Ryo Miyake

1985年生まれ。神奈川県出身。 リクルートで営業・広報・人事を経験したのち、2018…

Ryo Miyake

1985年生まれ。神奈川県出身。 リクルートで営業・広報・人事を経験したのち、2018年から北海道・日高にある競走馬の牧場に。 馬券だけに頼らない、長く発展し続けられる競馬産業の確立を目指しています。

最近の記事

馬産地は「池田暮らしの7か条」をどう捉えたらいいのか

話題の「池田暮らしの7か条」、地方移住の側面だけでなく、競走馬の牧場で採用をする立場としても非常に興味深いし、学びの多い事例だと思っています。 ”地方”にもいろいろある。実態を知ることは大切 まず、地方移住という点からみていきましょうか。超大前提として、”地方”とひと括りにするのが無理があるのは各所で言われているとおりだと思います。 いま僕がいる北海道を例にあげても、札幌市中心部と、周辺の市部(たとえば千歳市とか苫小牧市とか)、われわれが拠点とする日高町のような場所、さ

    • 競馬の仕事は、"軽やかに行き来"しうる世界か

      ジョッキーを目指していた元mixi社長でおなじみ朝倉さんが、voicyで「マクロな自分とミクロな自分」というテーマでお話をされていた。 マクロな自分というのは、国や社会がこうあるべきというようなレイヤーで考えて行動する自分。世の中、社会のために何ができるかというような発想を指している。ミクロな自分は、実際の自分がどう行動しているか。つまり、自分の個人最適というか、卑近なことも含めて個人の利益を追求した行動を意味する言葉として使われている。 そのなかで、以下のように馬の仕事

      • 詐欺師と呼ばれながらも、今年も新卒採用はじめました

        今年も新卒採用はじめましたー 3月1日を迎え、就職活動も正式に本格化ですね。 19卒からはじめた新卒採用も、早いもので5年目です。 新卒とうたっていますが、今年から年齢制限を撤廃しました。 牧場の求人、採用についてはたまにSNSでも話題になりますよね。 いろんな意見があっていいと思うのですが、いまだに「聞いてたのと違った」という話がでるのは、ひとえに牧場側の情報提供不足や、人への向き合い方の問題だと捉えています。実際、うちでも起こっています。そんな人たちに少しでも参考にな

        • 引退馬こそ、業界の"なかとそと"を象徴するテーマなのかも

          アベプラが、引退馬について取り上げていたので見てみた。競馬とメディアの関わり方についてのヒントがギュッと詰まっていた回だったので、火傷しそうだけど思ったことを書いてみたい。 そもそもアベプラはハードル高い番組 まず、今回の番組『ABEMA Prime』。番組ページには以下のように書かれている。見たことある人はご存知だろうが、"攻めた報道番組"と言っていいはずである。 MCの竹山さんが一口馬主などをやっていること、Abemaを運営するサイバーエージェントの藤田さんも馬主と

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          リスペクトに「分人」的思想は通用しないのかもしれない

          高木新平さんのこの投稿をみて、少しclubhouseで話をした。 日曜の朝から妻より「痛みの伴う話していい?」と切り出され、夫婦会議を開催。いま僕に根本的に足りないのは「リスペクト力」だという結論に達しました… このままでは、あなたが成し遂げたいビジョニングや多様性も実現できないと。謎の図とともに超力説され、僕の中で衝撃が走っています… 確かに僕は、左手の障がいもあって接客アルバイトしたことがなく、会社も一年で辞めてしまったので、そういう配慮や先人への敬意に欠けたまま、我

          リスペクトに「分人」的思想は通用しないのかもしれない

          #熱投 読んで、僕の「熱」をまとめてみた

          大学時代隣の部室で卒アルを作っていてリクルートの同期でもある佐俣アンリが書いた「僕は君の「熱」に投資しよう――ベンチャーキャピタリストが挑発する7日間の特別講義」(通称:熱投)を読んだ。 感想文を書くかわりに、僕の「熱」にあたる部分をnotenいまとめてみた。うっかり5000字くらい書いてしまったし、ところどころ熱投口調になってしまったのだけど、「熱」だからしょうがないよね。長いけど、競馬か僕にちょっとでも興味があったらぜひ読んでほしい。 本そのものもとにかく熱に溢れてい

          #熱投 読んで、僕の「熱」をまとめてみた

          「うちで過ごそう」な日曜3時、ちょっと競馬をみてみませんか

          タイトルに、言いたいことはすべて込めました。 緊急事態宣言が発表され、対象となる都府県のみなさんはもちろん、全国的に不要不急の外出を避け、人との接触を8割減らそうみんなが頑張っている週末、いかがお過ごしでしょうか。 すでに外出を避けはじめてからしばらく経ち、「なにか新しいことはないかなあ」「ちょっと暮らしに変化をつけたいな」と感じている方もいるのではないでしょうか。そんな人に日曜の1時間、競馬みてみませんか?とお誘いです。 今週は、クラシックという世代のチャンピオンを決

          「うちで過ごそう」な日曜3時、ちょっと競馬をみてみませんか

          開催の続行。その一点だけを守ると決めて、それ以外は当面全部捨ててもいいと団結して考え抜いたら、競馬開催を続ける道を見つけることはできないだろうか。

          いよいよ明日、安倍総理は緊急事態宣言を出すようだ。 果たして、中央競馬は今週末、開催するのだろうか。 競馬開催を守るというJRAのメッセージを感じた新型コロナウイルス感染症の流行が見られるようになってから、「とにかく競馬開催だけは守るのだ」というJRAの強いメッセージを随所に感じてきた。 まだ感染者数が少ないときは”週刻み”で無観客を発表し「いけるなら来週からでも観客を」という雰囲気も感じられたが、いよいよ感染者数が増加してくると「4月19日までは無観客で行います」ととに

