【3G時代のCM 2000年代】 情報プラットフォーム

通信のデジタル化によって、通話以外のサービスを提供する基盤が整いました。それによって、2G時代には電子メールがサービスとして提供されるようになるのですが、2G時代ではデータ通信の速度はとても低速です。そのため、利用できるサービスとしては、文字情報を送ることくらいしかできませんでした。

そこで生まれたのが3Gという通信技術です。3Gでは通信の高速化を実現し、速度は50倍にも早くなりました。それにより提供できるサービスに幅が広がることになります。

その最たる例が、iモードです。広末涼子さん、篠原ともえさん出演のCMのサービスの機能を覗いてみましょう。

探す。調べる。いろいろできる。どこもの携帯 iモード

CMの中には、辞書検索やチケットの予約、銀行振込など、通話だけでないサービスを利用してるシーンが見受けられますよね。

こうした3G時代を表すサービスとして、情報プラットフォームサービスがあります。より多くの情報を携帯電話で得ることができ、検索したりミニゲームをしたりと、通信の仕組みでできることが増えました。

また、この時代から通信の世代に名前がつくようになります。私たちがよく知るプロダクトであり、当時日本初上陸であったiPhone3Gも、この通信世代を意味した名前です。

また情報プラットフォームサービスだけでなく、写メールも3G時代の特徴でした。文字情報だけでなく、より情報量の多いコンテンツをメール上でやり取りできるようになった一例です。

写メールじゃなきゃ伝わらない

3Gの時代では、データ通信の高速化がされました。通信の技術を使って届ける情報の種類が増えることで、人々がコミュニケーションだけでない使い方を始めるようになります。

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【4G時代のCM 2010年代】 リッチコンテンツの時代

ここからいよいよ、先月までの私たちの通信世代である4Gになります。

3Gの時代では、通信の仕組みを使って利用できるサービスの種類が増えました。しかし、サービスの広がりを見せる中で、徐々に人々は不満を覚えるようになります。

例えば、大容量のデータを見ようとするとローディングに時間がかかり、いつまでも表示されずいらいら。。。馴染み深いのではないでしょうか?そこで4Gでは、さらなるデータ通信の高速化大容量のデータ通信ができるようになりました。

動画も、人気の音楽も、最新のアプリもダウンロードの時間が短くなって、驚くほどサクサク、驚くほど快適

4Gによって、データ通信が高速と大容量化されることで、さらにサービスに広がりが生まれました。この時代に栄えたアプリサービスにどんなものがあったでしょうか?

例えば、YoutubeやTikTokなどの動画配信サービスや、AppleMusicやSpotifyなどの音楽配信サービス、パズドラやモンストなどのゲームアプリなど、よりリッチなコンテンツが楽しめるようになったのがこの時代です。

さらに4G技術によって、データ通信における遅延も少なくなったことで、ライブやインスタレーションの技術としても使われるようにもなりました。

4Gの時代では、データ通信のさらなる高速化と大容量化がされました。通信の仕組みを使って、動画やゲーム、インタラクティブな体験など、よりリッチなコンテンツが楽しめるようになりました。

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【まとめと5Gの時代】

改めてまとめると、通信技術とは社会基盤です。通信技術の革新によって、新たなサービスは成り立ります。

2Gや3Gの時代に、NetflixやTikTokが生まれないのと同じように、5Gの時代にならなければ、誕生することのないサービスが存在します。次のAmazonやYoutubeが生まれる新たな時代へ突入するのが5Gなのです。

では、最後に5GのCMをみてみましょう。

5GのCMには、本来世の中の認知を高めることを目的としていたため、タレントを使った抽象度の高いCMが多いですが、

先日配信された佐藤健さんご出演のdocomoによるTVCMが、5Gによってもたらされるであろうサービス・プロダクトを上手に表現したCMになっていました。

5Gの通信技術としては、高速大容量通信超信頼低遅延多数同時接続の、3つの特徴があるのですが、それがよく表現されています。

AR・VR体験を楽しんだり(高速大容量通信)、

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複数のカメラでラグビーの試合観戦をしたり(多数同時接続)、

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友達と動画をつなぎながらゲームをしたり(超信頼低遅延)、

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5Gの技術をつかって実現されるであろう未来を勇気をもって描いています。

もちろん、確実にこうしたサービスができるかわかりません。しかし、歴史を踏まえると、通信の仕組みをつかって実現できることが、どんどん広がっていくのがわかります。

本来通信は遠くにいる人とコミュニケーションをすることが目的だったものが、徐々に情報のプラットフォームからエンターテイメントなどその機能を拡張してきました。

抽象度の高い表現や通信の専門用語に囲まれると、なんだかわからなくなってしまいますよね。しかし5Gとは、これからの新たなサービスを生み出すための社会基盤だと捉えると、その技術の中身が少しわかってくるのではないでしょうか。

それでは、最後にdocomoによる5Gのコンセプトムービーと、各キャリアの5Gサービスをご紹介して今回の記事を締めくくります。

5Gサービスまとめ

参考資料

[【次世代通信5G①】〜5Gで世界は変わる!インターネットが普及した時以上の変革が起きる〜 ] (https://www.youtube.com/watch?v=FH7L0kyl2GA)

[「5G」をちゃんと知ろう!~Gの歴史と5Gのポテンシャル~【前編】](https://seikatsusha-ddm.com/article/10128/)

この記事はGO FIGHT CLUB の課題として書いてものです。






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汐留で広告代理店のプランナーとして働いています。 https://ryosukefujiki.design/

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コメント (1)
【講評です】広告プランナーさんらしく、サムネイル画像もきちっと作られていて、記事としてのクオリティ高いなと思わされました。プレゼン資料としては超一級品だと思うのですが、一方で書いている人の顔が見えてこないので、個人的なエピソードやストーリーが入るとより魅力的かなと思いました。「客観的な情報」が強めなので「主観的な感情・ストーリー」が加えるといいかもしれません。おつかれさまでした!
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