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なぜ引き継ぎは失敗するのかを考察してみる。
みなさんもそうだと思うんですが、これまで幾度となく引き継ぎを経験してきました。
・担当クライアントの引き継ぎ
・担当パートナーの引き継ぎ
・定例業務の引き継ぎ
・事務作業の引き継ぎ
・その他もろもろ......
が、問題なく引き継げたことはほぼありません。
「”スムーズな引き継ぎ”なんて言葉は、概念上の単語であって現実世界には存在していません。」と言いたくなる気持ち is ここにある。
なので、タイトル通り「なぜ引き継ぎは失敗するのか」を考察してみました。
そして、
"仕事≒前任者のタスク"を引き継ごうとするから失敗するのであって、
”仕事≒目的を達成すること”を引き継がないといけないのではないか
という結論に達しました。
仕事が生まれる瞬間
先日の会社でのやり取りにて
ぼく「最近関係者増えてきてトラブルが起こりそうなので、こんなルールを作って管理しようと思います。」
上司「良いけど、少し複雑だね。せんがさんならできると思うけど、誰かに引き継げるかな?」
ぼく「きっちりマニュアル化して残しておけば大丈夫かなと見込んでます。並走期間があれば、後任者も運用できるかと思います。」
上司「・・・。」
先日新たに仕事が生まれる瞬間がありました。トラブル抑止のためにルールを作ることになり、”ルールを運用管理する”という仕事が発生したのです。
関係者と想定できるケースをきっちり洗い出して分析し、それぞれごとに対応パターンを定型化することで、マニュアル作成を進めていくことにしました。
マニュアルがあれば、それ通りにやってもらえば問題ないので、引き継ぎもスムーズなはずと思いました。
いつか来る引き継ぎの瞬間
では、この先時が経って誰かに引き継ぎが発生する際、どんなことが起きうるか?
ぼく「この”ルール運用管理業務”について引き継ぐのでお願いします。こういうケースはこうしてください。で、こういったケースは・・・・・。運用についてはマニュアルもあるのでこちらを参照してください。」
引き継ぎ相手「了解です。マニュアル見ながら進めるようにします。不明点あったら質問しますね。」
(1ヶ月後)
引き継ぎ相手「せんがさん、引き継いだあれなんですが、このケースはどれになりますか?」
ぼく「えーっと、、あ、こうしてください。」
(さらに1ヶ月後)
引き継ぎ相手「せんがさん、これについては言及ないんですがどうしましょう。」
ぼく「あー、そうですね、こうやるのが良いかと。(引き継いだんだから自分で判断してくれー)
すでに決められた”マニュアル運用”を仕事として引き継いだので、マニュアルにないものの判断ができない。都度質問も来るし、引き継ぎになっていません。
何が良くなかったのでしょうか?
”引き継ぎ”なのか、”依頼”なのか
このケースで引き継ぎ相手は、”マニュアル運用”について責任を持っているように見受けられますが、本質的には”トラブル発生抑止の達成”が目的だったはずです。
つまり、前任者は”トラブル抑止が仕事”と思っていたが、引き継ぎ相手は、”マニュアル通りの運用が仕事”と思っていた。ここにギャップがあります。
仕事の目的と範囲はなにか
引き継ぐ仕事の範囲は、前任者が決めなければいけません。特に責任と判断も含めて引き継ぐのかは、必ず明確にしたほうがよいです。
今回のケースだと大切なのは、”マニュアル通りの運用”ではありませんでした。トラブル抑止のためであれば、現状のマニュアルを破棄して新たな手段を導入することも検討すべきです。しかし、引き継ぎ相手はそれを判断できずマニュアルの最適化しか検討できません。つまり”なんでそのマニュアルが必要なのか”についても引き継ぎ内容として言及すべきだったのです。
結論、仕事の達成目的を共有することが成功の鍵
引き継ぎの際には、かならず仕事の達成目的について言及すること。
つまりFMTとして、
〇〇(目的)を達成するために、△△(タスク)を行っています。今回の引き継ぎでは、△△についても説明しますが、引き継ぎ後この〇〇達成があなたの新しいミッションです。
みたいな伝え方をするのが重要かと。
例えば
<Aパターン>
トラブル発生ゼロ件を達成するために、ルール策定とマニュアル運用を行っています。今回の引き継ぎでは、現行ルールやマニュアルについても説明しますが、引き継ぎ後このトラブル発生ゼロ件があなたの新しいミッションです。
<Bパターン>
ルールの事業部内完全浸透を達成するために、マニュアル運用を行っています。今回の引き継ぎでは、現行ルールやマニュアルについても説明しますが、引き継ぎ後このマニュアルの適切な運用と浸透があなたの新しいミッションです。
みたいな感じです。
逆に仕事を引き継ぐときには、積極的にこちらから”どこまでが引き継ぐ範囲なのか”を明らかにすることがトラブル回避のコツですね。
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