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青の街シャウエンの裏の顔

モロッコのシャウエン。「青の街」として今や誰もが知る有名な街だ。私も世界一周中に絶対訪れたい街の一つだった。

冬の早朝、凛とした空気が漂い、神聖な雰囲気をまとった街を歩く。ときたま民族衣装のジュラバを着た人が足早に通り過ぎていく。昼前になると街は活気づき、観光客相手にレストランやお土産屋さんの呼び込む声が響く。

日が傾きかけた頃、青の街に沈む夕日を見ようと街全体を見渡せる丘へと登っていった。すると見知らぬおじさんに声をかけられた。「ジャパン?」「イエス」と答えると、「葉っぱ?葉っぱ?」とまくしたてられる。

最初は何を言っているのか全然わからず「ん?ん??」となったが、持っているものを見せてもらい「ああ、そういうことか」とようやく理解した。このおじさんは大麻を売っていたのである。周囲を見渡すと、所どころそれらしきものを吸っているお兄さんたちがいた。

「ジャパン?」と声をかけてくるところからすると、大麻を購入する日本人が多いのだろうか。それともただ日本人旅行者が多いだけなのか。後者であることを祈るばかりだ。

後から調べてみると、シャウエン周辺は世界でも有数の大麻生産地なのだとか。絶景として有名な「青の街」にもこんな裏の顔があったとは。軽く衝撃を受けた。

「シャウエンね。青い街でしょ。ネコがいっぱいいる。青い理由は虫よけとか、青が神聖な色だとか、諸説あるみたいだね」。こんな情報だけでこの街を知った気になっていた自分が愚かだった。実際に訪れみて初めて分かることもたくさんあるのだ。

ちなみに、当然ながらモロッコでも大麻は違法である。これからシャウエンに行く人はくれぐれも注意してほしい。

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