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瀬戸内一人旅旅行記!

大晦日に日本へ帰国し、定職があるわけでもない。自分の時間が使える貴重な機会だと思い、3日間の広島・瀬戸内一人旅を敢行した。
その旅行記をつらつらと。

初日 広島/宮島


名古屋駅から夜行バスに乗り、初めての広島へ。

数年振りの夜行バスだったが、ド平日で人がまばらだったのもあり快適に利用でき、睡眠時間もそれなりには取れた(6時間くらい)。
バスが向かう最終到着地の広島駅ではなく、内陸にある三次駅前であえて降りた。今回3日間お世話になるJR広島フリーきっぷ(なんと3日間フリーで4600円)をふんだんに使って、知らない車窓を楽しんでみたかった。早朝6時前、あたりはまだ暗い。
芸備線の広島行きに乗車。昭和の名残がそのまま残ったローカル電車だ。駅も電車も、まるで時代が進んでないかのような錯覚をうけた。自動改札すらない。早朝で暖房が回り始めの寒い車内。車内各地に設置されていたむき出しの蛍光灯。タイムスリップしたような非日常を楽しむことができた。

三次から約1時間半、広島に降り立つ。市街地は思ったよりも栄えていて、路面電車が活発に行き交っていて新鮮だった。
友人と合流し、原爆ドームにまず向かった。保存作業はされているものの、爆発後のまま残された遺構は当時の凄惨さをまざまざと見せつけていた。その足で平和記念資料館へ、覚悟はしていたが、原爆の現実・恐ろしさを色々な側面から訴えかける内容で、色んな感情が渦巻いた。
70年以上がたった今も、絶対に目を背けてはならないと思うし、全世界で戦争の悲惨さを共有できる世の中になってほしい。今も戦争は起こっている。

初日のお昼は広島名物の一つ、汁なし担々麺へ。現地の友人に教えてもらうまで名物とは知らなかったのだが、とても美味しかった。麺に味がしっかり絡みついてて、ご飯とも合う。

「國松」の担々麺 人気店でこの日も行列ができていた。



午後は宮島へ。この歳でやっと来れた世界遺産、厳島神社だ。
JR山陽本線に揺られ広島→宮島口まで約20分強。平日で空いていたおかげでフェリーもスムーズに乗車、余裕を持って境内を回ることもできた。直近で見る大鳥居はさすがの迫力だった、奈良の大仏より大きいという掲示があって驚いた。700年以上前にこんな島のそれに海と面する場所に立派な神社を建築する当時の人たちの知恵と技術に改めて驚かされた。

境内から見る大鳥居


フェリー乗降口から神社までの参道は多くの露店が軒を連ねる。僕は揚げ紅葉、牡蠣握り、穴子握りを食べた、その場所の特産品は必ず抑えておきたい。穴子丼はお腹の度合いを見て控えてしまったので、次回はぜひ挑戦したい。

夜は広島に戻り、友人と合流した後繁華街にて広島風お好み焼きを食べた。生地の下に麺がしっかり挟まれているため小さそうに見えてもなかなかなボリュームだった。その後は、友人行きつけのバーなどを含めて飲み歩いた。気づいたらなかなか飲んでいたのと寝不足と疲れで終わりがけの記憶はない。この友人とも昨年トロントで出会った。留学のおかげで日本全国各地の友人ができたことはとても大きい。

二日目 瀬戸内サイクリングと尾道散策


早い時間に起床し、広島から東へ向かい尾道へ。
二日酔いが残っていて一度降りて途中下車しトイレに籠るなどのアクシデントはあったが、10時ごろには無事尾道へ到着した。

尾道駅前から出ている港でフェリーに乗り換え、生口島に行き着いた。
レンタルサイクルを借り、35kmの尾道までのコースを走行することにした。天気は快晴、着込めばそこまで寒さもなくむしろ気持ちいい、空気も澄んでいるので見晴らしも最高だった。
生口島→因島→向島→尾道のコースで、それぞれにサイクリングの拠点がせっつぁれており、同じ場所に返す必要がないのでありがたい。

空いている平日だから、追い越される自転車も少ないし、贅沢にしまなみ海道のサイクリングを楽しむことができた。
特に生口島大橋から眺める景色は圧巻だった、なかなか見れない景色に思わず漕ぐのをやめてうっとりと眺めていたほどだ。

生口島大橋と自転車。ご覧の通りの快晴。


因島の昔ながらの定食屋さんで昼食、たくさんあるメニューでとても悩んだが、肉うどんという文字に惹かれて頼んだ。さっぱりして出汁のきいたスープにお肉もたくさん乗っていて、美味しかった。
サイクリングは3時間ほどでおわり、尾道に着いてからは、尾道水道を見下ろせるという人気の観光地、千光寺山へ。

千光寺は尾道市街を見下ろす山の上にあり、ロープウェイで山頂まで行ってから徒歩で降りる人が多い。山頂の展望台から眺める尾道水道の景色は圧巻で、瀬戸内の島々と遠くに四国も眺めることができた。


下山途中、千光寺に寄り、そのあとは「猫の小道」という猫が多く住むエリアへ。猫を題材にしたアートや看板なども至る所に設置されていて、本物の猫も数十匹住み着いている。

