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株式投資型クラウドファンディングが利用されている業種は?

こんにちは。マシューです。

前回は、過去に株式投資型クラウドファンディングを利用したことがあるユニコーン企業をご紹介しました。
「株式投資型クラウドファンディングを利用したユニコーン企業」

今回は、どのような業種の企業が株式投資型クラウドファンディングを利用しているのかご紹介します。
利用傾向を見ると業種毎に向き不向きがあるように思われます。ただし、現時点のラウンド・資金調達の考え方・サービスの特徴など、別の要素によっても相性は変わってくるかと思います。

|海外の株式投資型クラウドファンディングから読み取る

2018年にアメリカの株式投資型クラウドファンディングを利用した企業の業種別割合が下図になります。

(StartEngine記事より引用)

全体で732の案件がリリースしており、そのうち22.8%(約167社)が「飲食」領域に当たります。アメリカには消費財業界に特化した株式投資型クラウドファンディングが存在するなど、一般投資家にとって身近な領域は株式投資型クラウドファンディングと相性が良く、利用される傾向にあるのではないかと思われます。

続いて、「テクノロジー」(かなり幅広いですが...)、「メディア・エンターテインメント」、「ブロックチェーン」が上位に来ています。これらの領域はあまり差はなく、「飲食」が頭一つ抜けています。


一方イギリスについて、2018年の株式投資型クラウドファンディング利用実績がまとまっている情報が無かったため、「Crowdcube(クラウドキューブ)」が発表している "2019年に株式投資型クラウドファンディングの利用が増える業種" をご紹介します。発表時期は2019年初頭なので、2018年の実績を踏まえての予測と思われます。
(Crowdcubeの詳細はこちらをご確認ください。)

・AIによる消費者向け製品のパーソナライズを図る企業
・保険に関する技術や投資情報を提供するフィンテック企業
・大麻ビジネスを行う企業
・クラフト蒸留所
・クリーンテック企業
・高齢者向けの医療技術やスマートホーム技術を生む企業
・消費者向けにヘルスケアや福祉サービスを提供する企業
・その他ロボティクス、ドローン、ビーガン製品、eスポーツなど

上記を見るとBtoC事業が多く、BtoC事業が株式投資型クラウドファンディングと比較的相性が良いのではないかと推測できます。

|日本の株式投資型クラウドファンディング利用状況から読み取る

2019年8月現在日本において、4社のプラットフォーム業者がサービス提供を行っています。その4社のプラットフォームを利用した企業をそれぞれ特定の業種に分類してまとめたものが下図になります。

※社数は実績ベースですが、業種の分類は主観的に行ったものです。
※調達に成功した企業、事前告知中、募集中の企業が対象です。
※複数回利用した企業が何社かありますが、重複して計算はしていません。

日本では73社が株式投資型クラウドファンディングでの調達に成功した、もしくは現在事前告知中、募集中の企業です。
その中で利用企業の多い業種TOP3は、「飲食」「ソフトウェア」「ヘルスケア(医療・介護)」でした。「ソフトウェア」は幅が広いので判断が難しいですが、「飲食」、「ヘルスケア(医療・介護)」は一般投資家にとっても身近で関心が強い領域であるため、調達に成功している企業も多いのではないかと推測します。

日本もアメリカと同様に「飲食」がトップになっている点は非常に興味深いです。

|最後に

海外、日本の株式投資型クラウドファンディング利用状況を見ると、BtoCモデル、その中でも特に「飲食」領域の企業は株式投資型クラウドファンディングと相性が良いのではないかと推測できます。

また、イギリスではフィンテック企業による株式投資型クラウドファンディングの利用も多く、その中の2社がユニコーン企業になっています。

日本ではまだ実施件数自体少ないですが、もっと件数が増えてくると業種別の利用傾向はより明確になってくるのではないかと思います。




参照:

StartEngine記事
https://www.startengine.com/blog/equity-crowdfunding-2018-review/

AMP記事
https://amp.review/2018/09/18/singapore_cleantech/

日本証券業協会公開の統計情報
http://www.jsda.or.jp/

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