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挫折した人の「イシューからはじめよ」│【書評】安宅和人氏 著作

この書評は「イシューからはじめよ」を手に取ったはいいものの、
「途中で読むのをやめた」「読んだけど理解出来なかった」人向けに
もう一度読むための、道筋をご紹介するものです。

こんにちは、緑志新です。
今回取り上げるのは30万冊を超える大セラーとなった安宅和人氏の「イシューからはじめよ」です。
早速ですがこの本、「難しくないですか…?」
私は書評を書く前提で本を読みます。最初は概要をまとめようと思っていたのですが、途中から無理だと諦めました。結局2回読み直して、論点整理しといった感じで進めると結構時間かかりました。

キャプチャ3

私は概要をまとめることよりも、「挫折した人がもう一度読み返すため」のきっかけを作りたいと思いました。
書評も繰り替えされてきた本ですが、案外この切り口のニーズあるんじゃないか、ということで、早速取り掛かっていきます。

何が難しいのか

ここを見極めなければなりません。
私の結論はこうです。
イシュー(=課題)設定から誰かにプレゼンするまでには、いくつかの思考プロセスがありますが
①思考プロセスとそれを解くテクニックが紐づかないと理解が進ま
 ない。
②テクニックが本質的に理解できない。


 大きくこの2つが障壁だと思いました。
もう少し説明すると、この本には「思考プロセス」と「テクニック」が交互に紹介されています。これらそれぞれの「思考プロセス+テクニック」を
1つのセグメントとして、読み進めないと理解することが難しいのです。
逆に、ここさえまとめられていると理解はぐんっと深まります。今何の話をしているか、迷子にならないための道筋を見つけることが重要です。
 またこの本は例えると学校の教科書です。範囲が広く、また、テクニックの部分は自分で深堀していかないと、読んでいるだけでは身につかない(=理解できない)ことも多いため、苦痛になるのかもしれません。
とりわけ、他のビジネス本と違うところは、安宅さんが研究者の側面ももっているため、サイエンスの実例を例えたものも出てきます。
これ平凡な私には正直難しくてピンと来ませんでした。世間一般にはどうなんでしょうか、と気になって調べたところ、以下のような結果に

会社員数

総務省統計局(労働力調査 令和2年1月31日より)

研究者数

総務省統計局(最近の研究者数の国際比較と企業の研究者数の動向 平成29年4月5日より)

上図から会社員の数(6,724万人)に対して研究者の数(84.7万人)と
約80倍の差があります。このことからサイエンスの実例については、少なくとも一定数の人が理解することが難しいと考えた方が良いでしょう。
なので分からないと思ったら読み飛ばす方法もありだと思います。

セグメント分けすると読みやすい

【思考プロセス+テクニック】をセグメントに分ける

キャプチャ4

黄色の網掛けが【思考プロセス】、その下が【テクニック】です。
思考プロセスの流れだけ見ればさほど難しさは感じないはずです。
また著書ではテクニックの部分を深堀していきますが、理解するためには目的意意識がしっかりあれば大丈夫です。下図のように図解して、階層ごとに分けていくとわかりやすいでしょう。もちろん、書かなくても頭の中で整理できれば十分です。

良いイシューの3条件
 ┣進む方向に大きく影響を与えること
 ┣深い仮説がある
   ┗常識を疑う
   ┗新しい構造で説明する
 ┣答えを出せる


イシューにだけ絞るという選択肢

イシューに特化する場合は①②だけという選択肢もあり(かもしれません)

キャプチャ5

根幹は「イシュー」です。著書で紹介されているバリューマトリクス表に
思考プロセスを当てはめるとイシュー度を上げることは①②によってなされます。著書でも③④⑤は思考<テクニック の比率が高いように感じます。私は、この③④⑤は実践によって磨かれる部分であると考えるので、①②の思考を定着させて、③④⑤を後々ぐるぐると回転させることが良いと思います。

【読み終えて】

今回のまとめは完全に本の攻略法みたいな内容になってしまいました。
私のような普通のサラリーマンには、著書の難易度は高いと思います。
なので、本質を理解する、美味しいところだけ学んでいくために、どう読むかを重視しました。また私にとっては教科書の1つになるでしょう。取り組む前後、途中で著書を開きながら、今の自分の立ち位置がどこなのか、犬の道を進んでいないか、確認をしながら物事を進めていきたいと思います。

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