松本良光

小さなお寺の住職です。身近な出来事を仏教的な視線で語りたいと思います。

松本良光

小さなお寺の住職です。身近な出来事を仏教的な視線で語りたいと思います。

最近の記事

「苦い」「甘い」あなた次第

 子どものころはピーマンが苦手で、できれば食べたくない食べ物の一つでした。ところが、年齢を重ねるうちに味覚が変わり、知らない間に「おいしい」と感じられるように。きっと、皆さんにも似たような経験があるのではないでしょうか。  じつは人生にも同じようなことが起こります。たとえば「苦い」経験というのがあります。もう二度と味わいたくない、思い出したくもない、つらくて、いやな経験。でも、それが「あれはあれで、いい経験だった」と思える日が来ることもあります。なぜ、そういう変化が起こるの

    • 宿題「命を大切にする」

      「絶対泣くなぁ」と思って臨んで卒園式。卒園証書授与の時、開口一番から先生が泣いてて、ちゃんと名前を読み上げられず…こんなん泣くに決まってるやん! その後も、何度となく涙してから保護者会の会長として挨拶をさせていただきました。その中で子供たち、保護者の皆様に「宿題」を出しました。それはこんな内容です。 要は「誰も死なないでね」というメッセージ。なぜ、そんなことを言ったのかというと、残念ながら「死ぬ可能性があるから」です。そのことを改めて自覚して欲しかったので、私なりの表現で

      • 過去に学び、未来を描き、今を生きる

        過去を振り返るのも、未来を思い描くのも 今この瞬間を生きるためです 過去を振り返って、くよくよするためじゃない 未来を思い描いて、夢見勝ちになるためでもない 過去を後悔するなら、その分を「今」取り返そう 未来に期待するなら、その分を「今」打ち込もう この人生で確実なのは今この瞬間だけなんだから!

        • 心のしつけ

           先日、食事の席で子育ての話になりました。同世代の子どもを持つ親同士、参考になることばかり。特に興味深かったのは、あるお父さんのこんな発言です。 「子どもは好き嫌いだけで選ぶので、大人が『これも美味しいんだよ。食べてみたら?』って教えてあげなきゃいけませんよね」  確かに、子どもたちは好き嫌いがハッキリしています。ただ、それは美味しいものを知り尽くした上でのことかと言えば、そうではありません。今の時点で「美味しい」と感じているものを好んで食べ、「美味しくない」と感じるもの

        「苦い」「甘い」あなた次第

          優先順位を守る

          クタクタになって帰ってきて、ゆっくりと湯船につかる。冷えた体がじんわりと温まると、一日の疲れがほどけていく感覚になります。お腹はペコペコ、喉はカラカラ。風呂上がりのビールほど美味いものはありませんが、空きっ腹だとアルコールの吸収が早く、胃の粘膜を痛めてしまうこともあります。「まず水分補給して、何か食べてから…」と頭ではわかっていますが、ついついビールを飲んでしまいます。 二杯目のビールを片手に食卓につくと目の前には熱々の唐揚げ。先に野菜を食べれば「糖質の吸収を抑えられる」「

          優先順位を守る

          人生80年=700,800時間

          「暇をつぶす」と言ったりしますが、折角の時間をつぶしてしまうのは勿体無いこと。なぜなら、その時間も命の一部だからです。ちなみに、英語で「暇をつぶす」はKilling timeといいます。まさに「時間を片付ける」といった感じ。 もし、そういう頭で時間を使うのではなく、「暇を生かそう」「時間を大事に使おう」という意識で時間を使うとどうでしょうか。きっと、同じ10分でも時間の使い道が違ってくるはず。そういった10分が積み重なっていくと人生の流れが変わってきます。 タイムパフォー

          人生80年=700,800時間

          人生には不安が付き物だから

          最近、うちの息子には不安なことがあります。それは小学校まで一人で行かないといけないこと。といっても、まだ半年先の話です。「お友達と一緒に行くから大丈夫やで」と言い聞かせますが、とにかく不安で仕方ないようです。そこで思い出したのが『ドキドキドン!一年生』という定番ソング。じつは私も入学前に不安になり、この歌を耳にするたびにソワソワしたものです。 そんな思い出深い歌の中に「誰でも最初は一年生。ドキドキするけどドンと行け」という一節があります。確かにその通りで、最初は誰だって不安

          人生には不安が付き物だから

          人生の種明かし

          うちの息子はサボテンが大好きで、ベランダにはコレクションが並んでいます。この夏、一つの鉢からサボテン以外の芽が出てきたのでビックリ仰天。これは一体なんだろうかと思いを巡らせていると、あることを思い出しました。それは二年前に息子がまいた枝豆の種です。 お寺の子供会でもらった栽培キットで種まきをしたのですが、あえなく枯れてしまいました。それを放置していたので、その土を使ってサボテンを植え替えたのです。おそらく、そこに種が混じっていたのでしょう。それが二年の時を経て芽を出した、と

