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大阪・関西万博(Ⅴ)~木造リング~

大阪・関西万博の中でも一番インパクトがある木造リング(以下リング)について紹介します。


🔴存在する意味🔵

大阪・関西万博会場デザインプロデューサーで建築家の藤本壮介さんがXでポストをしています。

すごく簡単に要約すると4つに分類されると思います。

1.太陽光・降雨対策

2・回遊路を大きな屋根で覆い雨や日差しから来場者を守り、どんな天候でも安心して万博体験ができる

https://x.com/soufujimoto/status/1771441921107616150
万博の象徴「リング」、作業順調 開幕1年前控え、8割組み上がる(共同通信)
https://news.goo.ne.jp/article/kyodo_nor/nation/kyodo_nor-2024040801000936.html

写真にあるようにリングの下は広いスペースとなっていて太陽や雨を避けることが出来ます。
もちろん、パビリオンで様々なアクティビティを体験している間は必要ないですが、ちょっとした休憩や突然の雨のときにはちょうどいい休憩場所になると思います。

https://www.expo2025.or.jp/news/news-20220713-01/

また、ほとんどのパビリオンがこのリング内にあり、それ以外のパビリオンもリングの近くにあります。
楽しんだり学んだあとにサッとリング下へ行けるところもメリットです。


2.導線確保・目印

1・円形の回遊路は大通り的な直線軸や中央広場型に比べて来場者を分散させながらスムーズに回遊させることができ、混雑が予想される万博の会場計画において最も有効な動線計画である

3・リングには照明やサイン計画が統合されリング自体が巨大なナビゲーションシステムとなる。どこにいても目に入るリングは「あそこに戻れば迷わない」という安心感を生む

https://x.com/soufujimoto/status/1771441921107616150

会場内のあちこちを移動するときに下から行くこともできます。が、それだと混雑がひどくなってしまいます。

そこで、リングを使うと快適に移動することが出来ます。

近くの施設であればすぐに行けるかもしれません。
ですが、遠い場合は混雑しているところを通っていくのは大変でしょう。

なので上を通っていけば良いんです。
そうすると混雑にうんざりすることなく快適に楽しむことが出来ます。


1周2キロ、建設中の大阪・関西万博の木造大屋根「リング」を一望
https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202312/0017146658.shtml

リングは巨大な木造建造物となっていて「どこにどのパビリオンがあるのか?」「迷子になったらどうしよう?」といった不安を払しょくしてくれます。
僕がそうなんですが方向音痴な人でも安心できます。また、子ども連れの家族なども安心できるでしょう。


3.展望台的役割

5・会場外周には電動バスが通るが、元々の計画案では水辺=会場の外周バス路で、来場者は水辺に近づくことができなかった。リングの一部を水上に張り出すことでバス動線を水上に逃し、来場者と水辺の広大な接点を作り出した

6・こうして作られた三日月型の水面はさまざまなイベントに使われ、リングの上は巨大な屋外劇場となる

7・夢洲は護岸が立ち上がっているので地上に立つと海が見えない。大屋根リングの上を歩けるようにすることで、会場を見下ろす視点を獲得し、瀬戸内の夕日や大阪神戸の街並みを見渡す展望スペースとなる

https://x.com/soufujimoto/status/1771441921107616150

内側にある三日月型の水面(画像内:緑斜線)はウォータープラザと言われる場所になっていて毎日水上ショーが開催されます。
地上から見るのも良いですが、リングからだと別の視点として見ることが出来るでしょう。

https://www.expo2025.or.jp/news/news-20220713-01/(一部加工)
https://www.expo2025.or.jp/news/news-20231213-01/

https://www.google.com/maps/place/%E5%A4%A7%E5%B1%8B%E6%A0%B9%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0/@34.5511908,134.9510588,10z/data=!4m6!3m5!1s0x6000e90024ce9c57:0xc13299d2f1a605a0!8m2!3d34.6483119!4d135.3858626!16s%2Fg%2F11y5m4b9fq?entry=ttu