猫の小道にはこのような猫アート作品が至る所に設置されている。



小腹が空いたので尾道出身の友人の勧めの尾道プリンを食べて自転車を返却。
夕食は尾道グルメといえば最初に挙がる尾道ラーメンを頂いた。尾道ラーメンは醤油ベースのよくある中華そばと思いきや、このスープが出しも聞いておりそれは美味しく、一瞬で食べ終わった。

地元民おススメの「壱番館」のラーメン 



夜9時前、飲み屋を散策しようと宿泊先のゲストハウスを出る。すると、明らかに道に迷ってる外国人家族がいて、ホテルまでの道とチェックインの仕方を案内した。とても感謝してもらって、よかったらこのあと一緒に呑まないかとお誘いを受けた。
お店は軒並み早い時間に閉まってたので、コンビニでお酒とおつまみを買い、近くのベンチで飲みながらいろんな話をした。韓国在住の韓国人とイタリア人の夫婦、3歳のおこさんひとり。旦那さんはオーストラリアにワーホリで2年弱いたり奥さんはパリで5年過ごしたりなかなか2人とも経歴濃そうな感じ。連絡先も交換して、朝モーニングも行こうよと誘ってくれた。
とてもいい夫婦でこーゆう出会いがあると英語やっててよかったなと心底思う、あと変な度胸がついたのもよかったかも笑。

三日目 倉敷へ


昨夜知り合った韓国人イタリア人家族が朝のモーニングも誘ってくれたので、商店街にある喫茶店に行った、基本僕が商品などの説明をして、店員さんに伝えた。英語ができることでこんな人の助けになる、なんか自信がついたひとときだった。正直言うと、図々しくてもいいからこんな感じで自分試しをしたかったのだ。
その後、アイス最中が有名なお店で最中をみんなで食べて、彼らとはお別れ、福山へ向かった。
福山駅に降りると、駅前直結の福山城へ。福山城はリニューアル後歴史資料館になっており、なかなか内容も濃いもので歴史好きな僕は存分に楽しめた。

ご城印ももらい、昼食は福山ラーメンを食べた。

そして最終日のメイン、倉敷へ。
福山から倉敷へ向かう道中の車内で、疲れも溜まっていたからか眠ってしまった。はっと起きたら車窓から新幹線の文字が。福山の次で新幹線の止まる在来線の駅は倉敷では?!と勘違いした僕はドアが閉まる寸前に飛び出た。そこで見たのは「新倉敷」の文字。目的地の倉敷の二つ前だった。電車は行ってしまい、30分のロスタイム。軽く呆然していたが、そこで一つ出会いが。JR西日本の特急新型車両が試運転で駅にやってきたのだ。こーゆうのには弱く、子供心に興奮した。ちょっとした遠回りでみつかる偶然の賜物が旅を楽しくさせてくれる。 

居合わせたサラリーマンや学生と一緒にシャッターを切っていた


倉敷に着き、美観地区へ。
美観地区はとても整備されていて、お店も想像を超える数が営業していた。外国人向けともされる看板も散見するし、上手く日本の伝統的な古民家街を観光地化しているなという印象を受けた。

一通りお店を回って散策した後は、美観地区を見下ろす小高い山の上にある阿智神社にお参りし、御朱印を頂いた。ここはしっかりと書いてもらえるからありがたかった。

綺麗に整備された印象が強い美観地区



倉敷の有名な美観地区に行く最中に、昔ながらの商店街がある。散策後、そこで偶然見つけたワインバーに少しの勇気を出して入店し、あまり味わうことのできない珍しいワインを堪能できた。倉敷には地元に根付いたこうした飲み屋さんがたくさんある。尾道もそうだったが、地方ならではの温かさを感じることができた。
その後はぶっかけうどんの発祥といわれる尾道ぶっかけうどんを食べたあと、深夜バスの発車まで時間があったので、夜の繁華街を散策。
こじんまりとした雰囲気漂うバーを見つけた。最初少し緊張したが、マスターは優しく接客してくれて徐々に馴染んで行った。
倉敷で丸20年1人で切り盛りしているそうだ。常連さんもたくさんいるみたいだが、木曜日なので他にお客さんはおらず僕とマスターでずっと会話していた。
"ふらっと寄ったバーのカウンターでカクテルを飲みながらゆっくり過ごす"
これだけで自分に酔っていた節はあると思う。そんなこと言うとこっぱずかしいけど。

一人旅を終えて


日本は一人旅するには最適で、掘りがいのあるスポットだらけだ。
色んな角度で街づくりやその場に根ざす文化、人々を見てみると余計奥深さがあるものになる。今回の旅でそんなことを実感した。また、どの町にもソウルフードや、特産品がある点はとても大きい。普段なかなか食べないような味を、その場所その場所で楽しめるため、老若男女が楽しめる。
旅の醍醐味。一人旅は全ての選択と行動が自分次第。その一人ならではの楽しさに初めて気づくことができた。
寝過ごしても間違えて駅を降りても誰も責めない。そしてその"間違えた"先にあるちょっとした出会いを楽しむことができる。
まだまだ未開の地はたくさんあるので、いろいろな場所を訪問してみたい。そして日本人を問わずもっとその土地土地の魅力を伝えられる人間になれたらと思った。


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