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修学旅行女子部屋に行きたくて死にかけた話

この物語は修学旅行で泊まったホテルの一室からはじまる。
中学校3年の夏、京都を訪れていた。

2人部屋だった。

俺は考えた。
「どうにかして女子部屋に行けないだろうか」

この日のホテルは男子が3F、女子は5Fに泊まっていた

どうやらクラスメイト達は枕投げに勤しんでいるようだった。

ふざけるな
枕投げなんかじゃ事足りる訳がない
刺激が欲しかった。

しかし学校側としても男女の接触は避けたかったのだろう。

全先生を部屋とエレベーター、階段に配置し通路を塞いでいた。

警備システムはフル稼働

この時点で3Fから5Fへの移動は不可能となった

だが、諦めたくなった。

ここで諦めるほど、突発的な願望ではない。修学旅行の何ヶ月も前から考えていた。

諦めたらそこで試合終了ですよ

どっかの先生も言っていたじゃないか


そして…ハッとし閃いた。

ベランダはあるのか?

もしベランダがあるのなら可能性はある…

高まる期待を込めてカーテンをめくり窓を開いた。

すると、京都の街並みが綺麗に映し出されるなか、ベランダは無かった。

しかし、10cm程の足が掛けられる幅がある。本当に10cmくらいの幅

かなり無謀だが、左右の足を縦並びにして壁を這うように進めば行ける気がした。

今思えば本当に馬鹿だと思うし、同じことをするかと言われれば、確実にしない。

というかしたくない!

だが、当時の俺には希望の道だった。
行くしかなかった。

脱いでいた青色のconverseに足を通し、黄色の靴紐をキツく結んだ。

相方と共に窓を飛び出し慎重に足を乗せた
ゆっくりと踏み出す
幸い風はなかった。

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出だしは好調、ホテル中央から角部屋付近に到着。

事前確認通り上の階に続くハシゴが見えた。

手足を滑らすことはもちろんだが、通行人から通報されることも怖かった。

通報さらた暁には、我々隊員の修学旅行は終わり強制的に地元に送還されるだろう。

それだけは避けたい

あたりを見渡しひと気の無いタイミングで動き出す。

そして

実現不可能に思えた作戦は成功した。

ミッションインポッシブル

気分はトムクルーズだ。

俺はイーサンで相方はベンジー

そして当時好きだった子の部屋に上がった。
良い匂いがした。

女子部屋も二人。彼女達は驚いていた。

部屋に上がり他愛もない話を2時間した。苦労して会いにきた分いつもより話が弾む

そろそろ消灯の時間。先生が点呼をしに来るかもしれない。我々は基地に帰還する。

行きと同様で慎重に行かなければ行けなかったが、初めての女子部屋に興奮していたおれは浮かれていた。

ここで事件は起こる

固く結んだはずの靴紐が緩んで解けた。

気づかなかった

この状況で紐が解けているのはまずすぎる

きっと左足は叫んでいたと思う。

だが、右足は知らなかった。

解けた靴紐を踏みつけた右足。

左足は呆れていた

左足は右足を責めた

足並みは揃えなければいけない

言葉の意味を知った

左足の努力も虚しく体勢を崩し、宙に放り出されようとしていた

「あ、死んだ」

終わった。短い人生だった。15年間。

おれは思った。

1度くらいセックスがしたかった

おれは童貞。

いや、バキバキ童貞だった。


京都の街、提灯が綺麗だった。



がしかし、ここで前を行くベンジーが登場。

寸前のところでイーサンこと俺の片手をひっぱり元の体勢に戻してくれた

我々は無事基地に戻り、任務を終えた

今回の任務は本当に危なかった

カルピスでベンジーと祝杯をあげた。いつもより濃かった気がする。



あれから10年が経ったが任務を続けている

少し高い所が苦手になった。

今冷静になって考えると、やばい。

いや、やばすぎる

良い子は絶対にマネはしないでほしい。

そしてこれから修学旅行に行き、ワンチャンスを虎視眈々と狙っている童貞に伝えたい

女子部屋には行くな!

行ったとしてもお前は童貞だ。

うまく彼女をリードすることはできない

地元に帰って作戦を練ったうえでお前の責務を全うしろ

確実によくないことをしていたと思っている。

生きるということ、死ぬということは隣り合わせだ

好奇心は大事な原動力になるが逆も然りだ

修学旅行でハメを外したい気持ちもわかる

だが、命をかけてでもするべき行動なのかは判断してくれ

ちなみにおれには分からなかった

さっぱり分からなかった

後悔してもしきれないぞ

命拾いしたが本当に死んでしまうこともある

当時の自分と同じ過ちを冒さないことを願い

この話を修学旅行前の童貞に捧げる

end♫


最後までお付き合いいただきありがとうございます♪

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