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総合商社から社員4人のスタートアップに飛び込む話

9月末で新卒から5年半お世話になった丸紅株式会社を卒業し、10月よりCrezit, Inc. (https://corp.crezit.jp/) という社員4人のフィンテックスタートアップに転職します。
創業者の矢部と出会ってから、3週間で転職を決断するという、スピード感のある選択になりました。

丸紅での仕事には、大きな不満はありませんでした。やりがいのある仕事、素晴らしい上司やチーム、そしてとても良い待遇がありました。
(※丸紅でのキャリアの振り返りは、別の機会に纏める予定です)

そんな恵まれた環境から、なぜCrezitに飛び込むことを決めたのか、この節目のタイミングで書き留めておきたいと思います。

1. 実現したい世界への共感

これが、一番の理由です。

Crezitは「Optimize Credit, Unleash Potential. / 信用を最適化して、人の可能性を解き放つ」というMissionを掲げています。

このMissionの背景にある課題感は、個人の信用の仕組みに於ける”不透明さ”"変革の起こりづらさ"です。

<不透明さ>
金融会社は、顧客の延滞や貸倒が発生した際に信用情報機関(JICC、CIC等)に延滞・貸倒の情報を登録する。逆に顧客を審査する際には信用情報機関に個人の信用履歴を照会して、過去に延滞や貸倒が発生したリスクの高い顧客を回避する、というエコシステムを構築している。
https://www.jicc.co.jp/about/whats/index.html
一方で、このエコシステム自体が顧客から直接的に見えない形で運用されており、個人の信用履歴や信用力が不透明であることが現状。(信用情報機関に情報開示の申し込みをして、1000円払えば一応見れる)

<変革の起こりづらさ>
個人向け与信サービスは、参入障壁が高いビジネスモデル。
貸付の為の資金調達、営業~審査~契約~債権管理と多岐に亘るオペレーションを回す為の組織、OMSの初期投資及び維持費用、高精度な与信モデル構築の為の充分な教師データ等が必要となり、自前で与信サービスを提供できるのは、実質的に資本コストが安く資本が分厚い大企業に限定される。
その為、、という現状。新規参入者による競争環境の変化が起こりづらく、業界全体がレガシーなままである、という現状。

丸紅では5年半のうち3年に亘り、北米・南米・東南アジアの出資先の自動車ローン事業会社に携わってきました。
地域によって差はありますが、これらの基本的な課題はグローバルでも変わらず存在しており、より透明性が高く、顧客に寄り添った新しい与信サービスの必要性を感じてきました。
必要性を感じてきた、というよりも、「自分の有限な人生をかけるなら、そういう金融サービスを創りたい」という気持ちがずっとありました。

Crezitは、Missionの実現に向けて、大きく2つの事業展開を目指しています。
①あらゆる事業者が、簡単に低コストで個人向け与信サービスを提供できるCredit as a Service (CaaS)の提供
②個人が信用情報を管理・向上させることができるPersonal Credit Management (PCM)の提供

冒頭で記載した通り、丸紅での現状には特に大きな不満はなく、近い将来に海外事業会社への駐在という魅力的なキャリアも見えていました。

ですが、矢部と出会い、最初に話をしたときに、「Crezitの仲間になって、この世界を一緒に実現したい」と直感的に感じました
その後、3週間という短い期間でしたが、濃密な議論の場を何度も持ち、彼のこの事業にかける想いや事業戦略に対する共感が日に日に高まっていったことが、転職を決意した一番大きな理由です。

2. フィット感

Crezitは創業して1年半のシード期で、現在の正社員4名の構成は矢部とエンジニアが3名という状況です。私はビジネスサイド1人目のメンバーとして入社しますが、事業戦略、事業開発、組織作り、ファイナンス、コーポレート、トイレ掃除等、事業の成長に必要なあらゆる役割を、矢部と二人三脚で進めていくことが求められています。

丸紅では5年半の内、前述の通り3年半は自動車ローン事業を担当し、事業会社のバリューアップに取り組んできました。具体的には、米国の出資先であるWestlake社の優れたオペレーションやリスクマネジメント手法を、他国の事業会社に展開していくプロジェクトを進めてきました。

丸紅史上最高の事業投資案件であるWestlake社については、こちらの動画にかっこよく纏まっています。
https://www.marubeni.com/jp/insight/scope/westlake/

残りの2年間は財務部にて、M&AやJV等の新規投資案件の社内FA業務(ソーシング、モデリング、DD、Valuation、各種交渉支援等)や、ファイナンスの観点から新規投資の意思決定に携わってきました。

また、大学時代までの16年間サッカー漬けの人生を背景に、組織やリーダーシップへの強い興味・関心と会社組織への課題感を持ち、人事組織関連の勉強会に足繫く参加したり、同じ様な興味・関心、課題感を持つ仲間達とコミュニティを形成したり、丸紅従業員組合の役員を兼任して人事制度改革案を人事と徹底的に議論したり、所属する本部でのMVV言語化プロジェクトをボトムアップで発案して推進してきたり、していました。

Crezitはまだ何も整っておらず、これから全てを創り上げていくカオスな状況ですが、私のこれまでの経験をベースに、更にストレッチして早く大きく成長していくことで、ビジネスサイドでもコーポレートサイドでも貢献できる部分が多いのではないか、と感じました。

また、矢部との相性という意味でも、彼が得意なことと私が得意なことが、良い具合に相互補完的な感覚をお互いに持っています。(と私は勝手に思っています笑)

Missionに強く共感し、個人与信の事業領域とファイナンスに於ける経験があり、Executionを主導していく良きパートナーになれる、というフィット感を強く感じました。
(気分が昂っているので、大きなことを言わせてください笑)

会社のステージや、求められる役割を考えたときに、このフィット感は今回の選択に於いて、1と同じくらい重要な要素でした。

3. 最高のストレッチ環境

前述の通り、Crezitでは事業戦略、事業開発、組織作り、ファイナンス、コーポレート等、事業の成長に必要なあらゆる役割を柔軟に拾っていき、ハイスピード且つハイレベルでアウトプットしていく必要があります。

残念ながら、現状の私はそのような宇宙人ではないので、ストレッチして早く大きく成長していくことが必須です。そうでなければ、冗談抜きに会社が潰れてしまいます。そういう覚悟を持っています。

そして、そのような覚悟を持てたのは、1と2を強く感じたからです。自ら望んでハードワークしたいと思えるものに出会えたことは、とても幸せなことだと思っています。

ビジネスパーソンとしてのキャパを大きくする上で、この上ないストレッチ環境であること、そこに覚悟を持って飛び込むモチベーションを持てたことは、1と2の結果論的でもありますが、今回の選択に於いて重要だった3つ目の要素です。

4. 最後に

色々と書いてきましたが、全ては家族の理解があっての決断でした。

将来への不安、家庭への負荷(経済的にも時間的にも)を飲み込んで、このチャレンジを応援してくれる妻に対しては、深い感謝の気持ちで一杯です。
10年後に必ず、この選択をして良かったと振り返れるようにします。

また、娘には対しては、常に自分の信じる道でチャレンジし続ける父の背中を見せられればと思っています。私の父がそうであったように。


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