掌編小説「ネズのしゅぎょう」(ひらがなカタカナバージョン)
トイチはしょうがっこうよねんせい。いつもがっこうのじゅぎょうがおわったらまっさきにいえにかえってしゅくだいにとりくんでいるが、とちゅうであきてしまってまんがをよんでごろごろするのをとくいとするまいにちをすごしていた。このひも、おなじようにがっこうからいえにかえっていたのだが、いえのげんかんのまえになにかがおいてあるのにきがついた。
「なんだろうこれ」
それはしかくいりっぽうたいのはこだった。トイチはそのはこをもってしたからのぞいてはこのいろんなめんをみつめていると、そのひとつのめんにはこのふたのようなとってがあるのをみつけた。
「これひけるぞ」
そうしてトイチははこについているとってをぐっとひっぱってみた。すると、はこはぱかっとひらいて、あたりにきらきらするひかりがあふれてきた。
「うわあ、なんだこれ?」
きらきらはしだいにかたちをなし、そのひかりがしだいにおさまると、くろいとんがりぼうしをあたまにかぶり、くろいロープをきたおんなのこがあらわれてきた。おんなのこのすがたがはっきりみえてくると、そのおんなのこは
「ふあー。やっととうちゃくしたよー」
とおおきくあくびをした。
「なんなんだ、きみは?」とトイチがおどろくと
おんなのこはこたえた。
「あたし、あたしはネズちゃん。まじょのみならいでこっちにしゅぎょうにきたの」
「しゅぎょうだって!?」
「うん。ネズちゃんはまだみならいだから、なにかひとだすけをしないとならないの。あなた、なまえはなんていうの?」
「ぼくはトイチってんだ」
「トイチ?じゃあ、トイちゃんだ!!よろしくねートイちゃん」
「よ、、よろしく」
「じゃあトイちゃん。さっそく、なにかこまってることないかな」
「こまってること?とりあえずいえのなかにはいってよ」
トイチはいえのカギをあけてネズをまねいた。
「おじゃましまーす」
そしてトイチはにかいのべんきょうつくえのあるトイチのへやへむかった。
「こまりごとなんだけど、みてのとおり、まいにちしゅくだいがあるんだけど、すぐあきちゃってまんがよんじゃうんだよね」
「ふんふんふんふん」とネズはあいづちをうった。
「だから、それがずっとつづくのはやっぱりもんだいだとぼくはおもっているけど、でもどうしていいかわからないからこまっているんだよ」
「なるほどねーじゃあ、しゅくだいをちゃちゃっとおわらせてからまんがをよめばいいんじゃない?」
「いや、それなりにりょうがあるし、ぜんぶぱぱっとおわらすなんてぼくにはむずかしいな」
「きょうのしゅくだいはなんなの?」
「これだよ」
そういってトイチはこくごのテストプリントをみせた。
「これ、おはなしっぽいね。なんてかいてあるんだろ」
「え。かんじよめないの?」
「うん、ネズちゃんかんじわかんないのおおい」
「そうなんだ。まほうをならうときにかんじはいらないのかな」
「それはだいじょうぶ!!おししょうさんがネズちゃんようにひらがなばんのまほうしょくれたから、それならすらすらよめるの!」
「そっ、、、そう。このテストにでるおはなしは『きたかぜとたいよう』だね。たびびとのコートをぬがそうときたかぜとたいようがきそうはなし」
「あ!しってるー!そのはなし、だいすきー!!」
「へえ。ネズもしってるんだね」
「うん。こどものころよみきかせてもらったから。おひさまがぽかぽかしててあったかいよね!」
「ま、まあまちがいではないけど。で、それにたいしてもんだいぶんがあって、こういうのやってくうちにとちゅうであきちゃうんだよね。。。」
「わかるーネズちゃんもしゅうちゅうりょくながくないからすぐめうつりしちゃう」
「そうなんだよ」
トイチはかなしいひょうじょうをうかべてためいきをはいた。
「わかった!じゃあネズちゃんがトイちゃんのなやみをかいけつしてあげる」
そういってネズはロープのポケットからなにかをとりだした。
「それは、、スポンジ!?」
「ネズちゃんのまほうアイテムだよ!」
そういってネズはゆびをパチンとならすと、まほうしょがあらわれた。でてきたまほうしょのぺーじをめくりながらネズはなにかぶつぶついっていた。
「ええと、、しゅうちゅうりょくでしょ。しゅうちゅうするためのまほう。たしか、このへんに、、あ!あった!」
そしてネズはスポンジをてににぎったままなにかとなえだした。
「ぼぶとれすぼぶとれすしかくいしかくいさんにんぐみぐみやんややんやだいななそいななろんくらろんくらとれとれー!!」
するとネズのてにもったスポンジがきらきらひかりだした。ネズはそのスポンジでトイチのあたまをごしごしこすりつけた。
「な、なにするんだよ」
「ネズちゃんは、まだみならいだからちょくせつトイちゃんにまほうかけるのはまだできないの。だからまずこのスポンジにまほうのちからをつけて、こすることでちからをわけあたえるの」
「そっ、そうなのか」
「じゃあ、ぱぱっとしゅくだいやっちゃって。ネズちゃんとあそぼー」
「うん、わかったよ」
トイチには、はんしんはんぎではあったが、しゅくだいのテストプリントにとりくんでみた。すると、いつもならあきてしまうところなのに、なぜかさいごまであきずにおわらせることができた。
「うわ。おわった!はじめてだよ。ちゃんとしゅくだいできたのは。ネズちゃんありがとう」
とトイチはふりかえってみるものの、へやにはネズのすがたはいなくなっていた。
「あれ?」
もともとまじょだからかってにいなくなったのかなとトイチはおもった。トイチはのどがかわいたので、いっかいにおりてなにかジュースでものもうとだいどころへむかった。
「あ!トイちゃん!しゅくだいおわったー?」
みるとネズはかってにいえにあったおかしのクッキーをとりだし、たべていた。トイチはそれをみては、またはあとためいきをついた。なんなんだろう、このみならいはとおもったのだった。
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