加速するスタジアムのエンタメ化
野球スタジアムは野球を見るためだけの場所ではない。試合がない日、試合前後に来場者をどう楽しませるか。これは新型コロナウィルス到来前からすでに世界中でもあった考え方です。
ですが新型コロナウィルスの影響により、スタジアムにとって最大のコンテンツである「試合」が開催できなくなってしまいました。それでも今は非常事態宣言は解けて、営業は可能。マイナーリーグ各球団にとってはそんな状況が続いています。
メジャーリーグは開幕に向けて多少の動きはあるものの、その下部リーグであるマイナーリーグには同様のことは言えません。元々シーズンが9月まで、更には入場者がいてビジネスが成り立つマイナーにとってはシーズンが開催されるのかという不安も高まってきています。
そうなると今あるものでどうにかして収入を生み出さなくてはいけない。マイナーリーグ球団にとっては試合がない、選手はいないという状況の中、スタジアムを使ったビジネスを開始しています。ここまで一番の話題となっているのがツインズ傘下2Aの「ペンサコーラ・ブルーワフーズ」が本拠地球場を民泊予約サイトのAirbnbに登録したことです。
登録手続きを進めて行くと、税金などを含めて1泊1825ドル(約19万6千円)。最大10人までが宿泊が可能となっています。
その他での例で言うと、レッズ傘下シングルAの「デイトナ・トーテュガス」の屋外で映画を上映する取り組み。ソーシャルディスタンスを保ち、フィールドいっぱいを使って屋外映画館を生み出しました。これはマイナーリーグをご存知の方なら良くある企画ではあるが、今後こういった試合がない中でビジョンを使った取り組みは増えるのではないでしょうか。
またしてもブルーフワーズの話題ですが、スタジアムを活用してのディスクゴルフ開催。
最近ではスタジアムとTOP GOLFのコラボは増えていますが、必ずしも”野球”コンテンツでなくても良い。普段スタジアムに来ない人を呼び、今度は改めてスポーツを見に来てもらうきっかけ作りを今する時間ともなり得ます。
更には広大な駐車場を持ったスタジアムも多い。そこで車からでも楽しむことが出来る花火大会の開催。1台につき、10ドルという値段ですがもうすでに完売したとフィリーズ傘下トリプルAの「リーハイバレー・アイロンピッグス」の取り組み。
日本では必ずしもチームがスタジアムを所有してないケースも多いですし、土地のスペースから考えて同様の取り組みは難しいと思います。それでも大会がない、試合がないと空になってしまうスタジアムを稼働させるために何か出来るのではないかと思う人々にとっては色んな事例が溢れています。まだまだ日本でも油断が出来ない状況ではありますが、安全性を保ちながらどういった新しい”ビジネス”が生まれていくのか非常に楽しみにしたいと思います。
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