韻は"リズム"で出来ている。
韻を踏め、言葉を生め。
昨日の記事に引き続き、言葉のリズムについて考えを深める。
前回は音数という点で見たものの、
言葉が持っているリズムの要素はそれ以外にも存在する。
その一つが「韻」だ。
ヒップホップなどのラップと呼ばれる音楽ジャンルでは、
非常に重要となる韻。
それについて、
「母音」と「イントネーションとアクセント」の両面で考えていこう。
「あいうえお」の一致を探せ。
まず「韻」とは、母音そのものを指す。
母音とは「あ・い・う・え・お」という日本語の基本となる音だ。
「か」は「k」の音に「あ」を合わせたもので、
「づ」は「d」の音に「う」を合わせたもの……と把握しておけばいい。
(「ん」は例外だが、一応響きとしては「う」に近いので代用は出来る)
「わたし」という言葉を母音で考えると「ああい」。
これが韻だ。
そして「韻を踏む」という言葉がある。
意味は、同じ韻を持つものを使う……というもの。
例えば「わたし」で韻を踏んでみると……
「辛い」「高い」「ササミ」「証」「ばかり」「和菓子」……
こういった同じ「ああい」という母音を持つ言葉を複数使う。
これが韻を踏む、ということだ。
だが、言葉の繋ぎにも同じ母音の塊がある可能性もある。
「わたし」という言葉の韻を踏む際に、
「終わっ"たらし"い」「"まだ知"らない」といった感じ。
つまり韻を踏む場所は単語内だけではない。
その繋ぎにも存在することを覚えておこう。
「高低と強弱における類似」を探せ。
母音の次は、イントネーションとアクセントだ。
イントネーションとは、言葉を喋る際に生まれる「音の高さの差」。
アクセントとは「音の強弱の差」だ。
しかし歌のように滅茶苦茶声の高さが変わる……というわけじゃないよね。
それでは会話が成り立たなくなってしまう。
声に出す、ということは音で情報を伝えるということ。
その情報を正しく伝える為に、
イントネーションとアクセントは存在している。
「橋」と「箸」は同じ読みだがイントネーションで意味が変わる。
会話で語尾を上げると、疑問を投げかけるような言葉になる。
そういった小さな違いをこの二つで作り上げているのだ。
……まあ、方言もあるのでここはややこしい部分ではある。
東と西で真逆の発音になったりするからね。
で、今日は韻の話だ。
韻は母音としての意味合いが強いが……
「響きの類似しているもの」という意味でも使われる。
逆に言えば響きが似ていなければ、母音が同じでも韻は踏みにくいのだ。
さっき言った「箸」と「橋」。
箸は「は」が高めで「し」で音程を下げる。
橋は「は」が低めで「し」で音程を上げる。
まあ正直アクセントとイントネーションは奥が深すぎるので、
ここらへんを繊細に気にしすぎると死ぬ。
やんわりと考えていこう。
なので「箸」で韻を踏む場合は……
「菓子」「"らし"い」「価値」。
逆に「橋」で韻を踏むなら……
「"足し"算」「勝ち」「"夏期"休業」。
という母音以外にアクセントとイントネーションという点でも、
同じ響きを持たせないと韻は綺麗に踏めない。
しかし絶対に踏めないという訳ではないので、
「母音だけ」「アクセント・イントネーションだけ」
で韻を踏むことは可能である。
一番の方法は、韻を体感すること。
……とはいえ言葉では理解しづらいだろう。
その場合はラップの分析をしたらいいんじゃないかな。
母音が合ってなくても韻を踏んでいると感じる部分はかなりあるから。
ヒプノシスマイクとかでもいいし、
らっぷびとさんとかill.bellさんとかのネットラップでもいいし、
英語が分かるならEminemさんとかでもいい。
ネットで調べりゃ幾らでもあるからね。
その際は歌詞とにらめっこしながら聴こう。
どこで韻を踏んだのか、韻を踏んだと感じたのはどこか。
そうやって考えていくのがオススメだ。
音数に合わせて韻を踏むことも意識して、
より言葉のリズムを明確に考えていこう。
という感じで、今日はここまで。
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