リングの西側には瀬戸内海が広がっています。
そこへ沈んでいく夕日の様子はさぞかし綺麗でしょう。
また、大阪市内のビル群や奥にある生駒山などの山々の様子も見ることが出来ます。

自然と人々が長い年月を経て作り上げた町の対比を一望できます。


4.「いのち輝く未来社会のデザイン」との兼ね合い

8・リングの上はバンク状のグリーンの屋根になっており、広大な空が円形に切り取られる。会場内の数十万人が共に見上げる「ひとつの空」を体験する 多様な世界がつながる

9・円という形は、どこが上座であるというようなヒエラルキー(格差)がないニュートラルな形である。世界を強く纏めながら、どこにも偏りのない形として円は適切である。唯一の特権的な場所は円の中心だが、そこにはパビリオンは置かずに、森としている。それは自然と共生するこれからの社会の象徴ともなる

12・今回の万博を特徴づける強いアイデンティティを生み出すこともまた重要な機能性である

https://x.com/soufujimoto/status/1771441921107616150

写真にあるようにパビリオンを包み込むように建てられているリングは「一つになる」や「差がない」と言うことが意識されています。

また、

万博の掲げる「いのち輝く未来社会のデザイン
サブテーマの「いのちを救う」「いのちに力を与える」「いのちをつなぐ

これらの考えにも合致しているものとなっています。

多様性を認め合うことが互いのいのちが輝く社会になるでしょうし、いのちに力を与えているでしょう。

差を無くして互いを認め合うことはいのちを救うことやつなぐことになるでしょう。


前回の’70年万博のときは「太陽の塔」
’90年開幕の花博のときは「いのちの塔」

アイデンティティとしての存在価値もあります。

まさに、万博の象徴的存在になります。

10・東西のエントランスからアプローチするときに、この木造のリングは大きなゲートとして人々を迎え入れる。万博という特別な体験のための大きなゲートを作り出す

11・大規模木造はその持続可能性ゆえに世界規模で「未来の素材」と言われている。その最先端の工法と1000年以上の伝統を誇る日本の木造を融合して世界へ発信する意義は大きい

https://x.com/soufujimoto/status/1771441921107616150

ワクワクへのゲートにもなるし、世界へ木造の可能性を発信することが出来ます。


🔴木を使う理由🔵

藤本さんは木造構造である理由についても述べています。

・世界的な風潮

木材は非常にエコな素材です。
木材を伐採→植林→育てる→伐採・・・となっています。

しかも、伐採した木材は伐採する前に吸収したCO₂を固定するので地球とって優しいものとなっています。

他に木材を伐採することについては反対的な意見もあるかもしれませんが、実は逆です。

1.CO₂吸収の低下

木も常に呼吸を行っています。それと同時に日中のみ光合成をおこなっています。
中学校の理科でも習った方も多いかもしれませんね。

ただ、CO₂放出量<光合成量になるのは若い木にかんしてであり、樹齢が伸びてくると光合成量が減り、CO₂放出量の方が多くなってしまいます。

2.災害リスク

手入れをされている森林であれば間隔が一定程度であるため木々が降雨を適切に保水することが出来ます。

しかし、荒れている森林の場合一か所に固まっていたり、まったく木がない状態が起こる恐れもあり、その場合は保水できません。

また、固まっている場所は若い木が成長する余地がないため樹齢の高い木ばかりになってしまいます。


このことから、木を計画的に伐採して森林が活きるようにする必要があります。

さらに、木造建築は日本が古来から受け継いできたものです。
リングを通じて日本の木材建築のすばらしさを世界に広めるチャンスだと思います。


【参考】
生和コーポレーションが2017年10月31日に刊行した記事によると大規模木造建築は世界的に主流となっています。

NTTファシリティーズにも同様に世界的に木造建築が広まっていることが述べられています。


🔴チケット🔵

前売りチケットはだいぶお安くなっています。
是非購入も考えてみてください。

チケット金額表


🔴最後🔵

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