見出し画像

そのドヤ顔がまた見たくて。

昨日、私が今の会社に入社した経緯を簡単にご紹介した。

障害福祉の世界に入って、対人支援の仕事について1年半がたつ。
そして最近は上記記事にも書いてあるが「新卒採用」にも携わっていて、多く学生さんと面談するようになった。

個人的に学生さんとの面談ってめちゃくちゃいい時間になっている。
いい意味で何も知らない学生さんに対して、自分たちがやっていることを言語化して伝える。そのために改めて自分が今何をやっているのか、何のためにやっているのかを言語化する。

良くも悪くも同じような流れで進んでいく日々の中で、自分を立ち返る場面って必要で。それが必然的に求められる学生さんとの面談の時間って今の自分にすごく貴重な機会を与えてくれている。


そんな中で聞かれる質問として特に多いのが、

「一番のやりがいはなんですか?」

というもの。

自分も学生だったら同じ質問をするかもしれない。「福祉」という世界を詳しく知らないからなおさら。だってあまり中身が見えてこないから。

やりがいって本当にいろいろあると思う。

自分がやった支援で目の前の利用者さんが喜んでくれた、とか。利用者さんが就職した、とか。高い工賃を渡すことが出来た、とか。

いろいろあると思うんだけど、自分にとっての一番のやりがいって自分の支援がどうのこうのじゃなくて、利用者さんのドヤ顔を見た時だ。

今は就労移行支援にて支援員をしているけど、入社してすぐは就労継続支援B型事業所にて支援員をしていた。そこで出会った1人の利用者さんがいる。

その方はなかなか集中力が持続しなくて、ちょっと時間が経つとフラフラ歩き回ってしまう。他の方にしゃべりかけに行ってしまう。だけど集中した時の力はものすごくて。力はあるのに惜しいな、と思っていた。

じゃあ無理やり作業をさせればいいか、っていうと私はそうは思わない。
やらせることはその場しのぎにはなるかもしれないけど、それこそ長続きしなくて。やらせるよりもやりたいと思わせる環境づくりの方が大切で。

一体どんな環境づくりがいいのか頭を悩ませた。

作業の内容、作業の人数、集中力が切れそうになったと時のアプローチの仕方などなど。

そんなある日、遂に歯車が合わさった。
それまではお昼の時間が近づくとお腹が空いてどこかに行ってしまうことが多かったのに、その時は「最後までやる」と言って汗を流して作業をしてくれていた。

そして予定していた作業をやり切ると、

「ご飯食べに行こ」

とやり切った表情で私にそう語りかけた。

そのあとご飯食べに休憩室に歩いていく背中は、いつにも増して大きく見えた。あの時のドヤ顔、今でも鮮明に覚えている。


どうしてドヤ顔がいいかって、それはその方が自分のやったことに対して自信と誇りを持っているからだ。それがなきゃドヤ顔なんてできない。

個人的に思う「支援」の1つのゴールってこのドヤ顔を引き出すことだと思っている。じゃあ「支援」ってなんだ、というと、”お世話すること”じゃなくて”自立させていくこと”だと考える。

全員とは言わずとも多くの利用者さんにとっては就労支援の場所がゴールではない。どんどんステップアップしてほしい。自立していってほしい。そして本人もそれを望んでいることが多い。

ステップアップしていくにあたって私たちがずっとついていることが出来るかというと当然そんなわけはない。ひとり立ちしていかなきゃならない。そしてそのためには「自分にも出来る!」という自信が必要だ。

私たちの役割は、当人たちの持つ可能性に気づかせること、自信をつけてもらうことだと思っていて。自信がついた先に待つのが「ドヤ顔」だと思っている。

これは就労移行支援に異動した今でも変わらない。


私は目の前の「あなた」のドヤ顔が見たくて、今日もまた支援を行っている。

この記事が参加している募集

今後の記事の質向上のための資金として使わせていただきます!