クラシック初心者のための作曲家紹介シリーズ ベートーヴェン
L.V.ベートーヴェン(1770~1827)。ドイツ生まれの作曲家。難聴を患いながらも名作を世に残していった。そんな彼の作品の一部をご紹介します。
交響曲編
交響曲第9番ニ短調op125
日本では「第九」の名称である作品。交響曲という器楽曲のジャンルに合唱と独唱を取り入れた、当時としては型破りな作品です。ベートーヴェンの作品としては大規模なもので約一時間以上ある大作です。
44:02~からあの有名な旋律が現れます。
交響曲第5番ハ短調op67
日本では「運命」の名称で知られているこの作品。ちなみに海外ではこの名称はついていないみたいです。出だしのフレーズは誰もが聞いたことのある有名なものでしょう。またこの作品はピッコロ、コントラファゴット、トロンボーンを交響曲のジャンルで初めて用いた作品でもあります。今ではオーケストラの編成にこれらの楽器は標準的なものになっておりますが、この作品がなければオーケストラの歴史が変わっていたかもしれません。
交響曲第7番イ長調op92
もともとベートーヴェンの交響曲の中では親しまれていたものの一つですが、日本では『のだめカンタービレ』という漫画にも使われ、2006年にテレビドラマ化されたことにより更に知名度を増したような気がします。ちなみに主演は玉木宏さん、ヒロインを上野樹里さんが演じていましたね。
3:29~からの旋律は聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
協奏曲編
ピアノ協奏曲第5番変ホ長調op73
ベートーヴェンのピアノ協奏曲は完成されたもので5作品(後述のヴァイオリン協奏曲の編曲を含めると6作品)ありますが、最後に完成されたこの作品は規模、内容ともに充実した作品となっております。「皇帝」の愛称がつけられていますが、彼自身の命名ではありません。出だしのフレーズは聞いたことのある方も多いのではないのでしょうか。
ヴァイオリン協奏曲ニ長調op61
ベートーヴェンの唯一遺されたヴァイオリン協奏曲。メンデルスゾーン(1809~1847)、ブラームス(1833~1897)のヴァイオリン協奏曲とともに「三大ヴァイオリン協奏曲」として高い評価を得ています。
ピアノ作品編
エリーゼのためにWoO59
ピアノ経験者なら一度は弾いたことがあるかもしれません。クラシックを知らない方でも聞いたことのある旋律でしょう。題名は『エリーゼのために』と書かれていますが、本来は「テレーゼ」という名前だったといわれています。ベートーヴェンは字がとても汚かったので、読み間違えで「エリーゼ」になってしまったという逸話があります。
ピアノソナタ第8番ハ短調『悲愴』op13
この第8番と第14番、第23番を合わせてベートーヴェンの三大ピアノソナタと呼ばれています。作曲者自身が題名を付けた数少ない作品の一つです。
8:37~からの第2楽章は聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
ピアノソナタ第14番嬰ハ短調op27-2
三大ソナタの一つ。『月光』の愛称がついています。当時恋していた伯爵令嬢ジュリエッタに献呈されました。しかし残念ながら恋は実らず終わってしまったそうです。
ヴァイオリン作品編
ヴァイオリンソナタ第5番ヘ長調op24
『春』という名称がついている。ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ全10曲の中では第9番と並んで親しまれている。
ヴァイオリンソナタ第9番イ長調op47
『クロイツェル』の愛称で知られる。規模、内容ともに彼のヴァイオリンソナタの中では最大のものである。『四月は君の噓』という漫画にも登場しており、アニメ化、映画化もされているのでそちらをご覧いただいた方は知っている方もいるのではないでしょうか。
その他
フィデリオop72
ベートーヴェンの遺した唯一のオペラ。特にこの作品は難産だったようで、何度も書き直しがされている。
ミサ・ソレムニスニ長調op123
ベートーヴェンの遺した宗教作品としては抜群の知名度を誇る。第九と並んで晩年の傑作として親しまれている。
まだまだ紹介したい作品はありますが、一旦ここで終了とさせていただきます。
名前は知らないけど聞いたことがあるといった作品、意外とあったのではないでしょうか。
ぜひ、これを機にベートーヴェンの魅力を感じていただけたらと思っております。
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