初心者のための作曲家紹介シリーズ No.7 サティ
E・サティ(1866~1925)。フランス音楽界きっての変わり者。インパクトのある題名と独自の作風を産み出し、ドビュッシーやラヴェルに影響を与えた。そんな彼の作品はどんなものだったのだろうか。では見ていきましょう。
ジムノペディ第1番
サティの作品では一番といっていいほど知られている作品。ジムノペディは全3曲遺されています。作品の名称は古代ギリシアのアポロンやバッカスなどの神々を讃える祭典「ギュムノパイディア」に由来しています。
ジュ・トゥ・ヴ
元々はシャンソンとして作曲された作品。歌の版もピアノ版もどちらも知られている名作です。
ヴェクサシオン
1分程度のこの曲を840回繰り返す作品です。
不協和音に満ちており、これを840回繰り返すのは精神がやられる気がします…
サティ自身は「このモチーフを連続して840回繰り返し演奏するためにはあらかじめ心の準備が必要だろう もっとも深い沈黙と真剣な不動性の姿勢によって」と楽譜に書いています。
ちなみタイトルは「嫌がらせ」という意味を持ちます。
グノシエンヌ
一部を除き小節線、拍子が記載されていない作品です。音楽自体は調性音楽の範囲でとどまっています。サティ自身が「グノシエンヌ」の題したのは1~3番のみです。3番はCMにも使われていましたね。
第1番0:00
第2番3:10
第3番4:48
第4番7:13
第5番10:09
第6番12:38
犬のためのぶよぶよとした前奏曲
彼の作品の中では特に奇抜なタイトルを持っています。
短い4つの曲で構成されています。評判はあまりよくなかったらしく、出版も断られてしまったそうです。後に『犬のためのぶよぶよとした本当の前奏曲』を出版社に持ち込んだそうです。
第1曲0:00
第2曲0:43
第3曲1:28
第4曲2:36
家具の音楽
第1曲
第2曲
第3曲
家具のようにそこにあっても邪魔にならない音楽、生活の中に溶け込む音楽といった考えを目指して作られた音楽。どの曲も同じフレーズを無限に繰り返す構造をとっています。
いかがでしたか?
意外と「この曲は知ってる!」と感じた人もいたのではないのでしょうか。
フランス音楽界の異端児、サティの魅力に触れる機会になれば幸いです。
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