          開催の続行。その一点だけを守ると決めて、それ以外は当面全部捨ててもいいと団結して考え抜いたら、競馬開催を続ける道を見つけることはできないだろうか。

          JRA無観客競馬大成功問題

          政府によるイベント自粛の要請を受けて、JRAもいわゆる「無観客競馬」をスタートさせて4週目の開催に突入した。 春のクラシックレースに向けて面白いレースが繰り広げられる時期ですし、各スポーツが盛り上がってくるこの時期にライブ観戦ができないのは本当に残念ではあるが、世界的な感染症に打ち勝つためには仕方がないところである。 実際、無観客での競技を実施することで、どのような影響がでているのだろうか。観戦メインのスポーツとはまたちがった性質を持つ、いわゆる「公営ギャンブル」と比較し

          JRA無観客競馬大成功問題

          競馬業界は畳み人不足

          車移動の多い全北海道民におすすめの音声メディアVoicyの人気コンテンツ『風呂敷「畳み人」ラジオ』でおなじみ、幻冬舎の設楽悠介さんが『「畳み人」という選択――「本当にやりたいこと」ができるようになる働き方の教科書』を出版された。これ、競馬業界の人にはぜひ読んでほしい本だったのでnoteにしました。 いきなり余談 ブロックチェーン版おもしろい 僕も、0代後半から20代は畳み人要素強めに生きてきた自覚はある。だからこそ「畳み人」という言い方を聞いたときは「うまいこというなあ」と

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          牧場で採用するなら○クナビNEXT

          牧場スタッフからオフィスで働く人まで、牧場にはいろんな職種の人がいるわけですが、この数年牧場の採用に携わってきて有効だなと思っているツールをご紹介します。 公募メディアを使う2つの理由 というのも、「なんで公募メディア使ってんの?」っていう質問を、何人かからもらったんです。結論から言えば、「一番有効なツールだから」。新卒採用においても「ナビ離れ」なんて言われて久しいけど、我々いまでも完全にナビメインです。声を大にして言いたい。「すっげーいいぞ!○クナビNEXT!」。 うち

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          相撲協会と力士。JRAと騎手。スポーツとSNS。

          相撲協会が力士向けにSNSについての研修を行い、SNS禁止の方針を継続することを決めたそうだ。 力士のSNS活用が注目を浴びる一因ともいえる阿炎さんが、「研修の感想? 爆睡してた。寝てたし、何も聞いてねーし」と言ったのが事実なら、さすがに…という感じもするし、当面の策としてであれば「個人からは禁止!」といいたくなる気持ちもわからなくはない。 ただ、個人的には、相撲協会に限らず、組織が個人の活動について縛るのは最小限であるべきだと考えている。 最小限とは、業務で知り得た機密情

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          牧場の明日をつくる、採用と育成

          言うまでもなく、競馬業界は深刻な人材不足である。 この数年セリなどの市況がいいこともあり、一定の数スタッフがいるところは、どの牧場に聞いても「人が足りない」「いい人いない?」と言っている。 少し名のあるところや、最近活躍馬が出たところだと、「応募は来るんだけど、途中でパタッと連絡が途絶えてしまう」「入社しても、続かないんだわ」と。 たいした採用活動をしなくても、引き合いがある。つまり、競馬の魅力にハマって、それを仕事にしたいと言う人は、僕も含めて昔からそれなりにいるんです

          牧場の明日をつくる、採用と育成

          ”さっと行ける範囲”のとらえかた

          ラグビーワールドカップ、いい感じに盛り上がってきてますね。 わざわざ来日する外国人がたくさんいるのを見ていると、日本で捉えている以上に大きなイベントというのはその通りなんでしょう。札幌ドームで試合があった週末は、各国のユニフォーム着たガタイの良い外国人たくさんいたからね。ビール片手に楽しそうで、ほんとお祭りなんだなーと。 メディアの強烈なプッシュもあって日本国内でも認知度は高かったと思うけど、実際これを機に「はじめてラグビーちゃんと観たよ」という人も一定数いるから、煽る意

          ”さっと行ける範囲”のとらえかた

          たてがみ事件をきっかけに、競馬のなかとそとのことを、『進撃の巨人』になぞらえてみる

          このところ、馬産地で名馬のたてがみを無断で切り取る事件が数件発生している。当然、言語道断、あってはならないことだ。 こういう事件が起これば、見学を受け付けていた牧場がそれを中止したり、制限が増えるのは止められない流れだろう。 許されるべきではない事件だという大前提のうえで、ひとつ引っかかることがある。「牧場側は厚意で見学を実施している」「ファンは馬を見せてもらっている」と考えるべきであるという主張だ。その牧場のあり方にもよるし、事実である側面も多分にあるものの、抜けている

          たてがみ事件をきっかけに、競馬のなかとそとのことを、『進撃の巨人』になぞらえてみる

          目線の位置と数、ちょっとした工夫

          日高町のとなりに、新冠町という町がある。 日高や新冠というと、地元の方以外には馬もしくは昆布というイメージが強いだろうが、実はけっこうな野菜の産地でもあります。 新冠町の道の駅では、6月から10月のあいだ、土曜日の朝10時から12時まで、「軽トラ市」が行われている。いわゆる直売、都会風に言うならマルシェである。 新冠産の朝採り野菜、山菜を扱っていて、お求めやすい価格で新鮮なものが手に入るとあって、昼を迎えるときには完売になることもあるんだとか。 売り方は各農家さんに委ね

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