クリシェ
今回はクリシェというコードの技法をご紹介します。
そこまで難しい内容ではないと思いますので気軽にご覧下さい。
では見ていきましょう。
クリシェとは
クリシェはとあるコードが何小節にもわたって続く際に、コードの構成音の一部を変化させていく手法です。
例えばCメジャーコードが何小節にもわたって使われている際にCメジャーコードの構成音(CとEとG)の一部を変化させていく、ということです。
この際に変化する音はルート(根音)が大多数であること。そして半音階進行で進むことが特徴です。
なのでCメジャーコードの場合は
C→CM7→C7→C6のような形で使われます。
またクリシェはオンコードの形で使われることも度々あります。
上記のようにC→CM7/B→C7/B♭→C6/A(Am7)のような進行です。
クリシェはメジャーコードかマイナーコードに使われることが多く、オーギュメントコードやディミニッシュコードで使われることはあまりありません。
クリシェの使われている例
では実際にクリシェが楽曲で使われているときはどのような響きを持っているのか聞いていきましょう。
ビートルズの『ミッシェル』という曲を聞いてみましょう。
キーはFマイナーです。
この曲はイントロのギターがクリシェを使っています。
ギターだけのコード進行を表すと
Fm→FmM7/E→Fm7/E♭→Fm6/D→D♭→C
というコード進行をしています。Fm→FmM7/E→Fm7/E♭→Fm6/Dの部分がクリシェに該当します。
※ベース音を含めたコード進行は
Fm/C→FmM7/E→Fm7→Fm6/C→D♭/F→C
となります。
もう1曲聞いてみましょう。
レッド・ツェッペリンの『天国への階段』です。
キーはAマイナーです。
イントロのギターフレーズはクリシェを利用したものとなっています。
こちらのコード進行は
Am→AmM7/G♯→Am7/G→D/F#→FM7→G→Am
となっています。
Am→AmM7/G♯→Am7/Gがクリシェですね。ここではオンコードの形で使われています。
このようにクリシェは色々な形で使われています。
邦楽でもよく使われていますので覚えておいて損はないでしょう。
いかがでしたでしょうか?
次回は平行和音をご紹介いたします。
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