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【漫画】どんな時もポジティブに!ー新米国連職員のぱにゃにゃん日記 Vol.17

サバイディー!リョーヤです。

前回の「新米国連職員のぱにゃにゃん日記」では、国際協力の仕事に必要なスキルについて紹介しました。

今回の記事では、僕が学生時代にJICA海外協力隊(旧:青年海外協力隊)として赴任したザンビアでの経験を例に、途上国で活動するうえでのマインドセットについてさらに深掘りしていきたいと思います。

大学3年生のとき、JICA海外協力隊(以下、協力隊)の短期ボランティアに応募しました。協力隊は20歳以上であれば応募できるため、実は学生の間に参加することも可能です。短期ボランティアは、1か月〜1年くらいと案件によって期間もまちまちなのですが、僕は最短である1か月間の協力隊案件に応募しました。

無事に書類選考、面接試験を通過し、5日間の派遣前訓練を経て、アフリカ南部に位置するザンビア共和国に派遣されました。

配属先は、ザンビア南部に位置するチルンド郡の郡役所で、Community Development Officer(コミュニティ開発担当官)として、コミュニティ開発や地域の生活改善などの事業に関わりました(要は何でもやる部署)。

小学校で環境教育の授業をしました

ボランティアという立場ではあったものの、「はじめての国際協力の仕事だ!」と意気込んで赴任しました。でも、結局何もできませんでした。

当時21歳だった自分は、もちろん社会人経験もなければ、英語も壊滅的に話せず、「何をしにここに来たんだろう…」「自分なんかがここにいる意味はあるのだろうか…」と毎日のように悩みました。

住んでいた家も毎日のように停電、断水。シャワーを何日も浴びれない日が続いたり、夜は真っ暗で何もすることができないので、余計に自分のできなかったことばかりを数えては気持ちが鬱になっていくような毎日を過ごしていました。

そんなとき手を差し伸べてくれたのは、同じ任地に赴任していた協力隊の先輩やJICA事務所のボランティア調整員の方々でした。当時、悩みに悩んでいた自分を誘ってくれ、いろんな相談に乗っていただきました。一番お世話になった協力隊の先輩の家で、アマルーラ(南アフリカ産のクリームリキュール。象のパッケージがデザインされていておしゃれ)のホットルイボスティー割りを飲みながら語り合った夜は今でも鮮明に思い出します。アマルーラを飲むと、当時の国際協力がしんどかったときのホロ苦い思い出が蘇ってきます。

実は教育学部出身なので、教員になるのが夢でした

そんな国際協力の先輩たちと相談をするうちに、「できなかったことを数えるのではなく、できたことを数えて前向きに進んでいこう!」とポジティブなマインドセットをもてるようになってきました。

例えば、100%のうちの40%の仕事を終えたときに、「40%しかできなかった…」と思うのではなく、「今日は40%進んだ!」と捉えることが、国際協力の仕事ではとても大切です。

日本語も使えない、異文化のなかで、貧困の解決という巨大な戦いに挑む国際協力の仕事なんですから、もともとできないことの方がたくさんあって当然です。そんな簡単に物事が解決するのであれば、今頃「貧困」なんてものはこの世界に存在しないのではないでしょうか。

どんなに予想外のことが起きても、目の前の現実を変えることはできません。唯一変えることができるのは、「その現実をどう見るか」というあなたのモノの見方です。そうであれば、できるだけポジティブに物事を捉えてみること。それを意識するだけで、覆いかぶさっていた霧がスッと晴れるような経験をすることができた、アフリカ・ザンビアでのお話でした。

ザンビアで一緒に仕事をした仲間たち。首から下げている携帯の機種で時代を感じます(笑)


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このマンガ連載は、マンガ家の織田博子さんにご協力いただいております。織田さんのプロフィールはこちら!