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戦争を笑いに「博士の異常な愛情」解説

とても怖いブラックコメディ。元々は世界滅亡の原作をキューブリックがコメディにして作られたもの。


博士の異常な愛とはただの邦題で本当はDr.ストレインジラブという名前の博士の題名。とにかく男の小さな理由で世界が破滅するとても怖いブラックコメディでした。これもまたキューブリックの戦争反対への思考やメッセージ性が強く描かれていた。

核戦争の恐怖に迫った作品だがあえてコメディにしたところがまた天才ですね。

ー性行為との関係ー

これはSEX映画として見たほうがいいとのこと。まずタイトルシーンで飛行機2機が飛びながら給油するシーンはトンボの交尾に見立て、ラストシーンの男1人に女10人の話やソ連攻撃命令を出した理由はフッ素により勃起できなくなったからなど、男のセックス事情によって核戦争が起こされるといった考えを持つキューブリックの作品。女も1人しか出てこない男ばかりの映画。

ストレインジラブ博士の右手が勝手に上がってナチス式敬礼をしそうになる発作があります。そんな時は、必死に左手で押さえます。
それと、大統領を「総統」と呼び間違える事も数回。
博士は、元ドイツ人で、今はアメリカに帰化しているようなのですが、未だ中身はモロにドイツ人、しかもナチス的思想を持ったままらしいのです。こちらもかなりブラックユーモアたっぷりで大好きです。

そしてアメリカの考えてる事が表されてるかのような生々しい登場人物達の思考。1番最初に全員実在の人物とはなんの関係もありませんとかなんとか出てたけどあれがまた妙にリアルで怖い。

ーこの映画の事実とはー

この映画は事実がいくつかあり例えば、
ラストシーンのいくつもの爆破シーンはソ連の皆殺し兵器が発動したため人類は死んでいく。これは実際にも考えられていたことで作られる可能性があった。もし作られてたらこうなっていたと言わんばかりのラストですね。最後の歌の歌詞もなかなか怖かったです。
そしてハーマンカーンが当時水爆戦争が起きて人を犠牲にしてもアメリカ人が少し残っていればこちらの勝ちだと提唱した実在人物だそう。
Dr.ストレインジラブのモデルはエドワードテラー(水爆の父)、フォンブラウンだそう。

ータイトルの意味ー

如何にして心配するのをやめ(ハマーンカーンの思想で水爆戦争が起きることを心配せず地下に逃げ込み勝つことができると思ったから。水爆を愛するようになったか(エドワードテラーが実際に水爆を作り自分の子のように愛していたとのこと)

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