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移住でも旅行でもない地域との関わり方

ピースボートでの世界一周から帰国してちょうど1年、船でお世話になったスタッフに会いに行った。彼は帰国してから、今まで縁もゆかりもなかった南伊豆に移り住み、地域おこし協力隊として活動している。

日曜日の南伊豆行きが決まったのはその週の頭。船で仲の良かった子に誘われ急遽決まった。当日の集合場所と時間だけ知らされ、何も決めないまま集合する。

その日地域おこし協力隊の彼は、地域の暮らし体験を行うことができるイベントを開催しており、会えるのは夜になるとのこと。それまでは彼おすすめのスポットを自分たちで周った。

夜になり彼と合流すると、案内されたのは彼の仕事場。この地域に移住してきた若者たちが共同で運営している「giFt(ギフト)」だ。南伊豆に住む人とそこを訪れた人が織り交ざるプラットフォームとしてつくられ、「対価=お金」を超える場所を目指している。

「giFt」では各々の趣味や特技を活かした何かが無償で振舞われ、その対価は受けた人が感じた価値で何かをお返しする。それはお金でもいいし、物でもいいし、人の紹介だったりもする。誰かに受けた好意を次の誰かへとつなぎ、循環させて新たな繋がりを生む。そうすることで地域の活性化を目指している。

この日は私たちと地域の暮らし体験を終えた参加者が集い、スタッフによる手料理が振舞われた。地元の食材やお酒が次々に出され、美味しいごはんに会話も弾む。短い時間だったがいい夜を過ごした。

地域の人に「またおいで」と言ってもらえ、「また来ます」と返す。今まで行った旅先でも、その地域の人との関わりがあった場所はやっぱり印象に残っている。これでまた行きたい場所が一つ増えた。住むでも旅行するでもなく、たまに遊びに行くくらいの感覚。日本全国にこういう場所がいくつもあるといいなーと、帰りの車の中でぼんやりと思った。


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