アーティストなのか。職人なのか。
先日、音楽をやっているお客様とカットをしながらこんなお話をした。
「お金をもらってすることは求められて表現している、今は自分の好きなように表現したくてYouTubeを初めた」
それは利益じゃなく、やりたいことを創造して表現しているということだと言っていた。
きっとそれは今行っていることがアーティストなのか、職人なのか、ということですよね。
私はよく、人の話を聞きながら自分に当てはめてみるとどんなことだろうと思考する癖があって、今回の話も自分に当てはめてみた。
「お金をもらってすること」
これはまさしく私にとって美容師の仕事だ。最初はアーティストのようなデザイナーのように活動できると思っていた。奇抜なデザインでヘアアーティストとして活動している人も今でももちろんいるけどそうゆうのに憧れてこの世界に入った。
でも、やっていくうちに、いろんなお客様に触れ、話を聞き「どんなことをして欲しくて美容室に来ているのか?」ということを考えた
お客様は「生活がより豊かになることを望んで美容室に来ているんだ」とということに気づいた時から私にしかないデザイン性の需要のなさに気付いてしまったんです。
そこから、おもっきり考え方を切り替えました。
いかに手入れをしやすいか、癖をいかに気にならないようにするか。上質な髪質作りを考えたり、提案したり。
私のつくるヘアスタイルが生活リズム、ライフスタイルが崩すことのないようにスタイルの提案をしている。ハードワークな仕事を抱えている方、育児中の方、季節の変化、年齢の変化お客様もそれぞれ抱えている。
いかにして、おしゃれ、なおかつシンプルで生活に溶け込むスタイル作りをするか、それが私の美容師としての求められている仕事となっている気がしています。
藁の箒をつくる職人もただ先を揃えて束ねているわけではなく、チリを集めやすいように角度を見てカットしている。そして、人が握りやすいようにグリップの部分も加工をして工夫されていると思う。求めてもらえるように、作り出していると思う。
職人とは、自ら身につけた熟練した技術によって手作業でものを作り出すことを職業とする人「Wikipediaより」
そうゆうことだ。私に髪を切ってもらった人はわかると思うが、毎日のスタイリンがとても簡単になっていると思う。
私がやっていたことは「職人」だったんだ。
じゃあ、アーティストってなんなんだ。
アーティストとは芸術家。芸術品を創作、創造し表現する人。「Wikipediaより」
そのお客様と話している時、「YouTubeってそう簡単に閲覧数もふえないし、お金にするのも大変そうですよね」と私が聞いたんです。
「それで儲けようとか閲覧を増やそうとかそうゆうのでやっているわけではないんですよね」
これを聞くと、では「趣味」でされてるんですね?と思いがちだが
芸術ってよくよく考えてみると後から価値がついてませんか??画家を思い出すとゴッホは死んでから有名になったし、バンクシーは壁の落書き(ストリートアート)に価値がついた。今では見つければ保存され、オークションに出品される。
芸術はどこで何があって、価値になるかわからないということだ。
「ユーチューバー」だって今となっては、ビジネスのひとつだけど
最初からそうだったのか?たぶん、ただただ最初は簡単に動画をみんなに共有するサービスだったと思うんです。
要するに、動画でも絵でも「あなたの描く絵が好きです」そうゆう人が集まって集まれば集まるほど価値になっていたわけです。
その仕組みを思えば報酬などを考えずに始めた方がより自分らしく創造できそうですよね。
もしかすると、ヘアメイクの仕事は芸術側の観点の要素が大きいかもしれない。
ヘアメイクの仕事はまだ美容師ほどの経験はなく浅い方なのですが
ここ最近気付いたのです
ヘアメイクの仕事の時はかなりの確率で報酬の話っていうのがもたつきます。それで私もヤキモキすることがよくありますが…
美容師の仕事と違い、人によって価値の幅が違いすぎるんです。
例えば、芸能人にとってのヘアメイク(必要不可欠)と一般の人たちにとってのヘアメイク(あってもなくても良い)どこまで必要なのか?という観点だけでもかなり価値が違うかと思うます。
そしてアーティストなんだなと思うのは作業にしても仕上がりにしても人々の評価にしても…絵と同じ要素が多いということ。
うまくできれば、後からファンがついたり、またやってほしいと依頼されたり。それと同時に報酬も上がっていくことが多いと聞いている。
こう紐解いていくと「芸術で食っていくのはむずかしい」とよく言われることがよくわかります。
ここで振り返る
お客様となぜこんな話になったかというと、「ただ単純につまらなくなってきてしまった」という思いからでた行動だという。
今はYouTubeを上げるのが楽しいらしいです。
楽しめているのか、無理をしているのか
なんだか、そこを軸にすることを忘れがちでした。初心に帰るまではいかなくても仕事でも趣味でも何かが講じて発展するタイミングってあると思うんですが、そんな時は浮かれずに心に手を当てて、それは楽しめそうなのか?目先のため無理をしている部分はないだろうか?
その都度、そう冷静になれたらいいなと思います。
銀座エリアのシェアサロンで美容師してます。HP作りました!
髪と化粧の奥野涼子 https://www.kamitokeshonoryoko.com
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?