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コード進行の分析をしよう!

今回は実際に曲を分析していきたいと思います。
前回の内容を踏まえて書いていますので、こちらをご覧になった後で読むとより一層分かりやすいと思います。

では前回の答え合わせです。

前回の答え合わせ

覚えましたか?
では本題にまいりましょう。

王道的な進行、カノン進行

以前も紹介したかもしれませんが、パッヘルベル(1653~1706)の『カノン』という曲があります。

この曲のコード進行は様々な楽曲に応用されています。
俗に「カノン進行」と呼ばれているものです。それはどんなものなのか、さっそく見ていきましょう。

この曲は同じコード進行を何度も繰り返しながら旋律を重ねていく曲です。
そのコード進行は以下の通りです。
|D  A  |Bm  F♯m  |G  D  |G  A  |
(|は小節線です)
では分析していきましょう。

まずこの曲のキーはDメジャーです。
DメジャーということはDメジャースケールの音を使って曲が構築されているわけです。
ダイアトニックコードは以下の通りです。

Dメジャーダイアトニックコード

最初のコードは「D」です。
これはトニックコード(以下T)です。
続いてのコードは「A」です。
これはダイアトニックコードの5番目なのでドミナントコード(以下D)に該当します。

次の「Bm」は何に該当するでしょうか。
これは6番目のコードなので代理コードになります。
6番目のコードはTかサブドミナントコード(以下S)のどちらかですが、どちらに該当するでしょうか?

ここで復習です。
カデンツというものがありましたね。
コード進行の最も基礎的なものです。それは3パターン存在していて、
①T→S→D→T
②T→D→T
③T→S→T

の3種類があります。

Dにあたる「A」のコードはTにしか基本的には進みません。
なので、この「Bm」はTの代理コードに該当します。

続いての「F♯m」は何に該当するでしょうか?

3番目のコードなのでT、もしくはDの代理コードとしての役割を持ちます。さて、この場合はどちらになるでしょうか。

ポイントは次のコード「G」に着目することです。
G」のコードは4番目のコードなのでSに該当します。
なので「F♯m」をDと仮定すると、
D→S」という進行になってしまうので、カデンツのルールに該当しません。
よって、ここの「F♯m」はTの代理コードに該当します。

次の「G」のコードは先程述べた通りSです。
以上のことから、先程の進行をTSDで表すと
T→D→T→T→S→T→S→V
を繰り返す構造をとります。
まとめると以下の通りです。
|D  A  |Bm  F♯m  |G  D  |G  A  |
|T  D  |T     T     |S        T        |S        D      |
このカノン進行は先程述べた通り様々な楽曲で引用され、または応用された形で使われています。

例えば
あいみょんの『マリーゴールド』はこのカノン進行が使われています。

イントロのコード進行はこのようになっています。
|D     |A/C♯   |Bm    |F♯m7      |
|G        D/F♯    |G   A     |

小節数が異なる、オンコードを使うなどの違いはありますが基本的な形はカノン進行そのものです。

このように汎用性の高いカノン進行ですが、ダイアトニックコードのみを用いて作られているので、これだけでは曲に彩りを加えることができません。後にご紹介する様々なコードの技法を用いて曲の単調さを防ぎます。

セカンダリードミナント、サブドミナントマイナー、裏コードなど様々な技法があります。
順を追ってご紹介しますのでお待ちください。

まずはダイアトニックコードのみを使ったコード進行、

そしてカデンツの形をマスターしていきましょう。ここからがスタートラインです。

次回は終止の形、ドミナントモーションについてを紹介していきます。

次回↓


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