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「苦い」「甘い」あなた次第

お寺の掲示板「5秒で仏教」

 子どものころはピーマンが苦手で、できれば食べたくない食べ物の一つでした。ところが、年齢を重ねるうちに味覚が変わり、知らない間に「おいしい」と感じられるように。きっと、皆さんにも似たような経験があるのではないでしょうか。

 じつは人生にも同じようなことが起こります。たとえば「苦い」経験というのがあります。もう二度と味わいたくない、思い出したくもない、つらくて、いやな経験。でも、それが「あれはあれで、いい経験だった」と思える日が来ることもあります。なぜ、そういう変化が起こるのでしょうか。

 それは私たちの心が変化したからです。味覚が変わることで「苦い」ピーマンが「おいしい」に変わるように、心が変わることで「苦い」経験も「いい」経験へと変わっていく。つまり、起きた事実は何一つ変わらないけれど、私たちの受け止め方が変わることで、その事実に対する評価が自然と変わっていくのです。

 よって、私たちの人生には「苦しい経験」が多いのではなくて、私たちの心が様々な経験を「苦しい」と感じることが多いということ。ということは、私たちの心が変わり、感じ方が変われば病気や老い、死ですら乗り越えることが可能だということです。

 仏さまは理想の楽園を与えてくれたり、私たちを連れて行ってくれたりする訳ではありません。私たちが何かと「苦しい」と感じる心を変える、そのための教えと練習方法を伝授してくださるのです。ぜひ、あなたの人生にも仏教を!

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