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糸島のために僕ができること

僕の住んでいる福岡県糸島市。

前原市と糸島郡が合併し、糸島市制となって今年で10年がたった。

∇ここ10年の糸島

正直10年前はよくある田舎町だったと思う。

でもこの10年で糸島はとても賑やかになった。人口も2016年から増加し、2019年11月現在は10万1,778人と過去最高。何かのテレビ番組でも志摩が住みたい町ランキング1位に選ばれるなど、10年前の田舎町と比べると見違えるような街となった。そんな僕も2年前に福岡市から糸島市に移住してきた。

海や山など自然いっぱいに囲まれた環境と、その立地を生かした農業や漁業、畜産業も盛んで、新鮮で美味しい食材が手に入る。JAの産直所「伊都菜彩」も連日すごい人。海が見えるカフェや糸島食材を使ったレストラン、おしゃれな雑貨屋などのお店も続々とオープン、クラフト作家も多く移住してきた。牡蠣小屋も冬の風物詩になった。

福岡市から車で30分、空港から電車1本で糸島市の中心部まで来ることができる気軽さもあって、観光客も年々増え、観光地と化した。ローカル局はもちろん、東京や大阪のテレビ局や雑誌などのメディアにも取り上げられ、知名度は今や全国区。佐々木希さんも糸島野菜を食べているそう。僕も4年ほど前、鹿児島の書店に糸島の本が並んでいて驚いた記憶がある。

最近は糸島で活躍している人を講師で呼んで、こんな勉強会もあっている。人々の交流も盛んだ。

また九州大学が2005年より伊都キャンパスの移転を始めたことも大きいんじゃないかな。移転と共に変わっていく街と、大学関係者や学生・留学生も増えて、雇用が生まれて、消費も増えた。

地理的には福岡市だが、新しいJR筑肥線の駅「九大学研都市駅」やイオンモール伊都店ができ、九大の移転に伴って、駅周辺は開発が進んでいた。僕は田園風景だった町がみるみる変わっていくのを目の当たりにしてきた。

ここまで糸島が盛り上がったのは、九大移転、今まで先人たちが好きなことを地に根を張ってそれぞれやり続けていたこと、そして糸島市が糸島の魅力を”ブランド化し”積極的に発信してきたことなどが主な要因じゃないかなと。

発展することは地域にとって、とても良いことだと思う。

∇「糸島ブーム」という言葉の危険性

ただ最近というかここ数年、よく耳にしたりTwitterで目にするのは「糸島ブーム」という言葉。

「糸島ブームやもん」「やっぱいま糸島ブームやね」

僕はこの「糸島ブーム」という言葉、そしてそう言われている現状を危惧している。「ブーム」というのはいずれ去ってしまうことを意味するから。

先日見た全国ネットの日本テレビ「今夜くらべてみました」で、福岡出身のタレントさんが他県の出演者に福岡を紹介するというコーナーがあった。福岡県の地図を持ち出し、市町村それぞれの特徴を記入して紹介しているシーンがあった。

問題です!地図の中の糸島のところには何と書いてあったと思いますか。
なんと答えは「インスタ映え」。
「インスタ映え」としか書いていませんでした。

2017年にユーキャン流行語大賞を受賞した「インスタ映え」など、もう7年ほどInstagramをやっていてインスタグラマーとして活動している身からするともう死語に値する。

もちろんタレントさんの意見なのでなんとも言えないが、全国放送でそんなことを書かれると、本当に糸島は流行や一過性なブームとしか捉えることができないんじゃないかなー。

∇ふと僕が感じたこと

僕は2011年から2019年までの8年間、糸島の飲食店で店長として働いていた。当時は上で書いたように、糸島全体が年々盛り上がっていった。入社してから来店客数は年々増え、売り上げもありがたいことに増えた。県外からの観光バスや全国・外国から多く観光に訪れていただけるようになった。特に週末は本当に必死で営業していた。

でも僕はふと思った。もしこの「糸島ブーム」と言われるものが去ったら、僕らの仕事や暮らしはどうなるのだろう。生活していけるのだろうか。そんな不安がよぎった。

∇ブームをブームとして終わらせてはいけない

この盛り上がりを「ブーム」で済ませてしまっていいのだろうか。

今後は人口減少や超高齢化社会や農家の後継問題など、これからの僕らの未来にはたくさんの課題がある。そのなかでこの盛り上がりを一過性で終わらせてはいけない。僕の住む糸島、子どもたちの暮らしていく糸島が今後も永続的に豊かであってほしい。

ブームをブームとして終わらせてはいけない。

∇糸島のために僕ができること

僕らの暮らす糸島をもっと永続的に発展させ、豊かにしていくためには、

・今ある魅力的な資源の良さをさらに引き出し、磨いて、伝えていく
・常に潜在的な人やモノや新しい価値を探し出す(もしくは創り出す)
・糸島の魅力や素晴らしさを世界に向け発信し、周囲をどんどん巻き込んでいく
・後世のためにも糸島の"次の担い手"の存在を見出す
・新しい価値観を取り入れ、時代の変化に対応していく

みんなが地域で経済を循環できる社会。お互いを理解し、多様な価値観を受け入れていく社会。安心して暮らしていける社会。地域以外の人も巻き込んで一緒に協働していく社会。

自分が暮らす街だからこそ、自分に何ができるかを考えていく。

まず僕にできることは、問題(違和感)を発見・解決し、魅力を引き出し、発信し、周囲を巻き込んでいくこと。伝えて残していくメディアを作りたい。それは文字なのか写真なのか音なのか映像なのかイベントなのか本なのか。

ワクワクしながら、安心して暮らしていける地域を作り、世界に誇れる"糸島"にしたい。

∇今日の一曲

世界を変えたければ、まずは隣の人と手を繋ぐことが大切。


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