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バンコクからイスタンブールへ。

イスタンブールについたとき僕がまず思ったことは、こんなにも気候がいい場所が地球上にはあったのかということだった。
日本の夏とは全然違う。日本の秋のような感じでもない。とにかくとても過ごしやすい。

気候というものは、人間の気分を決める大きな役割を担っている。バンコクにいたとき、旅をすることが億劫に感じることが何度かあった。でもそれは、バンコクの蒸し暑い気候のせいだったということに、僕は気がついた。なぜならイスタンブールの街を歩いていると、気分が下がることがないからだ。この気候なら、どこまでも歩いて行ける気がするし、なんでもしたくなる。気候がいいとは、そういうことなのだ。

イギリスやオランダ、そして北欧の国々に住む人たちは、冬になるとうつ病患者の数が増える。全てが一つの原因に当てはまるということは決してないが、その大きな原因は気候だ。

人間は太陽の光を浴びることで、体内でビタミンD3を生成し、それがうつ病であったり、その他の病気に対する免疫を上げてくれる。曇りや雨の日が続く場合、もちろん太陽の光を浴びることができないので、体内のビタミンD3が不足する。その結果、うつ病などの病気にかかりやすくなるということだ。
ちなみにビタミンD3はコロナウイルスや花粉症にも有効で、ひどい花粉症の僕も、一昨年からビタミンD3を飲み続けている。飲み続けた結果どうなったか。僕の花粉症は相当軽くなった。もちろんコロナウイルスにもかかっていない。

ビタミンD3が色々な病気に有効なことは、様々な研究を通して明らかになっていることなのだが、(アメリカではウォルマートやターゲットでも大量に売っている)日本ではまだあまり知られていないように思う。僕もそんな日本で生まれ育ったから、一昨年まで知らなかったわけであって、そんなことよりも、巷で噂の健康食品や流行りのものに夢中だった。人のことはあまり言えないけれど、今まで外国に住んだり、旅をしていて思うことは、日本人は、欧米諸国の人々に比べると、少しだけ健康の知識が浅い。
でも外へ出ずに日本だけでずっと生活していると、そんなことには気付けるはずがない。その理由も、日本を出ればすぐに分かる。海を越えてみると、日本の良い面も悪い面も、よく分かるものだ。

愛国心が強い人間ほど外に出たがる。ということを海外生活をしている時に出会った人に聞いた。僕もその通りだと思う。短期留学をしている学生などは別にして、ワーキングホリデーを使って外国に住む人間や、外国で就職して現地で生活している人と話すと、ほとんど全員が、最後は日本に戻りたいと言う。そして自分の海外生活の経験を活かして、日本で何かしたいと言うのだ。

それは一見、ただの欲望であるように思うかもしれないが、違う見方をするとこんなふうにもなる。
外国に住むことで日本を俯瞰的に観察することができる。外から日本を眺めながら、日本はどこが良くて、どこが良くないかを知る。そして日本に帰るとき、俯瞰的に観察した日本で自分ができることはいったい何なのだろうかを考える。日本を少しでも良くしようと、海外生活で得た知識と経験を活かしながら、日本で新しい何かを始める。
外国を旅することも、日本を俯瞰的に見るチャンスだ。


ここイスタンブールでは、心地良い気候のおかげもあってなのか、人生を楽しんでいる人間がとても多いような気がする。みんな昼間からチャイを片手に、ストリートに座って楽しそうに会話している。仕事はしているのかしていないかよく分からないが、仕事している人も、早めに仕事を終わらせて、太陽が沈む時間になったら、好きな人や大切な人たちと美味しいご飯を囲みながら、楽しい会話をしている。

僕はそんな光景を見ていると、人生っていいなと思えてくる。
美しい夕日に照らされながら、大好きな人と、大切な誰かと、美味しいご飯を食べ、楽しい会話をする。人の生で、それ以上何が必要なのだろうか。

イスタンブールはアジアとヨーロッパの境にあり、ボスポラス海峡を挟んで、西側がヨーロッパ、東側がアジアである。観光地で有名なアヤソフィアやブルーモスクがあるのはヨーロッパ側だ。僕が宿泊していた場所はヨーロッパ側だったのだが、こちら側からアジア側に行くことはとても簡単で、
公共交通機関である船に乗ればいい。15分で到着する。

僕はアジア側の港町であるカドキョイから、とても美しい夕日を見た。
アヤソフィアの向こうに沈む夕日は、とても美しかった。

綺麗な夕日は日本でも見ることができる。でも一つだけ、イスタンブールと日本で大きく違うことがある。それは、イスタンブールには音楽があることだ。

僕は知らない曲だったが、多分トルコでは有名な曲を、5人のバンドグループが演奏していた。そしてその曲を囲む人間が、皆で歌うのだ。
そんな光景を日本で見たことあるだろうか。少なくとも僕はない。まず日本の美しい夕日が見れる海沿いで誰かが歌を歌っていたら、すぐに警察が来るだろう。土地の権利を持っているものからの苦情ということだ。

日本でストリートが解禁される時代は来るのだろうか。
タイではストリートに屋台が並んでいて、安いご飯を食べることができる。
イスタンブールでもそこらじゅうで、誰かが物や食べ物を売ったり、歌ったりしている。
5年ほど前、僕の友人が渋谷のスクランブル交差点で路上パフォーマンスをしていたら、逮捕されてしまった。その友人は結構たくさんのファンを抱えていたので、友人のパフォーマンスを楽しみにしている人間が結構たくさんいた。でも迷惑なんちゃらで逮捕されてしまった。僕は思うのだけれど、それが誰に迷惑がかかっているというのだろうか。もしスクランブル交差点の蔦屋書店の前で、誰かが路上パフォーマンスするのを迷惑に感じるのなら、少し避ければいいだけの話しではないか。そんなに最短距離で目的地まで向かいたいのだろうか。もしそうだったら、その人は生活を改めた方がいいと思う。

まぁそうは言っても、日本の法律や条例というものがあるから、ここで僕が何を言ったって何も意味が無いし、そもそも法律とかを変えようなんて思ってもいない。だから僕は、楽しいイスタンブールの街を歩きながら、日本のストリートはいつになったら解禁されるのかなぁと、ただ思っているだけなのだ。

イスタンブール、そしてトルコ全体で言えることは、まだまだ物価が安い。
ストリートのケバブ屋でケバブを食べると、大体250円くらいだ。街も綺麗で食べ物も美味しくて、楽しくて、安くて、旅行先にとても良い場所だと、僕は思う。ぜひ一度、イスタンブールに足を運んでみてください。

僕は、クロアチアに向かいます。


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