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次の掌編小説集の布石

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まだ見ぬ新刊、レッドを作るため、書いてきた新しい掌編小説をまとめます。 わたしの性格上、真実性をもたぬものはあまり響きませぬ。
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#ショートショート

掌編小説「ネズのしゅぎょう」(ひらがなカタカナバージョン)

トイチはしょうがっこうよねんせい。いつもがっこうのじゅぎょうがおわったらまっさきにいえにかえってしゅくだいにとりくんでいるが、とちゅうであきてしまってまんがをよんでごろごろするのをとくいとするまいにちをすごしていた。このひも、おなじようにがっこうからいえにかえっていたのだが、いえのげんかんのまえになにかがおいてあるのにきがついた。
「なんだろうこれ」
それはしかくいりっぽうたいのはこだった。トイチ

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掌編小説「黄昏と夜の欠片」

掌編小説「黄昏と夜の欠片」

ある日曜日のこと、浩太は実家に帰っては、自分の部屋で片付けをしていた。連日の仕事とたまの休みにはまとめて溜まってしまう家の家事をこなさないとならないし、予定が入ればそちらを優先しないとならないため、とても家のことまで手が回らなかった。それが、片づけをしようと思ったのは、ここ半年ほどは実家の遺品整理を手伝わないとならなくて、その亡くなった者の書斎にある膨大な本を束ねては、車に乗せて運搬し、不用品回収

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