PERFECT DAYS
映画にあまり関心のない私にも、めずらしく賛美両論聞こえてきたので、久しぶりに映画館まで行って観た。主人公平山の務める清掃員という、世界の現状維持の為の仕事や、彼の毎日やることの変わらない日課的な生活——これは隠居という在り方を描いた映画だと観て思った。つまり、世界を変えることも、世界に変えられることも拒絶するひとの。だから、この映画に対して多く見られる現実的じゃないという批判は当たらない。そもそもが平山という、現実(=数ある世界の暗部)を見ないことを選んだ人間を描いているから