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線でつらねる写真

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写真をSNSですこしずつ出して消費していくより、線でつらねて意味のある形で残しておきたくてはじめました。
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木を木として見なくなってからがおもしろい

木を木として見なくなってからがおもしろい

昨年12月の中旬に、いろんな事情が重なって、僕はひとり、神奈川の山を登っていた。新宿からバス一本で山登りにいけてしまう東京はほんとうに恵まれているなあ。

クリスマスの1週間前にも関わらず、平日の重労働をくぐり抜け、朝6時に起きてバスに乗り、土曜日の朝10時から山を登っていた自分をもっと褒めてあげたい。

せかせかと生き急いでいる人を見ると息が苦しくなるように、ゆっくりと太陽にむかって生きている木

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キジ重とアサツキ

キジ重とアサツキ

東京の実家に年始のご挨拶がてら、お昼御飯をいただきにお邪魔した。

「明けましておめでとうございます」

と、すこし恥ずかしかったけれど、口数のすくないおとうさんに伝えてみる。

「あぁ、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」
と返してくれる。よかった。

住んでいる場所に、新年のご挨拶ができるお家があるのがうれしい。もちろん大分出身なので、東京に実家なんてないのだけど、こ

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初詣と町中華

初詣と町中華

1月7日。すこし遅いけれど、今年会うのは初めてだからと、あまり人の混んでいなさそうな不動前にある瀧泉寺へお参りをした。

江戸幕府3代目将軍、徳川家光にご厚意にされたと、以前は栄えた門前町だったそうだ。駅からお寺まで歩いていても、年季の入った鰻屋さんやとんかつ屋さんがあったり、赤い暖簾に中華料理とだけ書いてある町中華、おばあちゃんが甘酒を軒先で売っている様子を見て、その名残を感じる。

カレー屋さ

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帰省

帰省

祖母は、高校時代の友人と高松で再会した話を何度もした。わたしのいとこが、その場で撮った写真をすぐに印刷してあげたらしい。いとこ曰く、最後のお別れのとき皆さん涙ぐんでいた。もう、会えないと心の中で悟っていたからかもしれない。プレゼントでいただいたというマフラーを大切そうに身につけていた。

雪が積もることもある街だったが、帰っている間基本的にはいい天気だった。双子の兄とはあまり2人で話すことはないが

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