          人生の種明かし

          どんな時でもベストを尽くせる自分になる

          イソップ物語の一つに 『ウサギとカメ』 があります。話の展開はご存知の通りですが、皆さんは 「なぜウサギはカメに負けてしまったのか」「どうしてカメはウサギに勝つことができたのか」 について考えたことはあるでしょうか?実は、ここに人生のヒントが隠されてあるのです。 たとえば、ウサギとカメの勝負のように相手が圧倒的に有利であったり自分にとって不利な状況であったりすると多くの人は「こんなの無理に決まっている」という発想になってしまいます。すると、どうしても「でも」「だって」「どう

          どんな時でもベストを尽くせる自分になる

          起死回生の「メイクドラマ」をしたいなら

          イソップ物語の一つに『ウサギとカメ』があります。話の展開はご存知の通りですが、皆さんは「なぜカメはウサギに勝つことができたのか」について考えたことはありますか?じつは、ここに人生のヒントがあるのです。 たとえば相手が圧倒的に有利であったり、自分にとって不利な状況であったりすると、多くの人は「こんなの無理に決まっている」という発想になってしまいます。すると、本来の実力を発揮できないまま終わってしまう可能性だってあるのです。 もし、カメがウサギの走りを見て「こんなの無理に決ま

          起死回生の「メイクドラマ」をしたいなら

          人生はオートセーブだから、いつだってコンティニュー

          最近のゲームにはオートセーブ(自動保存)機能があります。なので、ゲーム中にやったこと、起きたことは全て残ります。 私が子供の頃は自分でセーブしないとデータは残りませんでした。なので、都合の良い時はセーブして、都合が悪い場合はセーブしないなんてことも(笑) そうすれば自分にとって最も都合の良いデータだけを積み重ねて、理想的なゲーム展開を作り出すことだってできたのです。 しかし、人生はそんな訳にはいきません。やったこと、起きたことは全て自動保存されて、その情報は魂に蓄積され

          人生はオートセーブだから、いつだってコンティニュー

          自分を形づくる人々

          仏教では「どんな出会いにも理由がある」と教えます。たとえば、街に出れば見知らぬ人と何度もすれ違いますが、その一人ひとりとの出会いにも理由があります。つまり、訳ありな関係だということ。そう思うと、家族として生まれ合わせるというのは、ちょっとやそっとの関係ではないことがわかります。 では、どんな理由があって訳ありの関係になっているのでしょうか。そのことをわかりやすく表現しているのが「袖振り合うも多生の縁」という言葉。どんな出会いにも「縁がある」ということですが、ここで重要なのが

          自分を形づくる人々

          自分を取り戻す場所

          体が疲れた時は、何かにもたれたり、誰かにもたれたりすると思います。 では、心が疲れた時はどうでしょうか?いつまでも頑張り続けたり、一人で抱え込んだり、何かで気を紛らわせたりしていませんか? 心も疲れます。それどころか汚れることも、傷つくことも、壊れることもあります。 そんな時に癒してもらえる、整えてもらえる場所を持っていますか?自分を取り戻せる方法を持っているでしょうか? どう生きたって体は汚れます。だから毎日お風呂に入る。それと同じで、どう生きたって心も疲れるし汚れ

          自分を取り戻す場所

          まず自分から変わろうよ

          高校生の頃、苦手なクラスメイトがいて、できるだけ関わらないようにしていました。しかし、その「相手を避けようとする姿勢」が相手にとっては不愉快だったようです。それがために無用なちょっかいを出される羽目になり、余計に苦手意識が強くなっていきました。すると、更に相手を避けようとするので、更に相手は不愉快になっていったのです。 そんな悪循環を見かねたのか、友達が声をかけてくれました。 「アイツのこと避けてるやろ。そんなことせんと自分から声かけたらええねん。アイツ、そんな悪いやつちゃ

          まず自分から変わろうよ

          一人だけど、独りじゃない

          ある御経には「生まれる時も独り、死ぬ時も独りである」と説かれています。確かに、自分が生まれる時も死ぬ時も、誰かと一緒ではありません。ただ、それは「一人」なのであって、必ずしも「独り」とは限りません。 うちには今年の6月で6歳になる息子がいます。家内の妊娠がわかった時から一体どれだけの人から、どれだけの期待が注がれてきたことでしょう。私も家内も毎日、途切れることなく我が子のことを想い続けていました。本人は母体の中で一人きりですが、決して独りではなかったのです。それは今でも何一

          一人だけど、独りじゃない

          とりあえず、やる

          とりあえず、やってみてから悩んだらええんちゃう? やってみたら「できる」「できない」もハッキリするし 今後もチャレンジするかしないかも決められる 何もしないまま、どんだけ悩んでも何もハッキリしないし、何も決められへん とりあえず、やる! それでも、ええんやで😊

          とりあえず、やる